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父と子の8話「SAMURAI」

俺「・・・・・・」

宮藤「さっきから俺さんはずーっとああやって目をつむって柄頭に手を添えて立ったままだけど何をしてるんだろう?」

リーネ「さぁ・・・。きっと変な妄想でもしてるんだよ、危ないから行こう芳佳ちゃん」

宮藤「う、うん」


俺「・・・流石友だ、強い。俺主権のイメージの中でもあの強さかよ。10勝10敗10分けか・・・」

シャーリー「おーい、俺ー。さっきからずーっとつたったままで何してたんだ?」

俺「イメージトレーニングってやつだ」

シャーリー「イメトレかー。そんなのでいいものなのか?」

俺「俺クラスになるとイメトレのほうがきつい訓練になるんだよ」

シャーリー「へーそういうものなのかー。それはそうとおれを見なかったかー?」

俺「あー・・・あいつなら多分今頃部屋に閉じこもってるんじゃないか?」

シャーリー「まだ部屋に籠ってたのか・・・あれからそろそろ1週間経つぜ?」

俺「いやー・・・少しやりすぎちゃったかなー。一応まだ俺も美緒ちゃんも生きているとはいえ形見の童子切と烈風丸、宮藤から貰ったっていう虎徹叩き斬っちまったからなー・・・」

シャーリー「あれは少しやりすぎだったんじゃないかー?」

俺「・・・やっぱりやりすぎだったかー。けどあいつは侍に刀を向けたんだ、刀の2,3本で済んだだけまだマシだと思って貰わないとな・・・」

シャーリー「おれは俺を死なせまいと挑んでいったんだからこう、ミネウチとかでばーんと気絶とかさせられなかったのか?」

俺「無理だ。仮にもあいつも向こうの時代で剣聖と呼ばれる位の実力者だ。なめプでどうにかできたら苦労しなかっただろうな」

=====
===

おれ「・・・」

坂本「おれ、いい加減機嫌を直したらどうだ?」

おれ「・・・うん」

坂本「大切な刀が使い物にならなくなってしまったのは・・・物凄く辛いだろうがいつまでも部屋に篭っているわけにもいかないだろう?」

おれ「・・・うん」

坂本「明日ロマーニャのあの店にいって私が1つ刀を買ってやる。俺にも1本買わせるからそれで良いだろう?」

おれ「・・・」

坂本「ダメなのか・・・どうしたらいいものか・・・」

おれ「・・・」

坂本「ならば、おれはどんな刀が欲しいんだ?言ってみろ」

おれ「・・・童子切と烈風丸」

坂本「・・・それは無理だろうな」

おれ「・・・ならいらない」

坂本「そうか・・・ならそうやっていつまでも引きこもっていればいい」

おれ「えっ・・・?」

坂本「お前は16年後の事故でこちら側にやってきた。本来なら保護されて不自由ない暮らしも出来る選択肢があっただろう」

おれ「・・・」

坂本「だが、我々がおれをウィッチだと知って戦力にと引き込んだ・・・」

おれ「・・・」

坂本「だから今からは戦いにも出なくていい、別に出ていけとも言わない。元の時代に戻れるまでここにもいていい」

おれ「・・・」

坂本「だが何人かはお前のことを心配していたから部屋に篭りっぱなしは辞めてもらおう」

おれ「・・・はい」

=====
===

坂本「・・・ふぅ。やはり形見を折られショックだったか・・・」

俺「美緒ちゃん、おれの様子はどうだった?」

坂本「ダメだな・・・随分と拗ねていたぞ?」

俺「あはははは・・・やっぱりやりすぎだった?」

坂本「当たり前だ!」

俺「そうか・・・ま、俺に任せておけって。ああしちまった責任は俺がちゃんと取ろう」

坂本「肉体言語で解決しようとするなよ・・・?」

俺「わかってるわかってる。俺に任せておけって」

坂本「・・・少々不安だが任せてみるか」

俺「おう、任せとけ!すぐにでも立ち直らせて見せるぜ」

=====
===

俺「おう、おれ。元気か?」

おれ「・・・うん」

俺「あー・・・元気じゃないな」

おれ「・・・別に」

俺「まー悪かったよ。うん、ちょっとやりすぎたなーって・・・」

おれ「・・・それで?」

俺「だからなんだ、元気になるものを持ってきてやったぞ?」

おれ「・・・何?」

俺「ふふふ・・・俺の秘蔵のコレクションだ。美緒ちゃん達には内緒だぞ?」

おれ「・・・何コレ?」

俺「何これって?照れるな少年。もんもんとする性欲を解消するための男のバイブルエロ本じゃないか。まだ開封すらしてない極上ものだぞ?」

おれ「・・・」

俺「何か不満でもあったか?ウィッチモノは嫌いだったか?ズボンモノのほうが良かったか?」

おれ「・・・いらないよそんなもの」

俺「えっ・・・?童貞はこう本で色々妄想して・・・」

おれ「父さんと違って別に童貞じゃないしいらない・・・」

俺「えっ・・・うそ・・・だろ・・・まだお前って15だよな・・・?」

おれ「そうだけど・・・何かおかしい?」

俺「・・・・・・」

おれ「わかったならそんな本なんていらないから帰ってよ!父さんの顔なんて見たくもないよ!」

俺「・・・そんな。息子に負け・・・た・・・」



おれ「・・・やっぱりもう未来に帰りたい。芳佳母さんや先輩に会いたい・・・」

=====
===

俺「・・・・・・」(フラフラ)

