アットウィキロゴ

第1話 「受けきれるか?この一撃が!」

  • 1944年 冬 オラーシャ帝國 荒野-
ネウロイの群れの中に4人のウィッチが取り残されていた。
既に多くのネウロイを倒したのか、あたりは雪と見違えるほど、ネウロイの破片で白く染まっていた。
それでも、まだ50は超えるネウロイが、彼女達の周りを飛び回っていた。

菅野「くそっ!コイツら、キリがない…!」

ジョゼ「頑張りましょう!もう少しすれば、救援がくるはずです!」

伯爵「そうだよ、さっきからジョゼちゃんが呼びかけてるんだ、きっと来てくれるさ!」

ニパ「そうだね、でも、ストライカーが…」

ジョゼ「皆さん、もう少しだけ頑張りましょうっ!こちら502JFW!こちら502JFW!至急応援をお願いします!」

粘り強く彼女達は弾を撃ち、シールドを貼り粘っている。
しかし魔女とはいえ人間、精神的にも肉体的にも、限界はとうに過ぎていた。
破綻は、突然に訪れた。

ニパ「ゴメン…私はもうダメかも…」

菅野「クソッ!おい、もう少し頑張ってくれよ!?」

伯爵「ニパくん!?ナオちゃん!?くっ…こういう空気、嫌いなんだけどな!」

二人のストライカーから煙が上がり、出力が目に見えて落ち始めた、高度を維持するのも難しいのか、徐々に下がり始めている。

伯爵「ジョゼちゃん!二人を孤立させたらダメだ、私達も高度を下げよう!」

ジョゼ「でも、そしたら包囲されて、4人とも狙い打ちです!」

伯爵「少しくらいならシールドで粘れる!それがダメなら…覚悟を決めるしかないかもね…」

ジョゼ「そんな…こちら502JFW!誰か、助けてくださいっ!」

  • 同刻 オラーシャ帝国 戦場付近-
戦場にほど近い、しかし雲よりはるか上空、輸送機はとある男を移送中だった。

俺「な?カールスラント軍人全員がそう固いヤツじゃないって言っただろ~?」

輸送機パイロット「本当です、中尉みたいな人は初めて…《ザッ…チラ…W!》ん?」

不意に混ざった雑音に、輸送機のパイロットは不意に押し黙った。

俺「なんだ?どうした?」

背の高い、カールスラント陸軍の軍服を着た青年が、いぶかしげに聞く。

輸送機パイロット「いえ、無線で何か聞こえまして…」

《…コ…02JF……エン…コちら502JFW!誰か、助けてくださいっ!》

俺「馬鹿!救難信号じゃないか!高度、下げれるか!?」

ようやくきちんと聞こえた無線に、<俺>は慌てて行動をしはじめた。
素早く貨物室に潜り込み、ヘルメットを被る。

輸送機パイロット「中尉!?何するんです!?」

俺「決まってる!助けに行くんだ!」

輸送機パイロット「無茶です!降下用の装備なんかこの機にはないですよ!?」

俺「パラシュートがある!」

そう言って<俺>が見せたのは、緊急時に脱出するための、簡易型のパラシュートだった。
無論、強度などは推して知るべしである。

輸送機パイロット「そんな無茶な…えぇい!可能なまで高度を下げます!後は勝手にやってください!」

俺「オーケー、ありがとな、俺が降りたら、すぐに離脱しな?」

そういいながら、手早く装備を整える。
既に、飛び出す気マンマンらしい。

輸送機パイロット「当たり前です!ハチの巣にはなりたくないですからね!」

そういいながらも後部ハッチは開いていき、<俺>の眼下には広大なオラーシャの大地と、その片隅で奮戦するウィッチ達が見えた。
無線機のスイッチを入れると、<俺>は勢いよく、空へ飛び出した。

  • 同刻 戦場-
ジョゼ「そんな…地上にも敵がいるなんて…」

菅野「このっ!上がれよ!上がってくれよ!」

伯爵「こうなったら、私が盾になって…」

そんな中、ジョゼの通信機に待望の返答が帰ってきた。

俺《あー、こちらカールスラントの<俺>中尉だ、今から支援を開始する》

伯爵「…<俺>だって?」

ジョゼ「ありがとうございます!貴方は今何処に?」

俺《今、そっちに降りてきてる、掃除は任せて2人を安全な場所に下ろすんだ》

ニパ「安全って…地上には陸戦型が!」

そう、地上には陸戦型が大量におり、着陸はおろか高度を下げるのも危険なのだ。
事実、彼女らは先ほどから、地上からのビームにさらされていた。

俺《言ったろ?掃除は任せろってな》

その言葉の意味を理解する間もなく、轟音が轟いた。

菅野「なんだ!?」

ニパ「うわ…凄い…」

彼女たちの目の前で、暴力的なまでの量の火線が一気にネウロイを噛み砕いていた。
慌てて高度を上げようする固体がいても、火線を集中されそれすら叶わず、数秒で無残な残骸に成り果てていた。
地上はさらに悲惨だった。
空中のネウロイたちを貫通した弾丸に加え、当たらなかった流れ弾、さらには砕け散ったネウロイの破片すら降り注ぎ、押しつぶされていった。

