ミーナ「釣り?」
俺「はい。今日の午後、みんなで釣りが出来ればいいなぁと…」
ミーナ「んー 昨日、ネウロイが出た事だから、今日は出撃は無いと思うし…。 いいわ、みんなで釣りをやりましょう」
俺「ありがとうございます」
ミーナ「そうと決まったら、準備しないとね。釣竿とかはどうするの?」
俺「えっとですね…さっき倉庫を漁ってみたんですけど、釣り竿は数人分しかなくて…」
ミーナ「あら…」
俺「で、でも大丈夫です!昨日、前に俺が居た部隊の隊長に、電話で聞いてみたら、今日持ってきてくれるという事だったんで」
ミーナ「そういえば、第634独立飛行隊の隊長が今後の作戦の事で、今日501に来るって話を聞いたわ。 その時に持ってきてくれるのね?」
俺「たぶん、そうだと思います」
ブロロロロロロロ
ミーナ「さっそく来たみたいね」
俺「そのようです」
ミーナ「行ってみましょう」
俺「はい!」
― 滑走路 ―
隊長「ここが501かぁ~」
俺「隊長!」
隊長「おお!俺じゃないか!! いやぁ、懐かしい!! どれどれ、抱きしめてやる。よーし、よしよしよしよしっ」
俺「ぐぇぇぇ…苦しいです」ギューッ
隊長「はっはっはっ!!」
ミーナ「お待ちしていました。えっと…」
隊長「私の名前は『日清王 劉登(にしお りゅうと)』だ。周りのやつらからは、スパ王って呼ばれてる。以後、お見知りおきを」
ミーナ「ええ。こちらこそ、よろしくお願いします」
隊長「それより俺、釣竿たんまり持ってきたぞ!ほれ」ドサッ
俺「うわっ!? こんなにいっぱい…」
隊長「どうだ?すごい量だろ!はっはっはっ! でもまぁ、男が女を釣る竿は一本しか無いけどな!はっはっはっ!!」
俺「………」←ドン引き
隊長「うむ、いい反応だ。ところで俺、501での生活には慣れたか?」
俺「はい!みんな、良く接してくれるので」
隊長「それは良かった! 俺、気になる人は出来たか?それとも、既にガールフレンドが居るのか?」
俺「い、いませんよ!! それに、気になっている人もいませんっ!!」
隊長「そりゃ残念だな。ところでヴィルケ中佐、私はこの後どこへ行けばいいのかな?」
ミーナ「執務室まで、私が案内します」
隊長「お願いするよ、501の別嬪さん」
ミーナ「え、えっ!? ///」
俺「た、隊長… 口説き癖、治ってないんですね…奥さんに知れたら、大変ですよ?」
隊長「おっと、すまない。 嬉しくなると、ついやっちゃいたくなるもんで」
ミーナ「で、では…こちらへ」
隊長「うむ」タタタタタ
俺「さてと、俺は釣り竿を倉庫へ運ぼうっと」
ルッキーニ「俺ー! んにゃ?なんで釣竿がいっぱいあるの?」
俺「ルッキーニさん。今日の午後、みんなで釣りをするので」
ルッキーニ「釣り!?やったー」
俺「ルッキーニさんは釣りをやったことあるんですか?」
ルッキーニ「うん!シャーリーとやったことある!」
俺「そうなんですか! 釣りは楽しいですよね~」
ルッキーニ「うん!でもね、大きいお魚は釣ったことは無いんだ…」シュン
俺「それじゃぁ、今日は大きいお魚が釣れるといいですね!」
ルッキーニ「うん、がんばる! ねぇねぇ俺、俺は大物釣ったことある?」
俺「ええ、何回かありますよ」
ルッキーニ「へぇ~!スゴイ!何センチぐらいの釣ったの?」
俺「えっとですね、二年前に釣ったやつで、70cmぐらいのスズキです」
ルッキーニ「うにゃっ!?そ、そんなに大きいの!?」
俺「それでも小さい方なんですよ?大きいやつは1m30cmぐらいにまで成長するんですよ」
ルッキーニ「ええっ!?私と同じぐらい大きいの!?」
俺「はい。もしかしたら、食べられちゃうかもしれませんね」
ルッキーニ「うにゃーっ!? 大物釣ったら、私食べられちゃうの!?」
俺「ええ。 大きい魚を釣り上げると…魚は大きく口を開け、鋭い歯でルッキーニさんを――」
