Love
45 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:02:21.33 ID:Ti7NCVUV0
Love
あの時の俺は自暴自棄になっていたんだ。
俺は、ストライカーユニットの整備士に成り立てで、まだ社会っていうものが分かっていなかった。
発端はストライカーのエンジンの調節法について、整備班長に意見したことだった。
その時気付くべきだったんだよ。
何故整備班長があんなに俺を睨みつけていたのかを。
その翌日、俺の整備する担当だったストライカーが動作不良を起こした。
原因は、エンジンのネジを一つ締め忘れていたことだった。
当然、責任は俺に降りかかってくる。整備班長は俺を強く責め立てた。
でも、俺は声を大にして訴えたんだ。
あのストライカーを整備したのは、整備班長だ、と。
動作不良を起こす前に、整備班長が新人は信用ならないと言って、無理矢理仕事を奪ったのだ。
新人のくせに余計な口出しをしてくる俺に対する嫌がらせだったんだろうな。
46 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:05:59.86 ID:Ti7NCVUV0
だが、俺の訴えは無視された。
今思えば当然だよな。新人の整備士とベテランの整備班長の言うことだったら、整備班長の言うことを信じる。俺でもきっとそうするだろう。
悔しかった。
ざまを見ろと言わんばかりの下卑た笑いを俺に向ける整備班長にはらわたが煮えくりかえった。
俺は散々罵詈雑言を口走った後、ハンガーから逃げ出して町へ出た。
何もかもが嫌になったよ。
徹夜で作業して、朝になって起きてきた整備班長に無理矢理場所を取られ、そして不祥事が起こり、責任を取らされた。
確かに確認したんだ。整備不良が無いかを。
経験の浅い自分だから、睡眠時間を削ってまで点検したんだ。
なのに、動作不良が起きてしまった。
俺が今までしてきたことは無駄だったのか?
狂ったように勉強してきた時間は無駄だったのか?
俺の努力は、アンジーの力になりたいという夢は、あんな奴に阻まれるほど、ちっぽけなものだったのか?
そう思った。
いっそ、諦めてしまおうとさえ思ったよ。
49 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:09:26.14 ID:Ti7NCVUV0
その時ふと、本屋の店先にあった新聞の、とある記事が目に入ったんだ。
記事の見出しは、『ヒスパニア精鋭、青中隊大活躍!』というものだった。
そこにデカデカと載っていた写真の真ん中にいたのがアンジー、お前だよ。
そうそう、この写真この写真。
中隊の他の隊員達は、軍服とはいえ、年相応にほどほどに着崩しているというのに、お前ときたら……
ピッシリと軍服を着て、ムスッとした表情でカメラを見てる。
ほら、他の子見てみ。
みんな可愛い表情しているじゃねぇか。
え? そんなに違わない? まあ、この中で一番かわいいのは断然お前だしな。
って痛い痛い! 照れるなって!
この写真のお前が妙におかしくってな、とたんにお前に会いたくなったんだ。
何故って…俺にもよく分かんねぇよ。
50 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:12:41.74 ID:Ti7NCVUV0
とにかく俺は、すぐにハンガーに戻って班長に謝った。
地面に頭が付きそうなくらい頭を下げた。
他のみんなが見ている前で、口汚く叱責された。
殴られもした。
でも、お前に会いたいという気持ちがあったから、我慢することが出来た。
頭に血が上って熱くならないようにすることが出来た。
この時だよ。俺が世渡りの仕方を学んだのは。
物事を客観的に見ること。それが大事なんだよな。
今でも、それが上手く出来なくて、悩んだりヤケになったりするけどな。
まったく、生きて行くっていうのは大変だ。
俺「でもまぁ、結局何が言いたいのかというと、アンジーが俺に世渡りの術を教えてくれたっていうことだな。」
ララサーバル「そう……なる…のか…? そう言われてもあんまりうれしくないのだが…。」
俺「そうか? 傑作じゃないか、この写真。」
ララサーバル「うう……恥ずかしいからやめてくれ…。」
う~ん…かわいくていい写真だと思うのにな…。
51 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:16:25.29 ID:Ti7NCVUV0
それにしても、昔を思い返してみると、我ながら俗物だなぁ…。
口では、アンジーのため、アンジーの力になるという夢のために頑張っていると言っていいたが、本当のところ、ただ俺がアンジーに会いたかっただけなんだよな。
結局は自分のため。
あの時、思い悩んだのも自分がアンジーの近くにいられなくなるのが怖かったからだ。かっこわりぃな…。
ちくしょう…イヤなことに気付いちまった。
しかし、そんな風に考えていた方が、世の中で上手くやっていけるんだよな…。
さっきの話がいい例だ。余計な力が入らなくなる。
皮肉なもんだよな。
ここで、それでもアンジーを愛していることに変わりは無い、と強く言えたらいいんだが…
それだけの気概があったら、俺とアンジーの中はもっと進展しているはずだよなぁ…。
ああまずいぞ…。あまりにもヘタレすぎる…。
このままだと、アンジーに見捨てられちまうかも…
52 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:20:20.23 ID:Ti7NCVUV0
ララサーバル「それにしても、お前は私の記事をこうしてアルバムにまとめていてくれていたのだな。」
俺「うん、そうだよ。ほら、赤ズボン隊の加入式の記事もある。あらあら…泣くほどうれしかったんだな。」
ララサーバル「ななななななな何を言ってるんだ、俺!? 私は断じて泣いてなどいない!!///」
分かった! 分かったから! そんなに肩を揺さぶるな!
そんなに恥ずかしがることないのに。というか、いいかげん認めろ。
ララサーバル「……バカ…。///」プイッ
あらら……拗ねちまった…。
しょうがない…こういう時こそ男を見せないとな。
この前は俺しかいないと言ってくれたが、これじゃあ俺の気が済まねぇ。
いつか、アンジーが自慢できるような男になろう。
俺「アンジー、ゴメン…これで許してくれ。」
ララサーバル「!?」
チュッ
53 :俺とララサーバル:2011/05/04(水) 05:23:08.34 ID:Ti7NCVUV0
自分でなく、相手のために生きられる男になろう。
相手のことを真に思えるようになろう。
俺「アンジー……やっぱりイヤだったか…?」
ララサーバル「……………………………。
イヤ…うれしいよ、俺。///」
そう言ってアンジーははにかんだ。
この笑顔を見て、さっきの決心が一瞬にして吹き飛んだ。
なんだよ、俺はもうなっているじゃないか。
今、この子のためだったら何でも出来るって思っているじゃないか。
思い出した。俺は俺の目指す自分になっていたんだ。
アンジーを好きになった時点で。
おわり
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/04(水) 05:24:44.98 ID:1+90KYPi0
代行どこだァァァ!!!お伝え
最終更新:2011年05月04日 05:52