エーリカ「……俺…」
俺「…エーリカ…」
俺とエーリカは再び、言葉を発することなく強く抱き合った
俺「……もう…エーリカと離れたくない…」
エーリカ「……うん、私も…俺と離れたくないよ…」
短い言葉を交わした後、軽くキスを交わした
俺「……そういえば…スオムスに来たら、コーヒー煎れてやるよって約束したよな?」
エーリカ「…確かに…そんな約束したかもね」
俺「……ここには…コーヒー豆無いしなぁ…ちょっと司令部に取りに行ってくる」
俺がエーリカを離れようとしたときに、ぎゅっと強く手を握られた
エーリカ「…もう…俺と離れ離れになりたくないよ…」
俺「……悪かった……じゃ、じゃぁ…一緒に…行こうか…?」
エーリカ「…うん!」
俺とエーリカは手を繋ぎながら、司令部へと歩いていった
俺「久しぶりだな、こうして2人きりで歩くのも」
エーリカ「そうだね~」
「……総員…戦闘配置……敵は…あの男だ… ハルトマン中尉は絶対に狙うなよ…」
新兵「了解…」
「…しゃぁぁ……あの野郎……イチャイチャしやがって……」
獣たちは皆、銃口を俺に向けている
そして、俺が動くと、銃口も追ってくる
俺を…殺すつもりだな…
俺「……………エ、エーリカ…少し歩くペースを上げるぞ…」
エーリカ「え? なんで?」
俺「……逃げるためだ…」
エーリカ「?」
「…ちっくしょー! 逃げやがった!!」
「…はぁ……正直、俺医師が羨ましい…」
「だよなー まさかハルトマン中尉となぁ…」
新兵「……まぁ…俺さん、かっこいいし……仕方が無いですよ…」
「お前…俺医師に惚れたな?」
新兵「な!ななな…んな訳あるかぁぁぁぁっ!!」
「……はぁ……本当に戦う気無くすわ………俺医師、今夜はハルトマン中尉をあんあん言わすんだろうなぁ~」
「……大丈夫だ…俺医師にそんな勇気は無い!」
「なんでそう思うんだ?」
「おれ、この前見ちゃったんだよ。 見張りしてたヤツの懐中電灯を人魂と間違えて、怯えながら逃げ回ってる俺医師を…」
「ほほう、いい話を聞いたぜ… 脅しの良いネタになりそうだな」
― 司令部 ―
俺「くしゅん!」
エーリカ「俺、風邪でも引いた?」
俺「…いや…どっかで俺の事でも噂してやがるな…」
炊事兵「俺さん、コーヒー豆はあいにく無くて……そのかわり、インスタントなら…」
俺「んー 贅沢は言ってられないしな、インスタントで構わないよ」
炊事兵「では、これをどうぞ」
俺「ありがとう」
部隊長「お~い、俺君!」
俺「な、何だ? 部隊長」
部隊長「いや、ちょっと話したい事があってね……おっと、そちらがハルトマン中尉だね?」
エーリカ「こんばんは~」
部隊長「うむ、可愛い子を捕まえたな、俺君」
グッドサインをしながら、俺の肩をポンッと叩いた部隊長
隊長のスマイル…素敵です
俺「ど、どうも…部隊長」
部隊長「いやぁ、本当に可愛い子ちゃんだな! そんなことより、話ってのは部屋の事についてなんだ」
俺「部屋?」
部隊長「ああ、俺君は前、個室を断ったよね?」
俺「ああ」
部隊長「可愛い婚約者が来たならば、個室が必要となるんじゃないか?」
俺「……それってどういう意味…?」
部隊長「……まぁ…深い意味は無いが…その…アレだよ…アレ…」
俺「…アレ…?」
部隊長「と、とにかく! 俺君は、これから個室で生活するように! これは命令だ」
俺「りょ、了解……」
― 個室 ―
俺「……いいのかなぁ…」
エーリカ「別にいいんじゃないの? トゥルーデ達も個室貰ってるんだし」
俺「いやぁ、ウィッチは特別扱いだから、個室ぐらい貰って当然だけど…」
エーリカ「俺、細かいことは気にしちゃダメだよ。 それより、早くコーヒー淹れてよ」