ルッキーニ「うに゛ゃーっ!!」
俺「ははっ!冗談ですよ、冗談」
ルッキーニ「えっ…? そうなの…? な、なんだぁ…ビックリしちゃったじゃん!俺の嘘つき!」
俺「ご、ごめんなさい。 つい、からかいたくなってしまって」
ルッキーニ「もういいもん!俺の言う事なんか、信じないもん!」
俺「あうっ… ルッキーニさん…さっきのはつい…」
ルッキーニ「し~らないっ!」
俺「うぅ…」シュン
ルッキーニ「……謝ってくれたら…許しても…いいよ?」
俺「本当…ですか…?」
ルッキーニ「うんっ!」
俺「あの…ルッキーニさん。 本当にごめんなさいっ!からかってスミマセンでしたっ!!こ、これで大丈夫ですか…?」
ルッキーニ「…うん、いいよ。許してあげる!」
俺「ほっ。 よかったです、許してもらえて」
ルッキーニ「それじゃぁ! 仲直りのハグしなくちゃね!」
俺「えっ!?な、なぜハグ?」
ルッキーニ「それ~っ!」ギュッ
俺「うわっ!?ル、ルッキーニさん…!?(やばい…過呼吸が…)」
ルッキーニ「わぁ~ 俺って温かいんだね~」
俺「…そ、そうですか…?」
ルッキーニ「それに良い匂いがする。 パパみたい」
俺「パパ…ですか…?」
ルッキーニ「うん!」
俺「……パパ…か…(そろそろ…ヤバイかも…)」
隊長「いやぁ~! 若いっていいね!いいやね~! うん、うん!おれも若い時はイチャイチャしたもんだ!はっはっはっ!!」
俺「うぎっ!? た、隊長!? いつから、そこに!!?」
隊長「そちらの女性が俺に抱きつく辺りから。 抱擁シーン、見ちゃった☆」
俺「タイミングが最悪だぁーっ!!」
ルッキーニ「うじゅ? お兄さん、だれ?」
隊長「ん? 私かい? 私はね、俺君の上官の『日清王 劉登(にしお りゅうと)』っていう者だ。コールサインはスパ王。よろしく」
ルッキーニ「リュウトって言うんだぁ~」
俺「ル、ルッキーニさん… 一応、隊長はルッキーニさんより上官なので言葉遣いを…」
隊長「構いやしないよ。 ルッキーニさん、どんどんおれを名前でよんでくれたまえ」
ルッキーニ「うん、わかった!」
俺「ところで隊長、ミーナさんと話していたはずなのに、どうしてここに?」
隊長「ヴィルケ中佐との話し合いはすぐに終わったから、基地を散策していたんだ。そしたら…俺君が女性ど抱き合ってるシーンに遭遇しちゃったんだよねー!!」
俺「はぁ……」
ルッキーニ「ねぇねぇリュウト。その刀、坂本少佐と同じやつなの?」
隊長「この刀かい?まぁ似たようなものだよ。ただ、坂本少佐の刀はちょっと特殊なものだけど」
ルッキーニ「特殊なもの?」
隊長「うん。まぁ、大して変わりはないから、気にしないで」
ルッキーニ「うん、わかった!」
隊長「こっちの刀より…こっちの、主に女性に使用する刀のほうが気になるかい?」
俺「な、ナニ言ってんですか!隊長っ!! ////」
ルッキーニ「?」
隊長「はっはっはっ! ほんの軽いフソウジョークじゃないか。 おっ、もうこんな時間か。 そろそろ私は帰るよ」
ルッキーニ「帰っちゃうの?」
隊長「私もそこそこ忙しいんでね。 迎えの飛行機もちょうど来たところだし、ではこれで」
俺「はい、また今度」
ルッキーニ「んー 私もシャーリーに会いに行こうっと!ばいばーい、俺」
俺「ばいばいです、ルッキーニさん」
俺「さてと!気合を入れて、釣竿を倉庫へ運ぼうっ!!」
― 午後 ―
ミーナ「みなさん、今から海岸に行き、釣りをします。 詳しい事はこれから俺さんに話してもらいます」
俺「今日は餌釣りと疑似餌釣りの2種があります。 餌釣りは主に小型から中型狙いで、釣れる時は何十匹でも釣る事が出来ます」
俺「そして疑似餌、一般的にルアーと呼ばれているやつを使って魚を釣ります。 このようにルアーは小魚に似せてあって、大物をターゲットとします」