ジョゼ「凄い…でも、どうやってこんな火力を…?」

俺「種明かしは後だ、まずは、コイツらを殲滅するぞ?」

全員の視線が声の方に向く。
彼女らの視線の先に現れたのは、見たことの無い、大きめな陸戦ストライカーを履き、パラシュートで降下してきている<俺>の姿だった。

ニパ「おっ、おっ…男のウィッチ!?」

菅野「いや、その前に何で陸戦ストライカーで空飛んでるんだよ!?」

俺「あーはいはい、その辺の質問責めも後にしてくれ、正直話すほど時間がな…危ねっ!?」

当たり前だが、<俺>はパラシュートでヨタヨタ降下しているのである。
無論、パラシュートにも陸戦ストライカーにも、降下をコントロールするような機能は全く無い。
航空ストライカーを履いた彼女らより、狙われるのは、当然のことである。

俺「ったく…危ねぇぞ!」
.
ビームが飛んできた方へ、大雑把に狙いをつけながら<俺>がトリガーを引く。
両手に持った2丁のMG131から吐き出された弾丸は、通常のそれよりも大きな火を噴きながら攻撃を仕掛けたネウロイを砕いた。

ジョゼ「凄い!ネウロイがあっという間に!」

菅野「ひょっとして、固有魔法か?」

驚く面々の顔に、<俺>も得意げに笑う。

俺「ご名答~、ま、銃の威力が上がるのが、俺の固有魔法さ」

伯爵「…相変わらずだね、とりあえず今は、ナオちゃんとニパくんを援護してくれないかな?<俺>」

俺「あぁ、任せな、ヴァルトルート…とりあえず、そこの二人は俺に続いて降下してくれ、後は上空へ火力支援だ」

ニパ「わかった!」

菅野「…わかったよ」

二人も状況が状況なのか素直に従い、<俺>とともに地上へと降りていく。

ジョゼ「3時方向から、中型3!こっちに来ます!」

俺「派手に暴れたからな、ネウロイ共にも、危険って事くらいはわかったようだな」

ニパ「どうするんだよ!?」

俺「もちろん迎撃するに決まってるだろ?…よし、降下完了、火力支援に入る!」

パラシュートを捨て<俺>が迎撃に移る、地上からの火砲はネウロイにも厄介なのか、集中砲火が<俺>達に襲い掛かる。
しかしそれは、上空を完全に無視する行為だった。

伯爵「私達を…」

ジョゼ「忘れてもらっては困ります!」

二人の一斉射撃により小型のネウロイは見る見る数を減らし、地上に有効な攻撃など出来なくなっていた。
薄くなった弾幕を、悠然とシールドで受けた<俺>はMG131を降ろすと、背中に装備されている大砲を構えた。

俺「さーて、受けきれるか?この一撃が!」

7.5cm戦車砲に魔導徹甲弾が装填され、照準がネウロイに向けられた。
青く砲口が輝いたかと思うと、轟音とともに魔導徹甲弾が撃たれ、空中の中型ネウロイに着弾した。
通常より貫通力の高まったそれに耐える術などネウロイには存在せず、容赦なく引き裂かれ、砕けちった。
続いて轟音が二つ、それだけで、戦いの勝敗は決まった。

ニパ「凄い…中型を一撃で…」

菅野「すげぇ…これが陸戦ユニットの主砲…」

俺「まあな、こればっかりは、並みの航空ウィッチじゃ真似できんさ」

得意げに<俺>が笑う、そんな彼のすぐ近くに、上空にいた二人も降りてきた。

ジョゼ「支援、本当にありがとうございます!おかげで助かりましたっ!」

伯爵「やっぱり…相変わらずだね、<俺>」

俺「久しぶりだなヴァルトルート、生きていて何より、だ」

親しそうな二人に、残りの三人が不思議そうな顔をする。

ニパ「えーと、二人は、どういう関係で…?」

俺「何、俺もカールスラントの出身でね、今日から世話になるカールスラント陸軍中尉の<俺>だ、よろしく頼む」

そう言って<俺>は、笑いながら手を差し出した。

TOP

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年05月16日 00:46
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。