俺は昨日の夜、エーリカと結婚することを約束した
エーリカ「ねぇ、俺」
俺の思考を遮るかのようにエーリカが話しかけてきた
俺「ん?」
エーリカ「明日、一緒に街へ行かない?」
俺「街? 別に良いけど……」
俺はエーリカに、2人一緒でヴィルケ中佐に休暇を申請したら、関係がバレるのではと話した
エーリカ「バレても大丈夫なんじゃないの?」
俺「いやいやいや……規則違反はマズいだろ…」
エーリカ「私が大丈夫と言ったら、大丈夫!!」
エーリカは俺に親指を立ててグッドサインを示し、にししと笑った
俺「…ったく…その自信はどこから湧いてくるんだか……」
エーリカ「街に行くと決まったし、さっそく申請しに行こう~!」
俺「ちょっ!? ま、待てっ!?」
エーリカは俺の手を取って、ヴィルケ中佐の執務室へと向かった
- ミーナの執務室 -
ミーナ「…二人は明日、休暇を貰いたいと…」
俺「はい」
ミーナ「でも、なぜ二人一緒の申請なのかしら? 食料調達なら2日前に済んでいるはずよ」
この時のヴィルケ中佐は、いつものような優しそうな口調では無かった
エーリカ「ミーナ、話があるんだけど…」
ミーナ「何かしら?」
エーリカ「私たちは…」
俺「待て、エーリカ。 ここからは俺が言う」
俺は、エーリカと仲間以上の関係になっていること、そして結婚の約束を交わしたことをヴィルケ中佐に伝えた
中佐は握っていた万年筆をゆっくりと机に置いて、俺達に話し始めた
ミーナ「……あなた達は…何をしたか分かっているの…?…」
俺「………」
エーリカ「………」
ヴィルケ中佐の放つ威圧感で、俺たちは口を開くことが出来なかった
ミーナ「そう…分からないのね……」
「俺医師、あなたはハルトマン中尉に恋愛感情を抱いた……間違いありませんね?」
俺「はい…」
ミーナ「ハルトマン中尉、あなたも俺医師に対して恋愛感情を抱いた…そうですね?」
エーリカ「はい…」
ミーナ「そして、俺医師は"ウィッチとの必要以上の接触・交流は禁止"という規則を破った…そうですね?」
俺「はい、間違いありません…」
ヴィルケ中佐は、俺とエーリカの顔をじっと見つめ、間を置いて再び喋り始めた
ミーナ「……俺医師およびエーリカ・ハルトマン中尉には規則に違反したため、罰則が下ります」
「あなた達が犯したことは、決して許されることではありません。よって、厳罰も覚悟してください」
俺・エーリカ「「了解…」」
ミーナ「まず、ハルトマン中尉。 貴官は、自室禁固一ヶ月」
エーリカ「……」
ミーナ「俺医師には……」
俺はごくっと生唾を呑んだ
これから下される罰則に対する不安と緊張で、体中から汗が吹き出してきた
ミーナ「俺医師には……明日、エーリカ・ハルトマン中尉を街へ連れて行くこと」
「そして、ハルトマン中尉をエスコートするという厳罰を下します」
言い終えた瞬間、ヴィルケ中佐はにこっと優しく微笑んだ
俺「………は?」
思ってもいない罰に、俺は気の抜けた返事をした
ミーナ「俺医師、この厳罰に意見はありますか?」
俺「い、いえ! なんにもないです…」
エーリカ「…ミーナ……私たちを…その…認めてくれるの?」
ミーナ「ええ、今のあなたたちに何を言っても、無駄な気がするもの」
「それに…私のように後悔…して欲しくないから…」
ヴィルケ中佐の口調は、先ほどまでの刺々しいものではなく、いつもの優しいものへと変わっていた
俺は最後に中佐の話した言葉が少し気になった
いったい何があったのだろう…
ミーナ「では、罰則の件については以上です。いいですね? 俺医師、ハルトマン中尉?」
俺・エーリカ「「了解!」」
俺とエーリカは互いに顔を見合わせて笑った
ミーナ「話は変わるけど…エーリカは俺さんが…その……3日後にはスオムスへ行ってしまうのを知っているの?」
エーリカ「うん……その事もあるから、明日街へ行こうって俺を誘ったの」
ミーナ「そう…もう知っていたのね……」
一瞬、執務室が重苦しい空気になるが、ヴィルケ中佐の"ならば、明日は思う存分楽しみなさい"との一言で
先ほどまでの雰囲気は何処かへといってしまった
俺とエーリカは敬礼をして、執務室を退出した
俺「ふぅ… どうなるかと思ったぜ…」
エーリカ「私の言った通りだったでしょ、ミーナなら認めてくれるって!」
俺「確かに、そうだな」
俺は肩の重荷が降りた気がして、精神的に楽になった
エーリカ「明日、街に行くなら、やっぱりアレが必要だよね~♪」
俺「アレって何?」
エーリカ「にしし、ナイショだよ~」
俺「…お、おい!? どこ行くんだよ…」
エーリカはさささっと、どこかへ行ってしまった
何する気だ……
続く
最終更新:2011年06月20日 20:11