“「だからお前は出来損ないなんだ!」”
“「お前の兄は戦地で功績を残しているのにお前はなんだ!」”
“「お前が功績を挙げられないのはお前だけの恥じゃないんだぞ!」”
“「――や、――の恥でもあるんだぞ!わかっているのか!!」”
僕はひたすら謝ることしかできなくて。
頑張っても頑張っても報われなくて。
頑張れば頑張るほど評価は下がって。
いじめられて。
辛くて。
泣きたくて。
泣けなくて。
死にたくて。
死ねなくて。
でも、あの二人はどんなときでも優しくて。
味方で。
家族だった。
私「はぁ……はぁ……」
私「またあの夢か……」
-------------------早朝・海岸----------------------
坂本「はっ」ブン
坂本「はっ」ブン
私「おはようございます、坂本少佐」
坂本「おはよう。早いじゃないか」
私「二時間ほど前から基地の周りを走っていました」
坂本「何?夜明け前からだと」
私「はい」
坂本「前の基地でもそうだったのか?」
私「はい。義務でしたので」
坂本「そうか」
私「坂本少佐も鍛錬ですか?」
坂本「あぁそうだ。それと前から言おうとしたんだが」
私「なんでしょうか」
坂本「国は違えど私たちは同胞だ。私のことは階級無しで構わない」
私「」
坂本「どうかしたか?」
私「いや、なんでもありません。上官に対してそのようなことはできません」
坂本「京花のときにそう教え込まれたのか?」
私「……」
坂本「まぁいい。ここではあまり気にしなくてもいいからな」
私「わかりました……」
坂本「ところで、なんで竹刀を4本も持っているんだ?」
私「素振りをするためです」
坂本「いやそれはわかるんだが……あぁそうか。翼手があるからか」
私「私は刀を使うときは基本二刀流なので。どっちでやっても大丈夫なように鍛錬しています」
坂本「日本刀か?」
私「はい。我が家に伝わる名刀を父より譲り受けました」
坂本「そうか。今度見せてくれないか?」
私「はい」
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私「料理、ですか?」
宮藤「はい」
私「出来なくはないですが、そこまで上手というほどでは」
リーネ「食べてみたいです」
私「う~ん……」
私「では、何か軽く作ってみましょう」
宮藤「ありがとうございます」
私「肉じゃがです」
宮藤・リーネ「いただきます!」
パクパクモグモグ
宮藤「すごく美味しいです!」
リーネ「どなたから習ったんですか?」
私「前の基地でずっと調理を担当していましたので、そのときに覚えました」
私「はじめは失敗の連続でした」
宮藤「私さんでも失敗することってあるんですね」
私「むしろ私は失敗しかしてませんよ」
リーネ「そうなんですか?」
私「失敗すればするほど今の自分があるんだなぁと、ときどき思うことがあります」
宮藤「なるほど」パクパク
リーネ「勉強になります」モグモグ
-------------------------所変わって--------------------------
私「ここのピアノは使ってもいいものでしょうか?」
宮藤「はい大丈夫ですよ」
リーネ「私くん弾けるんですか?」
私「弾けますがそんなに上手ではありません」
宮藤「聴きたいです」
リーネ「私も聴きたいです」
私「じゃあ少しだけ」
<ラ・カンパネラ>
宮藤「(すごい……)」
リーネ「(すごいなぁ……)」
宮藤「すごいです!」
リーネ「上手ですね!」
私「ありがとうございます」
エイラ「ん?サーニャが弾いてたんじゃないのか?」
サーニャ「私ならここよ」
エイラ「おう!後ろに居たのかサーニャ」
サーニャ「私さんお上手ですね。音楽家を目指していたんですか?」
私「いや、軍に入る前にちょっと習ってただけです」
エイラ「せっかくだから他にも聴かせてくれよ」
エーリカ「私も聴きたい!」
エイラ「わぁ!中尉いつから居たンダ?」
エーリカ「最初から居たよ。いやぁ素晴らしい演奏だね」