坂本「俺、どうだった?無事におれは立ち直ったか?」

俺「ダメだった・・・逆に俺が立ち直れなさそう・・・」

坂本「ん?」

俺「頼む美緒ちゃん、一発ヤらせてくれ・・・!」

坂本「俺・・・烈風丸の錆になりたいか?今の俺なら私でも余裕で斬れそうだ」

俺「違うんだ!理由がちゃんとあるんだ!畜生・・・」

坂本「どうせ下らない理由だろう・・・それとそれは没収だ」

俺「えっ・・・?」

坂本「そんな本をよくもこんな昼間から堂々と持ち歩けるな・・・」

俺「・・・」

坂本「どうせ、その本を見せて元気を出せとか言ってきたんだろう・・・まったく俺に任せるべきではなかったな」

俺「・・・ああ。まだ開封もしてないのに・・・。高かったのに・・・。一回も使ってないのに・・・」

坂本「確か午後から燃えるごみを燃やすらしいから一緒に焼却処分しておこう」

俺「・・・そんな殺生な」

坂本「自業自得だと思え」

俺「・・・そんな」

=====
===

シャーリー「おーい、おれー。いるかー?」

おれ「・・・はい」

シャーリー「心配だから来てみたんだよ。どうしちゃったんだよー。もうあれから1週間は経つぜ?」

おれ「・・・」

シャーリー「また、坂本少佐や俺には言わないからあたしに言ってみなよ」

おれ「・・・シャーリーさん、未来に帰りたい」

シャーリー「未来にか?でもまたどうして」

おれ「芳佳母さんや先輩達に会いたい・・・」

シャーリー「なるほどなー。形見を斬られたショックだけじゃなくってホームシックにもかかってたみたいだな」

おれ「・・・」

シャーリー「未来が恋しかったなら早く言ってくれればよかったのにさー」

おれ「言ったからってどうこうできるわけじゃないし・・・」

シャーリー「ほら、でもこうしてやれるだろ?」(ギュッ)

おれ「・・・」

シャーリー「あたしっておれの言う先輩に似てるんだろ?」

おれ「・・・はい」

シャーリー「もっと早く言ってくれればこの位ならいつでもしてあげれたのにな」

おれ「・・・」

シャーリー「確かに辛いだろうけど、いつまでもこうしてても何も解決にならないだろー?あたしだって早くおれに刀の扱い方を教えてもらいたいんだけどなー」

おれ「・・・」

シャーリー「ずっと部屋に篭ってたら体だって動かなくなっちゃうよ。今から外に行こう。刀の使い方を今すぐ教えてくれよ」

おれ「・・・」

シャーリー「ほら、立った立った。行くぞおれ!」

おれ「・・・ひっぱらないでシャーリーさん」

=====
===


おれ「いきなり真剣だと危ないからまずは木刀からやります」

シャーリー「よろしくなー」

おれ「左手で柄頭のほうを握って、右手で少し上のほうを・・・」

シャーリー「柄頭・・・?」

おれ「ええと、左手でここを握って、右手はこのあたりです」

シャーリー「へー。こう持つものなのかー」

おれ「で、こうやって・・・」

俺「ん?二人で何してるんだ?」

シャーリー「俺かー。今おれに刀の使い方を教えて貰ってるんだよ」

俺「刀の使い方ねえ・・・」

おれ「初歩の初歩からです。父さんは変なことを吹き込まないでください」

俺「はいはい」

おれ「はい、こうやって・・・足は右足を前にして・・・」

俺「おれー、地上での使い方なんて教えても意味なくないか?」

シャーリー「地上での使い方でいいよ?ちょっとした運動にいいかなーって思ってるんだ」

俺「なるほど。素振りダイエットか」

シャーリー「そんなところになるのかなー」

おれ「・・・」

俺「なあ、おれ。お前も一人の時はまだあんな風に訓練してるのか?」

おれ「・・・そうだけど?」

俺「なるほど。それじゃダメなわけだ。そんなスポーツ剣術じゃ俺になすすべもなくボコボコにされるわけだ」

おれ「・・・」

俺「今のお前にゃスポーツ程度がお似合いだけどな」

おれ「・・・」

シャーリー「おれ、気にすることないよ。俺の安い挑発に違いないからな」

おれ「・・・はい。わかってます」

俺「挑発とわかってて乗ってこないなんてな・・・俺の息子とは思えない女々しさだ」

おれ「・・・別に女々しい訳じゃないし。冷静なだけだし」

俺「今日はそういうことにしておいてやるよ。じゃーな」

おれ「・・・」

シャーリー「あんな言葉気にするなよ。それよりもおれもあたしと一緒に練習しよう。気分転換になるかもしれないよ」

おれ「・・・はい」

=====
===

俺「あれでもダメか・・・。闘争心に火がつけばいいんだけどなー」

坂本「今度は真面目にやっているようだな・・・おれはやっぱり落ち込んだままか?」

俺「ああ。全然ダメ。本当にどうすっか・・・マジで童子切をあいつにあげちまうか・・・」

坂本「しかし、俺にとってもそれは大切なものなのだろう?」

俺「そうだけどさ・・・これでもちょっぴり罪悪感を感じてるんだぜ?」

坂本「そうは見えないがな・・・」

俺「こう見えても結構細かいところに気が付くし、根は真面目なんだぜ?」

坂本「・・・」




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最終更新:2011年09月11日 22:46
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