マンツーマン

俺「…うう……ここは…?…」

俺は死んではいなかった

かろうじて生きていた

エイラ「起きたカ?」

バルクホルン「良かった…」

俺「……俺は…何してたんだっけ………はっ!!」

意識がはっきりしていくに比例して記憶も鮮明になっていく

そうだ…!!俺はエイラを襲おうとして…大尉に殴られたんだっけ!!

い、今すぐ謝らなければ!!

俺「わ、悪い!!ユーティライネン中尉!!バルクホルン大尉!!」

エイラ「ユーティライネンって呼んでるって事は元の俺に戻ったナ」

バルクホルン「あ、謝らなくてもいい…私こそ…悪かったな」

俺「本当に悪かった!ふたりとも!!」

エイラ「イイッテ、イイッテ。それじゃ、私は自分の部屋に戻るヨ」

バルクホルン「私も部屋に戻る。それでは」

2人はそれぞれ自分の部屋に戻っていった

医務室には俺一人となった

俺「晩飯まで時間はあるし……久々に医学書でも読み漁るか…」

継続は力なり

俺は医学書を毎日読み続けている

医療技術が日々進歩していくに比例して新たな病気も増えていく

医療に終わりは無い


辞書のような分厚い医学書は大抵カールスラント語で書いてあることが多い

俺たち医師にとってカールスラント語は必須である


俺「………なんか喉渇いたな……酒でも飲むか…」

俺はいつもワインを置いてあるところを漁ったが、一本も無い

俺「そっか……没収されたばかりだったんだっけ……」

落胆して再び医学書を読もうとしたとき、ドアが勢いよく開かれた

エーリカ「俺ー!!居るー?」

俺「ノックをしろ、ノックを」

エーリカ「俺、また勉強手伝ってよ!」

俺「今日は随分と早い勉強だな。いつもなら夜に来るのに」

エーリカ「今日は訓練無いからね」

俺「そっか…そこに座れ」

俺は自分の隣にある椅子を指差し、ハルトマンを座らせた

俺「で、今日はどんな内容だ?」

エーリカ「ここら辺かなー」

ハルトマンの父が医者ということは、この前教えてもらった

そして、ハルトマンの持っている医学書も父の物らしい

俺「…ここか……でも、ここら辺は俺の医学書のほうがいいぞ」

エーリカ「そうなの?じゃぁ、俺の本でお願い!」

俺「よし!じゃ、始めるぞ」

俺はハルトマンに一つ一つ丁寧に教えていく

ハルトマンは覚えが早いようで、俺の教えたことをすんなり受け入れる

手の掛からない医者の卵だ…

俺「よし、この単元はここまでだ。次は…ここだな」

エーリカ「…ここって……」

俺「ここは結構重要だ。なんせ人間の存続がかかってるからな」

 「人はどのようにして誕生するのか………知ってるか?ハルトマン」

エーリカ「…ちょっとだけだけど…知ってる…///」

俺「なんで恥ずかしがってんだよ?」

エーリカ「だってさ…///」

俺「?? ただ、男と女が交わればいいだけだろ?」

エーリカ「……よく、恥ずかしげも無く言えるね…/////」

俺「…別に恥ずかしくねぇだろ」

エーリカ「………///」

ハルトマンは急に顔を赤らめて、モジモジし始めている

俺「?? 変なヤツだな…… じゃぁ、いくぞ」

エーリカ「う、うん…//」





俺「それでだな、性交の際には感染症…つまり性病が心配される」


エーリカ「そ、それで…?///」


俺「どちらかが性病を患っていると、相手に病気が移る。病気は治りやすいんだが、患者は年々増えていく」

 「なぜだか分かるか?」


エーリカ「えぇーっと……みんな恥ずかしがって病院に行かないから?…///」


俺「半分正解だ。もちろん病気って分かっていても、恥ずかしさから病院に行かないって場合も多い」

 「しかし、ほとんどの性病はかかっても体に出る症状が少ないのが多く、気づかずに性交をしてしまうというケースが多い」


エーリカ「でも……避妊具とかで…かかるリスクは抑えられるでしょ?…///」


俺「防げる確率は高いが、100%ではない」

