第8話 文学少女が薄着で俺に胸を押し付けてくる----
318 自分:
毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:25:10.09 ID:gutWNcIq0 [6/20]
第8話 文学少女が薄着で俺に胸を押し付けてくる
俺「………」パラッ
2月も半ばのある日、夜10時の薄暗い第502統合戦闘航空団男性用宿舎談話室には暖炉の炎が爆ぜるパチパチという音と俺が本をめくる音だけが響いていた。
明日も早いから他の男性隊員の皆はもう寝てしまっていて、今談話室には俺しかいない。
朝が早いのは俺も同じだけど、今読んでる本がもうちょっとで読み終わるから、少しだけ夜更かしをしている。
俺「………ふぅ…終わった」パタン
?「うおーっす。何読んでんだー?」ガバッ
俺「おわぁ!?」ビクッ
管野「おっ『赤と黒』か。懐かしいな。オレが読んだのはいつだったっけか」
俺「何だナオちゃんか……ビックリさせないでよ……」
暖炉の前に置かれた椅子に座る俺の首筋に何か飛びついてきたと思ったらナオちゃんだった。
どうやら読書に夢中になりすぎて、部屋にナオちゃんが入ってきたのに気付かなかったらしい。
319 自分:毎日ナオちゃん この感想はあくまで作者の感想です。KKIでオナシャス[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:29:16.91 ID:gutWNcIq0 [7/20]
管野「なんだ、翻訳本読んでるのかよ。どうせだったらガリア語の原本読めよ」
俺「ガリア語なんて読めないよ……」
管野「辞書を駆使しながらちょっとずつ読んでいくのもけっこう楽しいぞ?」
それはそうかもしれないけど、頑張って原本読むなら『赤と黒』より『ローランの歌』の方がいいなぁ。
管野「読み終わったんだろ? 感想聞かせろよ」
俺「そうだねー……革命の反動で急進的な保守思想が跋扈していた当時の雰囲気が味わえて面白かったね。政府が病的なまでに反ナポレオン思想を広めようとしている所とか」
管野「むっ……そういう感想か。もっとこう、自分が成り上がることしか考えてないジュリアンにレナールとマチルドが惚れる意味が分からないとかそういうのはないのかよ」
こういう、本を読んだ時の感想の違いが俺とナオちゃんの趣味の違いをよく表していると思う。
俺、小説とか詩とかより学術書の方が好きなんだよなぁ。
俺「野心的な男って女性から見て魅力的じゃない? 男らしくて頼もしいしさ」
現状維持が第一の消極的な俺とは正反対だね。
管野「それはそうかもしれねぇけどさ……オレの好みじゃないというか……いや、別にそれと正反対な男が好きってわけじゃねぇけど…」ブツブツ
ナオちゃんはよく分からないことをブツブツ言いながら、困ったように視線を行ったり来たりさせている。
320 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:32:21.54 ID:gutWNcIq0 [8/20]
いつも言いたいことをはっきり言うナオちゃんだけども、時々こうして伝えるのを躊躇うように聞き取りづらい声で何事かを要領を得ず話し始めるのは何なんだろう。
そういう時は決まって耳が赤くなってるし。
長い付き合いだけどまだまだナオちゃんについて知らないことはいっぱいあるなぁ。
管野「そもそもオレは色恋とか興味ねぇし……9歳の時に書いたあの詩は…アレはノーカンだ………うん、一時の気の迷いだな…」ブツブツ
どうもナオちゃんは思考の渦に呑まれてしまったらしい。
まずいな。これじゃあずっと目をそらしてきた現実と目を合わせないといけないじゃないか。
今、ナオちゃんはイスに座った俺の首を背中から抱え込んでいる。つまり、
管野「別に俺はただの幼馴染であってそれ以上でもそれ以下でも……」ムニュッ
俺の肩辺りにナオちゃんのささやかな胸が押し付けられているのだ。
何コレやわらかい……
管野「だからと言って嫌いってわけでもなくて……」モジモジ
その上、俺の手元を覗き込むという格好になっているので、顔と顔がかなり近くなっている。
お風呂上がりなのかな。髪からほのかに石鹸の匂いが……
その石鹸の匂いと生来のナオちゃんの甘い香りとが合わさって俺の劣情は高ぶる高ぶる。
寝る態勢になっているようで、シャツ一枚という薄着のため、胸の感触がより実物に近い。
321 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:36:07.91 ID:gutWNcIq0 [9/20]
この前よりちょっと大きくなってるかな? 何だかんだ言って成長してるじゃん。良かったね、ナオちゃん。
ナオちゃん………………………………………うっ
ロスマン『大丈夫よ。あっという間に終わるから。っていうかあっという間に耐えられなくなるから』ニコッ
俺「ひぃっ!?」ビクッ
管野「うおっ!?」ビクッ
ってイカンイカン!! この前の二の舞でロスマン曹長にお仕置きをされるわけにはいかない! こ、ここは素数を数えて賢者になるんだ!