エイラ「俺、ちょっと質問してもいいカ?」
俺「はい、なんでしょう?」
エイラ「餌釣りのエサって、何を使うんダ?」
俺「えっとですね、今日は剥き身にした貝を使います。それを針にくっつけて、水中に垂らします」
エイラ「貝?そんなので釣れるのカ?」
俺「はい、釣れますよ。 ここアドリア海の魚たちは雑食性の魚が多いですから、貝でも大丈夫なんです」
坂本「魚がいっぱい釣れたら、今日の晩御飯は魚料理だな!」
宮藤「そうですね~! えっと、焼き魚に照り焼き、そして天ぷら…あっ!お刺身も大丈夫かな?」
ペリーヌ「まったく…宮藤さんは食べ物の事しか考えていないのかしら?」
宮藤「そ、そんな事ありません! 食べ物以外にもリーネちゃんとか、リーネちゃんとか…ちゃんと考えてます!!」
リーネ「よ、芳佳ちゃん…///」
シャーリー「宮藤~ そんなにリーネが好きなのか~」ニヤニヤ
ルッキーニ「シャーリー、芳佳はリーネのおっぱいが好きなんだよ!」
シャーリー「あっ!なるほどな~」
宮藤「そ、そんな事ありません!! 確かに…リーネちゃんのおっ…ボソボソ」
バルクホルン「………」
エーリカ「トゥルーデ」
バルクホルン「ん?な、なんだ?」
エーリカ「もしかして今、ミヤフジの事考えてたでしょ?」ニヤニヤ
バルクホルン「なっ!? そ、そんな訳あるかぁっ!」
エーリカ「そうなの?トゥルーデの事だから、『宮藤、もうちょっと私の事を考えてもいいじゃないか』とか思ってたんでしょ?」ニヤニヤ
バルクホルン「な、なぜわかっ…いや、そ、そそそんな事いっさい考えていない!!」アセアセ
エーリカ「え~? あやしい~」ニヤニヤ
バルクホルン「くぅぅっ!」
サーニャ「エイラ、釣りやった事ある?」
エイラ「私か? 釣りは無いナ。 というか、やる場所が無かったナ。湖は全部、凍っちゃうし。サーニャは?」
サーニャ「私も…無い」
エイラ「んー 後で俺に教えてもらうカ」
サーニャ「そうね」
ミーナ「では、そろそろ移動しましょう」
― 海岸 ―
俺「それじゃぁ、ルアーをやるか餌釣りをやるか、各自選んでください」
坂本「私は…う~ん、餌釣りにしよう!」
ペリーヌ「しょ、少佐が餌釣りなら、私も同じで!」
ミーナ「そうね、私も餌釣りにしようかしら」
宮藤「リーネちゃん。 どれにする?」
リーネ「う~ん、ルアーは難しそうだし…エサ釣りにしようかな…」
宮藤「そうだね!エサ釣りにしよう!」
シャーリー「私は大物一筋、ルアーでいこうっと!」
ルッキーニ「私も!私も!! ルアーやる!」
エーリカ「私はエサ釣りにしようっと!ルアーめんどくさそうだし。 トゥルーデは?」
バルクホルン「私は、ルアーでいこう。大物は釣ってみたいからな」
エイラ「私は…」
サーニャ「どっちにしよう…」
エイラ「なァ俺、俺は何をやるんだ?」
俺「俺ですか?俺は、一応ルアーをやります。大物釣りは男のロマンですし、それに俺、大きいものが結構好きなんで」
エイラ「大きいもの? じゃァ、俺はシャーリーの胸が好きなのカ」
俺「なっ…!?/// ど、どうしてそういう話に!?」アセアセ
エイラ「だって、大きいものっていったら胸以外無いダロ」
俺「ち、違います!ほら!他にもあるじゃないですか、大きいもの! 例えば…その…ボールとか!」
エイラ「ボール?」
俺「えっと! 俺は…そのテニスボールより大きいサッカーボールが好きですし…あぅぅ…」アセアセ
エイラ「ホホウ、俺はサッカーボールぐらいの大きさの胸が好きなのカ」
俺「違いますってばぁぁぁぁぁっ!」
サーニャ「エ、エイラ…俺さんが…かわいそう」
エイラ「そうダナ、これぐらいにしておくカ」
俺「うぅ…」
エイラ「結局、どっちにしようかな? ルアーかエサか…」
サーニャ「俺さん、どっちの方が簡単なんですか?」
俺「んー エサの方が簡単ですね。 基本的にエサをつけて、放り込んどくだけですし」