エイラ「まぁサーニャには劣るけどな」
サーニャ「なんでエイラが威張るの」
エーリカ「早く弾いて!」
私「それじゃあ私の一番好きな曲を弾きましょう」
♪♪♪♪♪♪♪♪
サーニャ「(ジムノペディ第一番)」
エイラ「(いやでもかなり上手いナ。サーニャには劣るケド)」
エーリカ「(……)」
宮藤「(綺麗な曲だなぁ……)」
リーネ「(でもどこか悲しげな感じがする)」
サーニャ「お上手ですね」
私「」
リーネ「どうかしましたか?」
私「ちょっと昔を思い出していました」
宮藤「昔ですか?」
私「はい」
エイラ「ここに来る前は何してたンダ?」
私「ここに来る前は京花の陸軍にいました」
宮藤「戦歴はないんですよね?」
私「はい。なので3年間軍でずっと訓練していました」
リーネ「訓練であんなに強くなるなんてすごいです」
エーリカ「……」
サーニャ「軍に入る前は何をしていたんですか?」
私「ずっと家の中にいました――」
私「私は今でこそ外を走り回るほど元気ですが12歳までは大変病弱で、一時は命を落としかねない状態にまでなりました」
私「そんな虚弱な身体もある日を境に大幅に改善されました」
私「その日の私は非常に衰弱していて、所謂峠を越えられるかという状態でした」
私「夜、私は夢を見ました」
“「役目を果たすその日まで、私はご主人様の使い魔として、常にお供にいます」”
私「目が覚めると元気になっていて、同時にウィッチになっていました」
私「そのとき契約したのが、飼い犬のコーギー――名前は特にありません――でした」
エイラ「元々2体使役してたわけじゃないんダナ」
私「はい」
私「ウィッチになってからはいろいろ身体を調べられました。どうやら私には普通のウィッチの比じゃないほどの魔法力があるらしく、それを身体で溜め込んでいたのが虚弱体質の原因だったようです」
私「契約した日から一ヵ月後のある夜、兄と一緒に家近くの洞穴へ探検に行きました」
リーネ「お兄さんがいるんですか?」
私「5つ上の兄と、3つ上の姉と、同い年の兄がいます。一緒に探検しに行ったのは同い年の兄です」
宮藤「同い年?」
エイラ「双子ってことダロ」
エーリカ「私と一緒だね」
私「その双子の兄もウィッチで、今はどこかでネウロイと戦っているでしょう」
私「その兄と探検しに行ったときにコウモリと契約しました」
“「私はお前の“魔導力”をもらう。変わりに私はお前を守ろう」”
私「コウモリと契約してからは魔法力も安定して今の私に至ります」
サーニャ「そのときはもうお兄さんはウィッチだったんですか?」
私「いや違います。コウモリと契約してからは毎日駄々をこねられました。「自分ばっかりずるいぞ」というような感じに」
私「なのである日の深夜に兄と一緒に動物園に忍び込みました。兄を抱えて飛行するのは大変でした」
“「お前がウィッチになれるんだったら、双子の俺もウィッチになれるはずだよな!」”
私「私のがウィッチになったのは早かったのですが、今では兄のほうが上の階級です」
私「“楽花(らっか)”。兄のそばにいると楽しくなることからついた通称です」
坂本「私宛に電報?」
ミーナ「えぇそうよ」スッ
坂本「誰からだ?」ペラッ
坂本「醇子だ!」
“第504統合戦闘航空団マデ連絡ヲクレタシ”
ミーナ「やっと行方がわかったわね」
坂本「ちょっと電話をしてくる!」
坂本『どこを探してもいないから心配したぞ』
竹井『ごめんなさい。実は数日前にここへ来たのよ』
坂本『今までどこにいたんだ?』
竹井『京花よ』
坂本『京花だと?』
竹井『あなたから電話が来たのは知っていたわ』
坂本『ならなぜ――』
竹井『京花の陸軍の圧力よ』
坂本『圧力?』
竹井『話せば長くなるわ。それよりも聞きたいことがあるんでしょ?』
坂本『あぁ。私兵長について詳しく聞きたい』
竹井『でもその前に約束して欲しいことがあるわ』
坂本『なんだ?』
竹井『今から話すことを聞いても、何かを起こそうなんて思わないでね』
坂本『わかった』
最終更新:2012年02月17日 00:03