俺「0、1、1、2、3、5、8、13……」ブツブツ
管野「ど、どうしたんだよ、突然」
俺「233、377、610……」ブツブツ
管野「お前時々そうやって突然よく分からねぇ数字を数えだすことがあるよな……まあいいや」
ギュッ
そう言うと再びナオちゃんは俺の首に腕をからませてきた。
管野「お前今日風呂入ってないのか? ちょっと汗臭いぞ?」ムニュッ
そして再び押し付けられる幸せな膨らみ。
322 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:40:12.04 ID:gutWNcIq0 [10/20]
ダメだ意識するとヤバイ何これマシュマロというか何というか
管野「へへっでもこの臭い、オレは嫌いじゃないぜ?」スンスン
ああああああああああああああもうこれ襲っていいよねええええええええええええええええ!?
俺「フゥ…フゥ……!」ワナワナ
管野「お、おい。本当に大丈夫かよ?」
常日頃から思ってたけど、ナオちゃんは無防備すぎるんだ。
確かに、そこも無邪気かわいい所の一つだけど、これじゃあ心配で俺とロスマン曹長、ポクルイーシキン大尉の身が持たない。
そもそも、そんなシャツ一枚で下はズボンだけという扇情的な格好で男の園である男性用宿舎にホイホイ来ること自体おかしいんだよ。
管野「ちぇっ…自分の殻に閉じこもってやがる」
そりゃあナオちゃんに手を出す勇気がある奴なんてそうそういないだろうから、ナオちゃんの宿舎への自由な出入りを許したラル隊長の判断は間違っていないと思う。
俺としても寝る前にナオちゃんと戯れるという至福の時を過ごすことが出来て感謝してもしきれない。
管野「物思いに耽るなんてお前らしくないぞー」ペチペチ
でもさ、超絶かわいいナオちゃんが破滅的にエッチな格好をしてホイホイ迷い込んできたら普通理性なんて吹っ飛んで襲うからね!? 自分の命なんてかまわずこの若い果実にしゃぶりつくからね!?
そうなる前に俺が先に……
ってイカンイカンイカン!!
323 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:45:15.55 ID:gutWNcIq0 [11/20]
管野「血肉分けたる~仲ではないが~♪」プラプラ
ナオちゃんはもはや俺に体重を全て預け、足をプラプラさせながら歌なんぞ歌っている。
何だかよく分からないけどご機嫌なようだ。耳元で聞こえるぶっきらぼうだけど意外とキレイな歌声、超かわいい。
管野「なあ、俺」
俺「ん?」
管野「おっやっと返事したな。人が話しかけてるのに無視しやがって」
俺「ゴメンゴメン。ちょっと自分を抑えるので精一杯だったんだ」
よし! ナオちゃんと話してなんとか平静を保とう。背中に当たってるのは夢だ幻想だこれは現実のものじゃないんだ忘れろ俺ふぁぁぁ……
管野「昔はよくこうしていっしょに本を読んだよな」
俺「うん、そうだね」
その時は大抵今とは逆で俺が後ろから覗きこんでたけどね。
一人で本を読んでいたナオちゃんによくかまっていた俺。もしかして迷惑だったかな。
俺がナオちゃんにかまっていたのは……自分と似た雰囲気を持つ女の子が一人寂しく本を読んでいるのに同情したからなのか、それとも見目麗しい美少女に対するささやかな恋心を抱いていたからなのか。
ずいぶん前のことだからもう覚えていない。
324 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:50:15.19 ID:gutWNcIq0 [12/20]
管野「いつからか、やらなくなったよな。オレがウィッチを志し始めた頃からか?」
確かに、その頃くらいから俺はナオちゃんにあんまりかまわなくなってきた。
管野「オレの性格がキツくなった頃か……やっぱり可愛げがなくなったからか…?」シュン
俺「そんなことないよっ!!」バッ
管野「うおっ!? だから突然大声出すなって言ってるだろ……」
俺「だってナオちゃんが自分には可愛げが無いなんてふざけたことぬかすから」
管野「お、おう?」
今も昔もナオちゃんの可愛さはまったく変わらない。いや、むしろますます可愛くなっていっている。
最近ではちょっとずつ大人の色香みたいなのも出始めてて正直辛抱堪らんです。
俺「たとえ、一人称が『オレ』でも、闘争本能剥きだしでも、『デストロイヤー』なんて呼ばれてても、どうあっても……というかそうであるからこそナオちゃんはかわいい女の子だよ」
管野「そ、そっかな?」
俺「うん」ニコッ
管野「へへっかわいいか……ってべ、別にオレはかわいいとか言われても何とも思わねーし!」プイッ
俺「はいはい」ニコニコ
325 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 01:55:23.20 ID:gutWNcIq0 [13/20]
管野「むぅ……それじゃあ何でお前はオレにかまわなくなったんだよ」
俺「ああ、それはね……その、アレだよ……」
思春期になって、ナオちゃんを明確に女だと意識し出して、うかつに体に触れなくなったせいなんだけど……それを言うのはさすがに恥ずかしい……
