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喋れない俺過去編:零話

喋れない俺本編から3年前の過去話の外伝的なお話。

本スレへの投下タイミングがなさそうなのでwikiに直投下




『わんことウィッチの意思』


1942年 どこかの基地の病室にて

おっさん司令「いたた……どうしたものかねぇ」

お兄さん副官「いてて……どうしましょうか」

俺「」ギロリ ガクブル

ナースさん「司令も副官もダメですよ?そんな子供が怖がるような事しちゃ」

おっさん司令「すみません……」

お兄さん副官「ごめんなさい……しかし司令どうしましょうか」

おっさん司令「どうしようか……副官君」

お兄さん副官「置かれていた環境のせいで我々だけでなくナースさんにもなつかないし……どうしたものですか」

おっさん司令「しばらくは刺激しないようにそっとしておくしかないだろう。治療の間はそうするしかない」

お兄さん副官「治療が終わったらどうするんですか?私じゃ多分面倒見きれませんよ?」

おっさん司令「本当にどうしようね、この子」

ナース「懐いてくれるなら私が面倒見てもいいんですけど、この調子だと厳しそうです」

3人「はぁ……」

俺「」ガルルルル


そして時は流れ、俺の治療が終わることとなった


おっさん司令「どうしようどうしよう。あの家に彼を返すわけにはいかないし、かといって私が面倒見きれるわけもないし」

お兄さん副官「私も面倒見きれる自信はありませんよ?どうしましょうどうしましょう」

???「司令、失礼します。ウィッチ大尉から書類を預かってきました」

司令・副官「!」

???「どうしたんですか?」

お兄さん副官「えへへ、やっぱり噂通りに本当に物凄い美人ですね。基地中の男どもがアタックするのもうなずけますね、司令」

司令「私も振られたからな!」

お兄さん副官「司令ェ……」

おっさん司令「ウィッチ軍曹、君は子供は好きかね?」

ウィッチ軍曹「好きですよ?」

おっさん司令「それでは今度私の子どもを」

お兄さん副官「司令!そんな事言ってる場合じゃないでしょう!ウィッチ軍曹、君に一つ任務を与えます」

ウィッチ軍曹「何でしょうか!お兄さん副官」

お兄さん副官「この子の面倒を見てやってくれないか?かなり大変なことになるだろうけれど、我々男じゃどう接していいのか中々わからなくて」

俺「」ガルルルル

おっさん司令「いたい、いたいかみつくなかみつくな」

ウィッチ軍曹「私だって退役した後、保母さんを目指そうと思ってるんですよ!頑張ります」

お兄さん副官「そうですね、何か必要なものがあればおっさん司令のポケットマネーから経費がでますのでよろしくお願いします」

おっさん司令「えっ、何を勝手な事を言って」