 「だから、必要外の性交は控えろってことだ。ハルトマンも気をつけろよ、そのうちボーイフレンドとかできるんだろうし」


エーリカ「…ボーイフレンドとか…つくるつもりないよ……」

俺「そう言ってるやつにかぎって、何年か経ったらできてるもんだよ」

エーリカ「そんなもんかなぁ………」

俺「まぁ、ハルトマンのボーイフレンドになるヤツは幸せだろうよ。こんな美人と付き合えるんだからな」


ハルトマンは美人だと個人的に思う

というか、ウィッチ全員が美人だと思う

ハルトマンの最初の印象はお気楽で何も考えていないように思えたが、実際接してみると違った

意外と真面目で将来の事をしっかり考えている。ハルトマンのこういうところは好きだな


エーリカ「……ありがと…///」

俺「…ふっ……なに恥ずかしがってんだよ、このっ!」

俺は恥ずかしがってモジモジしているハルトマンの小さなおでこにデコピンをしてやった

エーリカ「痛っ!!何するのさ!?」

俺「デコピンだけど、なにか?」

エーリカ「むぅ~ 私だって…えいっ!!」

俺「痛ぇ!?何すんだよ!?」

エーリカ「デコピンですけど、なにか~?」ニヤニヤ

俺「……ハルトマン…男をからかうと…こうなるんだぞっ!!」

俺はハルトマンの脇腹をくすぐり始めた

エーリカ「わっ!? や、やめてよ俺! くすぐった…にゃはははは!」

俺「どうだ、どうだ!くすぐったいだろ?」

エーリカ「く、くすぐったいから…にゃははっ!…もう…やめてよっ!…にゃははっ!」          」

俺「ふっ……まぁ、これぐらいにしといてやるよ」

エーリカ「うぅ~ 私くすぐり弱いんだから……」

俺「そうなの?なら…もう一回…そりゃっ!!」

エーリカ「もう同じ手は通用しないよ~っと」

俺「なにぃ!?」

俺は再びくすぐろうとしたが、ひらりとハルトマンに避けられてしまった

そして、俺はハルトマンに押し倒された

俺「……なにすんだよ……」

エーリカ「俺もくすぐり弱いかな~っと思って…それっ!!」

ハルトマンは俺の脇腹を小さい手でくすぐり始めた

しかし、全然くすぐったくないんだが……」

俺「…あの…何も感じないんですけど……」

エーリカ「そうなの? じゃ、これは?」

するとハルトマンは俺の耳に柔らかく息を吹きかけた

ふぅ~っと…

俺「!?!? や、やめ…ろ……うっ!」

エーリカ「あれあれ~ なんか顔が真っ赤になってきてるよ~?」ニヤニヤ

俺「み、耳だけは……あふっ!…」

エーリカ「それそれ~」

俺「や…やめろ……やめろって!!」

エーリカ「あ、暴れないでよ~!」

仰向けになっている俺の上に乗っかっているハルトマンを無理やり退けようとして、俺は暴れた

俺「あ゛あ゛ー 耳がぁぁっ!!」

エーリカ「そ、そんなに暴れたら…わっ!!」


チュッ


俺「う………///」

エーリカ「え………///」


やばい…

暴れた拍子に…ハルトマンに……ハルトマンの頬に……

キス…しちゃったよ……


エーリカ「ね、ねぇ…今…私に……」

俺「……ご、ごめん……」

エーリカ「わざと…じゃないんだよね?…」

俺「…わざとじゃない…」

エーリカ「…………///」

俺「………///」


気まずい…

こんなに恥ずかしい気持ちになったのは、生まれて初めてだ……

どうすれば……


そんな気まずい時に、ドアがノックされた

宮藤《俺さーん、そろそろ晩御飯ですよー》

俺「わ、わかった! 今すぐ行く…」

宮藤《ご飯冷めちゃいますから、早く来てくださいねー》

宮藤軍曹は言い終えると、とととと、と去っていった

俺「……食べに行こうか…」

俺はハルトマンの方をチラリと見て言う

エーリカ「…そうだね」

続く

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年04月04日 17:42
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。