俺「りょ、了解…! 確か、エーリカは猫舌だったよな?」
エーリカ「うん、そうだよ」
俺「…よし、わかった。 エーリカのコーヒーは熱すぎないように……」
エーリカ「それと、お砂糖とミルクもたっぷりねー」
俺「わかったよ」
カップにコーヒーの素を入れて、お湯を注ぎこむと、すぐにコーヒーの良い香りが漂ってきた
俺「…よし! 出来たぞ」
エーリカ「ありがとね~」
俺からカップを受け取ると、エーリカはコーヒーを冷ましながら、ゆっくりと飲んでいった
俺「インスタントも美味しいけど…やっぱ豆から淹れるコーヒーの方が美味しいな」
エーリカ「そうだね~」
コーヒーを飲みながら、ゆっくりしていると、時刻は既に夜中の12時を回っていた
俺「おっ、もうこんな時間か」
エーリカ「あっ、本当だ~ そろそろ寝なきゃ」
俺「そうだな、明日も早いし」
エーリカ「トゥルーデにおやすみって言ってくるから、ちょっと待っててね」
俺に一言掛け終えると、エーリカは部屋を出て行った
しばらくすると、エーリカが不思議そうな顔をして戻ってきた
そしてエーリカの手には、手の平サイズの個包装された物が握られていた
俺「ん? それなんだ?」
エーリカ「トゥルーデが俺に渡し物だって」
俺は、ひょいとエーリカから物を受け取った
俺「えっと……こ、これって…!!」
俺は受け取った物に書かれている文字を見て、驚いた
『Verteidigung! 男のたしなみ、コンドー●!!」
俺「ぶっ!? な、な…何考えてんだよ!バルクホルン大尉は!!」
エーリカ「にしし♪ おもしろい事が起きそう!」
俺はすぐさま部屋を飛び出し、バルクホルン大尉の居る部屋へと向かった
そして、エーリカは俺を追うようにしてついて来た
バァン!
俺「バルクホルン大尉ぃぃぃぃっ!!」
バルクホルン「わっ!? び、ビックリさせるな!俺医師!!」
俺「そんな事はどうでもいい! それより……これはどういう事なんだよ!!?」
俺は荒々しく、個包装された"モノ"をバルクホルン大尉に見せ付けた
バルクホルン「ああ、それか。 それはここの部隊長から渡されたものでな、後で俺医師に渡してくれと頼まれたんだ」
「ちょうどいい所にフラウが来たから、ついでに渡してもらうことにしたんだ」
俺「……そ、そういう…ことか…」
あの部隊長め…… 一見、誠実そうで頼りになる男かと思ったら…
ムッツリーニだったとは…
エーリカ「ねぇねぇ、トゥルーデ! コレの意味、知ってるの?」ニヤニヤ
バルクホルン「これの意味か?」
大尉は俺が渡したブツを、きょとんとした表情で受け取った
エーリカ「まぁそこの文字、読んでみなよ」ニヤニヤ
バルクホルン「なになに…フェアタイディグング 男のたしなみ、こんどー………な!!? なななな……!!//////」
エーリカ「分かった?」ニヤニヤ
バルクホルン「な、なな…//// ど、どどういうことだっ!!俺医師!」
俺「お、俺ぇ!!?」
バルクホルン「そうだ! 貴様は何故、こんな物を持っているんだ!? ここは戦場だぞ!!///」
俺「お、俺は関係ないって!! 悪いのは、あの部隊長だろ!?」
バルクホルン「いいや、違う!!貴様の怠慢な心が原因で、こんな事が起きたんだ!!///」
俺「だーかーら!! 俺は関係な……え、え!? なぜ魔法を発動して……お、おい!待て!待て!!」
バルクホルン「貴様のようなヤツは…」
俺「ちょっ!? やめやめ!!」
エーリカ「にしし♪ おもしろくなってきましたね」
俺「エーリカも見てないで、バルクホルンをなんとかしてくれ!!」
エーリカ「ふっふー がんばってね、俺!」