俺「あんまりベタベタするのは子供っぽいかなーっと思ってやめたんだ」
管野「そうか……まあどうでもいいけど」ムスッ
ありゃ、さっきまでご機嫌だったのに急に不機嫌になっちゃった。
今夜のナオちゃんはちょっと情緒不安定だな。
管野「それで、次は何を読むんだ?」
俺「ん~…ナポレオン三世の伝記かフリッシュ=パイエルスの覚書について書かれた本か……」
管野「何だよ、せっかく『赤と黒』読んだんだから、ついでに他のガリア文学も読めよ。バルザックの『人間喜劇』とかいいぞ」
俺「ふむ……」
管野「最近のだと、サン=テグジュペリの『星の王子様』が面白かったな。この作者の他作品で『夜間飛行』っていうのがあって、これは飛行機乗りでもある作者の経験に基づいた非常にリアルな……」ペラペラ
俺「ふむふむ」ニコニコ
不機嫌になったかと思ったらすぐにまた上機嫌に戻った。こんなに饒舌に話すなんて、よっぽど機嫌がいいんだな。
本当に今日のナオちゃんはよく分からないなー。
327 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 02:00:27.46 ID:gutWNcIq0 [14/20]
管野「ガリア文学と言ったら他にはゾラとか……っともうこんな時間か。そろそろ寝ねぇと」
俺「今夜は妙におしゃべりだったね、ナオちゃん」
管野「うん……我ながららしくなかった」
俺「感情の起伏が激しいけど、何かあったの?」
管野「それは……その…」ジーッ
俺「?」
管野「別に何もねぇよ」プイッ
しばらくジーッと俺の顔を見ていたナオちゃんはそう言うと耳を赤くして顔をそむけた。
フフッ不機嫌な顔を作ろうと頑張ってるけど、さすがに俺にはご機嫌だっていうのが丸分かりだよ。
やっぱり何かいいことがあったみたいだね。
管野「何故か気が合うて~別れられぬ~♪」プラプラ
俺「ナオちゃん、さすがにそろそろ寝ないと。明日も早いよ」
もっとナオちゃんとくっついていたいけど、もういいかげん寝ないと。
328 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 02:01:10.22 ID:gutWNcIq0 [15/20]
管野「おう……」ギュッ
俺「ほらほら」ユサユサ
管野「むぅ……」
何故か動くのを渋るナオちゃん。
俺としても名残惜しいけど、あんまり遅くなると502の他の皆に迷惑がかかるし、何より俺の理性が持たない。
俺「帰りが寒いっていうんだったら、俺の上着貸すけど?」
管野「いや、大丈夫だ……」
そう言うけどやっぱり動こうとしないし……
管野「お、俺?」
俺「ん?」
管野「上着はいらないからさ、帰りが寒くないように……もうちょっとだけ、こうしてていいか?」ギュッ
俺「ああ、もちろんだよ」ニコッ
あとちょっとだ。もうちょっとだけ耐えてくれよ、マイサン。
329 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 02:01:40.40 ID:gutWNcIq0 [16/20]
今日のナオちゃん
管野「~♪」テクテク
ロスマン「あっナオちゃんいた。どこ行ってたの? そろそろ寝ないと明日起きれないわよ?」
管野「おう、おやすみロスマン先生」
ロスマン「もう……またそんな薄着で出歩いて……風邪引いちゃうじゃない」
管野「大丈夫だよ。ちゃんとあったまってきたから」ニコッ
ロスマン「あら、ご機嫌ね。何かいいことでもあったの?」
管野「へへっ別に何もねぇよ。ただ、久しぶりだったけど、やっぱりアイツはあったけぇな、って思ってさ」
ロスマン「?」
330 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 02:02:22.97 ID:gutWNcIq0 [17/20]
次回予告
下原「管野さん~」ワキワキ
管野「く、来るなっ!!」ダッ
伯爵「しかし、まわりこまれてしまった」スッ
管野「くっ……!」クルッ ダッ
俺「おっと逃がさないよ~」バッ
管野「なっ!?」
下原「捕まえました~」ダキッ
管野「おわぁ!?」
伯爵「フフッ観念しなよ、ナオちゃん」
331 自分:毎日ナオちゃん[sage] 投稿日:2012/04/14(土) 02:03:01.01 ID:gutWNcIq0 [18/20]
管野「ちくしょう! なんでこういう時に限ってチームワーク抜群なんだよお前ら!」
俺「だって俺達!」
伯爵「ナオちゃんを!」
下原「撫でまわし隊ですから!!」
ロスマン「何よそれ……」
ジョゼ「下原さん……」
伯爵「おやおやぁ? 先生嫉妬してるのぉ?」ニヤニヤ
ロスマン「ああもううっとうしいわねっ!」
下原「呆れた顔のジョゼさんもかわいい……」ギュッ
ジョゼ「きゃっ……///」
俺「フヒヒナオちゃん……フヒヒ」
管野「むぅ……せっかく俺と二人で回してたコーナーだったのに……」ブツブツ
次回「毎日ナオちゃん」第9話 俺はただ君のために
最終更新:2013年02月06日 16:43