エイラ「じゃぁ、エサにするか」
サーニャ「うん」
ミーナ「各自選び終わったわね。それじゃぁ、始めましょう!」
― 開始から30分 ―
俺「エサ釣りの人たちは沢山釣れているみたいだけど…ルアーはダメだなぁ…」
ルッキーニ「うじゅぁーっ! ぜんぜん、釣れない~ それに、投げるの疲れるよーっ!」
俺「ルッキーニさん、ルアーは諦めてエサ釣りをやってみたらどうでしょうか? なんか、釣れているみたいですし」
ルッキーニ「うん、そうする!」
シャーリー「ん?ルッキーニはリタイアか?」
俺「ええ、エサ釣りをやるみたいです」
シャーリー「まぁ、その方がルッキーニにとっては面白そうだしな」
バルクホルン「…むぅ……」
シャーリー「ん?バルクホルンもルアー釣り飽きてきたのか?」
バルクホルン「い、いや…そういう訳では…」
シャーリー「やっぱ釣りは堅物には向いていなかったかぁ~ 短気だもんな!」
バルクホルン「釣りと短気は関係ないだろっ!!それに、誰が短気だっ!」
シャーリー「誰の事だろうな~?」ニヤニヤ
俺「シャーリーさん、バルクホルンさん。 短気の人って意外と、釣りが向いているんですよ」
シャーリー「そうなのか?」
バルクホルン「な、なぜなんだ?」
俺「えっとですね、短気な人は、釣れないと道具とか仕掛けとかを変えてみたりして、何とかして釣れるようにしますけど…」
「気が長い人は、同じ仕掛けでずーっとやってる事が多いんですよ」
「なんか、ゆったりと流れる時間が好きみたいで。だから、エサを取られていても気づかなかったりするんです」
シャーリー「なるほどな~ 言われてみれば確かに」
バルクホルン「どうだリベリアン、俺の言う事でわかったろ? 私は釣りに向いているんだ!」
シャーリー「あーでもさ、 それって自分が短気って認めた事だよな?」
バルクホルン「なっ…!」
シャーリー「おっ!図星か?」ニヤニヤ
バルクホルン「わ、私は短気ではない!! だが、釣りには向いているんだっ!」
シャーリー「なんだ、それ?」
バルクホルン「まったくリベリアンときたら! 釣りに集中できないじゃないか!」
シャーリー「へいへい、ごめんなさいっと。 なぁ、バルクホルン」
バルクホルン「なんだっ!?」
シャーリー「勝負しないか?」
バルクホルン「勝負だと?」
シャーリー「ああ。 相手より大物を釣ったほうが勝ちって勝負。 どうだ?」
バルクホルン「……いいだろう!受けてたつ!」
シャーリー「そうこなくっちゃ!」
俺(2人とも楽しそうで良かった)
― 30分後 ―
シャーリー「……」
バルクホルン「………」
俺「んー 釣れませんね」
シャーリー「そろそろ腕が疲れてきたなぁ…」
ググッ
シャーリー「おっ!? き、来たっ!!」
俺「やっとアタリですね!」
バルクホルン「私も来たぞっ!」
俺「バルクホルンさんもですか!? 2人して同時にアタリだなんて、なんかすごいですね!」
シャーリー「く、くっ! 随分、力の強い魚…だな」
バルクホルン「さ、魚のくせに…やるじゃないか」
シャーリー「右側に竿を倒して魚を疲れさせよう」
バルクホルン「なにっ? 今度は右側に魚が走ったぞ!そうなれば、反対方向の左側に竿を倒さなければ!」
シャーリー「うぐっ! 次は左かっ!」
バルクホルン「次は左に走ったか! 右にさっさと寄れっ!!」
シャーリー「左にさっさと来いっ!!」
バルクホルン「右だっ!!」
シャーリー「くーっ!左に…来いッ!」
俺(あ、あれ? 魚がこんなに力強いとは思わないし…もしかして、お互いのルアーが絡まっちゃってる?)
バルクホルン「くーっ!!」
シャーリー「いい加減大人しくしろよっ!」
俺(…うん、たぶんそうだ。 糸も絡まってるし。 2人とも夢中だから、気づいていないみたい…ど、どうしよう?)