俺「死ぬ!死ぬって!!」
バルクホルン「覚悟!! ずおりゃぁぁぁぁっ!!」
俺「いやぁぁぁぁっ!」
絶体絶命。
このピンチをどのようにして避けるか考えたが、万事休す
もう、殴られる以外の道はない
そう諦めたとき、一人の女神が俺を救ってくれた
坂本「お前たち! うるさいぞ!!」
少佐が怒りの声をあげながら、ドアを開けて入ってきた
バルクホルン「しょ、少佐…」
エーリカ「私、しーらないっと」
坂本「待て、ハルトマン。 逃げるな」
エーリカ「あちゃー 捕まっちゃったか…」
俺「しょ……しょ…少佐ぁぁぁぁっ!!」
坂本「わわっ!? どうした俺医師!?」
俺は床を這い蹲りながら、坂本少佐の足へしがみ付いた
俺「……来てくれて……本当に…ありがとう!!」
坂本「?? い、一体なにが……」
バルクホルン「少佐、そいつは戦時中にも関わらず、こんな物を」
坂本「ん? これは?」
エーリカ「見れば分かるよ」
坂本「……近藤む……今度産むって何だ?」
エーリカ「え……もしかして…知らない…?」
坂本「? 一体これは何なんだ? なんかの菓子か?」
俺「………」
バルクホルン「…………」
エーリカ「………」
坂本「……す、すまない…何か悪いことでも…言ったのか?」
俺「……さすがだな…坂本少佐…」
エーリカ・バルクホルン「…」コクッ
坂本「?? まぁ、こんな事はどうでもいい。 お前たちは、さっさと寝ろ!!」
エーリカ「で、これどうする?」
俺「………捨てとけ」
バルクホルン「…まったく……貴様というヤツは…」
俺「……なんで俺を見る…」
バルクホルン「…ふん……何でもない…」
エーリカ「んー 持ってても、私使えないし……やっぱ、トゥルーデにあげるよ」
バルクホルン「な、何を考えてるんだ!?」
俺「はいはい、ケンカはやめとけって。 こんな物は、さっさと捨てればいいのさ」
俺はブツを取り上げ、ゴミ箱へと捨てた
俺「……さすがに、もう寝ないと、明日に支障が出るかもな…」
エーリカ「あ、もうこんな時間か~ おやすみ、トゥルーデ♪」
チュッ
バルクホルン「!!?///// な、なななんで頬にキスをした!?////」
エーリカ「ふっふー なんでもないよっと! じゃ、またね~」
俺「じゃ、また明日。 おやすみ、大尉」
バタン
バルクホルン「………いったい…何が起きたんだ……////」
俺とエーリカは、大尉の部屋で一騒動起こしたために、もうクタクタだった
本日与えられた個室のベッドに、俺とエーリカは寄り添うようにして寝ている
俺「……なんで…バルクホルン大尉の頬にキスを…?」
エーリカ「えっとねー わかんな~い」
俺「…わかんないって……」
エーリカ「俺、もしかして妬いてる?」
俺「いや、そういうわけじゃないけどさ…… エーリカと大尉は本当に仲が良いなと思って」
エーリカ「にしし、仲良しか~ そうかもね」
俺「さぁ、そろそろ寝ないと、明日に響くぞ」
エーリカ「そうだね、おやすみ~ 俺」
俺「おやすみ………って、なにしてるんだよ…」
エーリカ「ん? 俺の服を脱がしてるだけだけど?」
俺「そうじゃない……どうして、そんな事をしてるんだと聞いてるんだよ…」
エーリカ「ふっふー どうしてでしょう?」
俺「………知るか…そんなもん…」ガバッ
エーリカ「わわっ!? お、俺!?」
俺はエーリカを強く抱き寄せ、キスを交わした
俺「……また…エーリカと逢えて…本当に良かった…」
エーリカ「…私も、俺と逢えて嬉しいよ…」
そして、一年間閉ざされていた肉体の乾きを、互いを思う無限の愛情で潤した
続く
最終更新:2011年08月02日 14:23