お兄さん副官「ここでいい所を見せておけばもしかしたらウィッチ軍曹が司令になびくかもしれませんよ?」ヒソヒソ

おっさん司令「そうか!副官ナイス」ヒソヒソ

ウィッチ軍曹「二人ともどうしたんですか?」

オッサン司令「うぉっほん。何か必要なものがあれば私か副官君に伝えてくれたまえ」

ウィッチ軍曹「わかりました司令!さあ君もこっちに」

俺「」ツーン

ウィッチ「あれ……えっと、君は何て名前かな?」

俺「」ツーン

おっさん司令「ウィッチ軍曹、彼は喋れないんだ。彼の名前は俺君だ」

お兄さん副官「あとくれぐれも服の下を見ても驚かないでほしい。少々ショッキングなものを見るかもしれないがな……」

ウィッチ軍曹「わかりました。さあ俺君いきましょう?」

俺「」ツーン

ウィッチ軍曹「ほら、お姉さんの手を掴んでいいから」

俺「」バシッ タタタタタッ

ウィッチ軍曹「あらら……私嫌われてますか?」

おっさん司令「君だけじゃないさ。人という人を嫌っているだろうね……あの子は」

ウィッチ軍曹「それは何故でしょうか」

お兄さん副官「君は小さな頃から親に虐待され続けたら人を信用できるかね?」

おっさん司令「我々が保護したときには酷い有様だったのだよ」

ウィッチ軍曹「……」

おっさん司令「あの子には手を焼くだろうが頼んだよ」

ウィッチ軍曹「了解」




ウィッチ少佐「あら、ウィッチ軍曹何処へいっていたの?」

ウィッチ軍曹「少佐!司令に呼ばれて任務を与えられてきました」

ウィッチ少佐「どんな任務を与えられたのかしら。あの司令だからまともな任務じゃないんでしょう?」

ウィッチ軍曹「ちょっと特殊な任務で、とある男の子の保護者代わりになることに……」

ウィッチ少佐「この間保護したっていうウィッチの男の子の事ね」

ウィッチ軍曹「ええ、そうです。ちょっと大変そうですけど私子供大好きですから頑張ります」

ウィッチ少佐「あの子ね……司令から聞いているとは思うけれど、面倒を見るのはすごく大変だと思うわよ?」

ウィッチ軍曹「はい、それはわかっています」

ウィッチ中尉「あなただけじゃ大変でしょうからここにいるウィッチ達にも協力させましょう。勿論私も手伝ってあげるわよ」

ウィッチ軍曹「わ~、少佐ありがとうございます」

ウィッチ少佐「それで、その男の子は何処にいるのかしら?」

ウィッチ軍曹「それが逃げられてしまって、今探している所なんです」

ウィッチ少佐「今日はみんなもう暇だろうから捜索に狩りだしましょう」



ウィッチ少佐「みんな集まったわね?」

ウィッチ少尉「少佐、我々を集めて何をするつもりでしょうか」

ウィッチ曹長「今日はもう特に何もすることはないはずですよね?」

ウィッチ少佐「ええ、本来なら今日はもう何もすることはないけれど、みんなにお願いがあります。一部は知っているかもしれませんがこの間男の子のウィッチが保護され、この基地で預かることとなりました」