俺「あ、あのぉ…バルクホルンさん、シャーリーさん」
バルクホルン「な、なんだ!?」
シャーリー「俺、どうし…たんだ!? くっ!」
俺「えっと…ですね、ふたりが釣っているのって…ほ、本当に魚…ですか?」
バルクホルン「……どういう事だ? 俺」
俺「…バルクホルンさん…釣り糸辿って、よく見てみてください…シャーリーさんも」
バルクホルン「釣り糸?」
シャーリー「どれどれ…」
バルクホルン「…………」
シャーリー「…………」
バルクホルン「…………」
シャーリー「…………」
「「お前だったのかぁぁぁぁぁっ!!」」
バルクホルン「お、おおお前ときたら! てっきり魚だと思って!夢中になっちゃったじゃないか!どうしてくれるんだ!このガッカリ感は!!」
シャーリー「それはこっちのセリフだっ!」
バルクホルン「お前のせいで…!」ゴゴゴゴ
シャーリー「いや、お前だろ!?」
俺「ま、まぁまぁ…落ち着いてください…」
シャーリー「はぁ…やり直そうっと…」
バルクホルン「まったく…期待したのが間違いだった…」
― 10分後 ―
ググッ!
シャーリー「!」
俺「ん?どうしたんですか、シャーリーさん」
シャーリー「い、いや…その…」チラッ
バルクホルン「なんだ、こっちを見て」
シャーリー「…お前、また私の釣り糸に絡ませてないよな?」
バルクホルン「濡れ衣も大概にしてくれ。ほら、こうして今,釣り糸を全部巻き終えたじゃないか」
シャーリー「ってことは……」ググッ
俺「シャ、シャーリーさん! アタリ、きてますよ!!」
シャーリー「やった!とうとうきたぞ!! どうだ、バルクホルン!私の方が先にアタリがきたぞ!!」
バルクホルン「ぐぬぬぬ…!!」
俺「シャーリーさん、落ち着いて糸をゆっくりと巻いてください!」
シャーリー「わ、わかった!」
ググググッ!!
シャーリー「く、くそっ! 魚なのに力が…強いなっ! くっ!!」
俺「こ、これは相当な大物かも…」
シャーリー「重いな…うわっ!」
俺「シャーリーさん!?大丈夫ですか!?」
シャーリー「な、なんとか…」
俺「シャーリーさん!俺が後ろから抱きかかえますから、しっかりと体勢を保ってください!!」ギュッ
シャーリー「な、なっ…!////」
俺「バ、バルクホルンさんもお願いします!俺を抱きかかえてもらえますか!?」
バルクホルン「わ、わかった!!」ギュッ
俺「シャーリーさん! がんばってください!」
シャーリー「あ…ああ!(お、俺が気になって集中出来ない…///)」
― そして… ―
俺「おお~! これは…」
バルクホルン「は、
初めて見たぞ…こんな大きい魚…」
シャーリー「いやぁ… ちょっとビックリだな」
俺「えっとですね、サイズはっと……62cmですね」
シャーリー「62かぁ! 大きいな!」
バルクホルン「くっ…! い、今に見てろ!私はそれ以上の釣ってやる!」
シャーリー「へぇ~!やれるものなら、やってみろよ?」
バルクホルン「ぐぬぬぬ!」
俺「はは…はははは…」
― しばらくして ―
ミーナ「さて、みなさん。 釣りはここまでよ」
坂本「ふぅ! ま、ざっとこんなもんだな!」
エイラ「うわっ! な、なんだヨ!その量の魚ハ!!」
坂本「かる~く、20人前だな!はっはっはっ!!」
ペリーヌ「さすがですわ!少佐!!」
ルッキーニ「ねぇねぇシャーリー!私もいっぱい釣った…って、なにその大きい魚!?!?!?」
シャーリー「ふふ~ん!大きいだろ?」
リーネ「わぁ~っ! 大きいですね!」
宮藤「スゴイです!シャーリーさん!」
シャーリー「だろ?」
エーリカ「ねぇトゥルーデ、なんか釣れた?」
バルクホルン「………」
エーリカ「あちゃ~っ、残念だったね。俺は?」
俺「お、俺も…残念だった…ははは」
エーリカ「そっかぁ… また次、釣れるといいね」
バルクホルン「あ、ああ……」
ミーナ「それじゃぁ、釣り道具を倉庫へ片付けて…」
俺「あっ!ミーナさん、片付けなら俺が」
ミーナ「えっ? でも、俺さんは準備もしてくれたし、それにこの後、夜間哨戒が…」
俺「大丈夫です!ぱっぱと終わらせるんで」
ミーナ「で、でも…」
俺「任せてください!力仕事は男がやるもんですから」
ミーナ「じゃ、じゃぁ…お言葉に甘えて、お願いするわ」
俺「はい!了解です」
俺「さてと、この量の竿と仕掛けは一度には運べないから…何回かの回数に分けて、運ぶしかないな」
バルクホルン「俺、手伝うぞ」
俺「バ、バルクホルンさん!? だ、だ、大丈夫です!これは、俺が引き受けた仕事なので!」
バルクホルン「そう遠慮するな。 それで、私はどれを運べばいいんだ?」
俺「えっ?で、でもですね…」
バルクホルン「私は俺の上官だ。上官が部下を手伝っても、別に問題無いだろ?」
俺「ま、まぁ…」
バルクホルン「それで、どれを運べば?」
俺「それじゃぁ、この釣竿を運んでもらってもいいですか?」
バルクホルン「ああ、任せろ」
― 倉庫 ―
俺「これで…よしっと! ありがとうございました、バルクホルンさん!」
バルクホルン「うむ」
俺「バルクホルンさん、今日は…残念でしたね…お互いに…」
バルクホルン「まぁ、今日は運が悪かったんだろ。 仕方が無い事だ」
俺「え、ええ… あ、そうだ!」
バルクホルン「ん?どうしたんだ?」
俺「今度、リベンジしませんか?」
バルクホルン「リベンジ?」
俺「はい! 今日、魚がつれなかったのは俺とバルクホルンさんだけなので…その…次の週にでも」
バルクホルン「なるほど…そういう事か… うむ、別にいいだろう」
俺「ありがとうございます!今度こそ、大物釣れるといいですね!」
バルクホルン「そうだな。さてと、そろそろ倉庫を出るとする…ん?」
俺「どうしました?」
バルクホルン「い、いや…その…倉庫のドアが開かない…」
俺「えっ?」
バルクホルン「鍵は掛かっていないはずなんだが…どうしても…動かない」
俺「ど、どうしたんでしょようか…?」
バルクホルン「う~む…あ、そういえば…」
俺「そういえば?」
バルクホルン「確かミーナが言ってたな、ここの倉庫のドアは立て付けが悪くて、時々開かなくなるって」
俺「そうなんですか?」
バルクホルン「ああ。だが、なんどもドアノブを動かせば開くらしいんだが…」
俺「今回は何回やっても…開かない…ってことですか」
バルクホルン「ああ…」
俺「ここの倉庫じゃ、声を出しても誰かに聞こえないし…ん?あそこの上にある小さい窓から出られるんじゃ…」
バルクホルン「あそこなら、出られそうだな。 うむ、ここから脱出して、助けを呼ぶ…という事だな?」
俺「はい」
バルクホルン「それじゃぁ、さっそく。 肩車がベストだろう。私が、土台になるぞ」
俺「えっ!?そ、そんなの出来ないですって!」
バルクホルン「なぜだ?」
俺「い、いや…その…女性を土台にするって…ちょっと…」
バルクホルン「大丈夫だ、私は気にしない」
俺「うぅ…で、でも!!やっぱり、俺が土台になります!」
バルクホルン「だ、大丈夫か?」
俺「はい!任せてください!」
バルクホルン「それじゃぁ…登るぞ?」
俺「どうぞ」
バルクホルン「…よし! 俺、大丈夫か?」
俺「はい、大丈夫です」
バルクホルン「窓まで…あとちょっとなんだが… 俺、もうちょっと高く出来るか?」
俺「うぐぐぐ…これが限界です…」
バルクホルン「あと…あと…少し…なんだが…うわっ!?」グラグラッ
俺「バ、バルクホルンさん!?だいじょ…うわぁっ!?」
ドサッ
俺「う、う~ん…大丈夫…ですか…バルクホル…ンさん……ん?」
俺(なんだか…両手が温かい何かに触れてる…?)