ウィッチ中尉「あ、私しってるー。入院していた子でしょう?かわいかったなー」

ウィッチ軍曹「その子が逃げ出してしまって……探すのを手伝ってください」

ウィッチ少佐「と、言うわけだ。各自散開、俺君を見つけ出せ!」

ウィッチ's「了解!」




ウィッチ軍曹「俺くーんでてらっしゃーい」


ウィッチ曹長「どこへいっちゃったんだろう」

ウィッチ少尉「みつからないよ~」

ウィッチ中尉「んー、基地の人にも聞いてみるしかなさそうね」



整備さん「ちいさい男の子?みていないなー」

門番さん「男の子なんてここから1人も出て行ってないし入っても来てないよ」

食堂のおばちゃん「男の子?見てないねぇ」

偉い人「小さな男の子?そんな事より私と(ry」



ウィッチ軍曹「みつからないよぉ……」

ウィッチ少佐「本当に何処へいってしまったんだ」




憲兵さん「男の子?さっき見たよ。確か格納庫のあたりだったかなー」

ウィッチ軍曹「格納庫ですね。ありがとうございます!」


格納庫にて

ウィッチ軍曹「俺くーんでてらっしゃーい」

整備さん「あ、ウィッチ軍曹。あの男の子はウィッチ軍曹のお知り合いですか?」

ウィッチ軍曹「あなた、俺君を知っているの?」

整備さん「えっと、さっきここへやってきたとおもったらあそこの隅っこに…」

ウィッチ軍曹「ありがとう、あそこの隅っこね」


格納庫のすみっこにて

俺「Zzz」スヤスヤ

ウィッチ軍曹「やっと見つけた……」

ウィッチ少佐「ウィッチ軍曹、俺君は見つかったのか?」

ウィッチ軍曹「はい少佐。ようやく見つかりました。こんなところで寝て…」

ウィッチ少佐「寝てしまっているのか。起こすのも可哀想だからこのまま部屋まで運んでしまうか」

ウィッチ軍曹「そうしましょう。でもどうやって運びましょう……」

ウィッチ少佐「この子くらいなら私が運ぼう。ウィッチ軍曹よりは腕力はあるからな」

俺「zzz」スヤスヤ

ウィッチ軍曹「少佐、お願いします」








俺「!」キョロキョロ

ウィッチ軍曹「おはよう俺君」

俺「!?」バッタタタタッ

ウィッチ軍曹「そんなに逃げようとしなくてもいいのよ。今日からここがあなたの部屋なんだから」

俺「」ジーー

ウィッチ軍曹「俺君、お腹すいてるでしょう?夕ご飯貰ってきてあるのよ。一緒に食べましょう?」

俺「……」

ウィッチ軍曹「ほら、ハンバーグやプリンとかもあるのよ?」

俺「……」

ウィッチ軍曹「ね、冷めない内に食べましょう?」

俺「……」

ウィッチ軍曹「とってもおいしいのよ?」

俺「……」

ウィッチ軍曹「うーん……どうしたらいいのかしら」

俺「……」ドンッ!

ウィッチ軍曹「えっ、きゃっ!?」

ガシャーーーン カランカラン

俺「!」ヒロイヒロイ タタタタタタッ

ウィッチ軍曹「……ふぅ……どうしようかしら」


ウィッチ少佐「ウィッチ軍曹、先ほど大きな音がしたが大丈夫か?」

ウィッチ軍曹「少佐……俺君にまた逃げられちゃいました……」

ウィッチ少佐「で、この惨状は?」

ウィッチ軍曹「俺君が急に突き飛ばしてきて……それでパンとミルクのパックを持って逃げていってしまいました……」

ウィッチ少佐「そうか……また探さないといけないわね」

ウィッチ軍曹「すみません……」

ウィッチ少佐「なあに、また探せばいい。それに大よそ何処に居るか見当がつく」

ウィッチ軍曹「本当ですか!?」

ウィッチ少佐「ああ、それじゃあ行こうか」

ウィッチ軍曹「はい!」




倉庫

俺「」モグモグ……ゴクゴク……

俺「」ウトウト……

俺「Zzz」スヤスヤ



ウィッチ少佐「多分ここだろう」

ウィッチ軍曹「またこの場所ですか?」

ウィッチ少佐「ああ……ほら居た」

俺「Zzz」スヤスヤ

ウィッチ軍曹「本当だ……またここで寝てたのね。パンと牛乳も全部食べてないみたい……」

ウィッチ少佐「今全部食べたら、暫くまた何も食べれないと思ったんだろう」

ウィッチ軍曹「……」

ウィッチ少佐「しかたないさ、この子は今まで長くそういう環境に身を置いていたんだ……ほら、ベッドまでまた運んでやろう」

ウィッチ軍曹「はい」



俺「!」パチッ。キョロキョロ

ウィッチ軍曹「気が付いたかしら?」

俺「!?」

ウィッチ軍曹「大丈夫よ。コレを渡しに来ただけだから」つ山盛りのパンとミルク

俺「!」

ウィッチ軍曹「ここに置いていくから……好きなだけ食べていいからね?」

俺「」ジー

ウィッチ軍曹「足りなかったらまた持ってくるから」

俺「」ジー

ウィッチ軍曹「それじゃあまたね」パタン

俺「」バッ!タタタタッ

俺「」モグモグモグモグモグモグゴクゴクゴクゴクゴクゴク

俺「」ゴソゴソ

俺「Zzz」


ウィッチ軍曹「……だいぶ減ってるわね。いっぱい食べて眠くなったみたいね……今度は床じゃなくてちゃんとベッドで寝てる。少しはここが安心できる場所って気づいてくれたのかな?」

俺「Zzz」

ウィッチ軍曹「早く、普通に人と接せるようになるといいわね……」




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最終更新:2011年04月18日 19:10
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