俺(左手は温かいだけだけど、右手は『柔らかくて』温かいな…何だろう…)ムニュッ ムニュッ
バルクホルン「んん…なっ!!?/////」カァァッ
俺「一体、何を触って……はっ!!」
バルクホルン「ななな…何してるんだっ、俺ぇぇぇぇぇっ!!////」
バルクホルン「早くズボンの中の手をどかせぇぇっ!!それに、胸を触るなぁぁぁっ!!///」
俺「あぁ、うぅあうぁ…//// うぐっ!!」
バルクホルン「何時まで触っているつもりだっ!!/// はや……お、俺!? どうしたんだ!!?」
俺「うぐっ…くっ…!」
バルクホルン「おい!?俺!!?苦しそうにして、どうしたんだ!?」
俺「くっ…くる…じい…うっ…」
バルクホルン「しっっかりしろ!俺!!」
俺「…う…ふ、袋を…俺の…胸ポケ…ットから…だして……くだ…さ……い…」
バルクホルン「ふ、袋か!?こ、これだな!?ほら!!」
俺「ふーっ!はーっ!ふーっ!はーっ!ふーっ!はーっ!」
バルクホルン「お、俺…?」
俺「た…助かり…ました…」
バルクホルン「一体…どうしたんだ…?」
俺「…………」
バルクホルン「……?」
俺「…実は…」
バルクホルン「か、過呼吸?」
俺「はい…あまり知られたくは無かったんですが…」
バルクホルン「どうして、そんな大切な事を隠してるんだ?」
俺「こんな持病、誰だって隠しますって!! お、女の子の破廉恥な姿を見たり、触ったりすると過呼吸になって、死に掛けるとか…」
バルクホルン「ま、まぁ……」
俺「それと…バルクホルンさん。 さっきは…すみませんでした…」
バルクホルン「ん、ああ…さっきの事はもういい。事故だから…仕方が無い」
俺「本当にスミマセンでした…」
バルクホルン「大丈夫だ、それより俺の事のほうが心配だ。 もう体調は、大丈夫か?」
俺「はい、なんとか」
バルクホルン「それなら良かった。 では…ここから再び脱出を図らなければ…」
俺「そうですね…でも、肩車でやると、先程の二の舞になりますし…どうやって脱出しましょう?」
バルクホルン「うーむ…出来れば、これはやりたくなかったんだが…」
俺「?」
バルクホルン「ドアを破壊する」
俺「…えっ!?」
バルクホルン「私の固有魔法を使って、ドアを破壊する。 だが、破壊してしまうとミーナが怒りそうでな…躊躇ってはいたんだが…」
俺「な、なるほど…」
バルクホルン「だが、今は緊急事態だ。仕方が無い。 では、破壊するとしよう」
俺「りょ…了解です!」
バルクホルン「では、いくぞ! はぁぁぁぁぁぁっ!!」
ドゴォォォォォォン!
バルクホルン「…………」
俺「…………」
バルクホルン「…………」
俺「…………」
バルクホルン「……やりすぎた」
俺「やりすぎましたね…ははは…」
バルクホルン「…ドアだけじゃなくて…ドア周りの壁まで壊してしまった…」
俺「…さすがにこれは…」
ミーナ「どうしたの!?凄く大きな音がしたから、駆けつけてきたのだけど……一体、何が…」
バルクホルン「ミ、ミーナ!?」
ミーナ「えっ!? どうして…倉庫の壁だけ消えてるのかしら…?」
バルクホルン「えっとだな…これは…ふ、深い訳が!!」
ミーナ「深い訳は執務室で聞くわ。 二人とも、ちょっと来てくれるかしら?」
『……はい』
― 執務室 ―
ミーナ「なるほどね。ドアが開かなかったから、壊したと。 仕方が無いことだけど…でも、あれはやり過ぎじゃない?」
バルクホルン「すっ、すまない……」
ミーナ「まぁ、いいわ。 ドアが壊れていては、ああするしかないもの。 事情は分かったから、もう退室して大丈夫よ」
俺「し、失礼しました」
バタン
バルクホルン「ふぅ…。怒られるのではないか、と思ってひやひやした…」
俺「事故ですから、怒りませんよ。さてと、俺は夜間哨戒に備えて寝るので、これで失礼します」
バルクホルン「ああ。あと、厄介な事にしてしまって悪かった」
俺「いえ、大丈夫ですよ。それと、バルクホルンさん」
バルクホルン「なんだ?」
俺「片付けを手伝ってくれて、本当にありがとうございました。おかげで、助かりました!」
バルクホルン「ま、まぁ…その…う、うん…///」
俺「では、これで」タタタタ
最終更新:2012年02月05日 14:04