『青春逃走劇』
中等学校の卒業式の日、みんなが青春に別れを惜しんでる日に
私は全力で走ってる
エイラ『はぁ、はぁ、はぁ』
呼吸が乱れる、動悸が激しい
頭が混乱する
思わず、逃げ出してしまった
なんでだろうか?
俺がクラスの女の子に呼び出されたから?
告白をされた瞬間を見て
『嫌ダ!!』って叫びたくても、声がでなかったから?
困った顔をして、俺の口が開いた瞬間にわけもわからず走り出してしまった
俺が、何て答えるのか、聞きたくなかったンだ
俺の、私を呼ぶ声が聞こえた気がしたけど、振りかえるのが怖かった
一体どこまで走るのか、自分でもわからない
俺『ま、待てよ!!イッル!!』 ぜぇ、ぜぇ
逃げ出した所で、追いかけてくる未来
春の日差しのなかで繰り広げられる逃走劇
逃げるのは私
追うのはあいつ
俺『な、なんで』 ぜぇ
俺『逃げんだよ!』ぜぇ
エイラ『私だって、わかんナイサ!!』 はぁ はぁ
俺『さっきの、見てたろ!その、話!!』 ぜぇ ぜぇ
エイラ『聞きたくナイ!!お幸せニ!!』
タッタッタッタッタッタ
俺『は、はっえ!!』
どこにそんな余力があったのか、彼女は俺をおきざりに、走り去ってしまった
一体どこまで走ったんだろうか?
エイラ『意地になってしまった・・・』
夢中で走って、逃げ出したのに
自分が勝手に逃げ出したのに
エイラ『なんで、追いかけてきてくれないんダヨ』
追いかけてこない俺に、無性に腹が立って
エイラ『バカ』
わがままだってわかってる
もう帰ろうと思って振り返った時に、いきなり手をつかまれた
俺『つ、つかまえた・・・』 ぜぇ ぜぇ
俺『お、お前、こんな・・足・・速かったっけ?』 ぜぇ ぜぇ
エイラ『お、俺!なんで?』
心がじんわりする、安心する
エイラ『あの子の所、いてやれヨ』
心にも無い言葉がでてしまう、本当は嬉しいのに
俺『断ったんだ』
エイラ『ナンデ!?』
俺『いわない』
エイラ『・・・』
俺『お前こそ、なんで逃げたんだよ』
エイラ『い、言わない』
いや、言えない、自分でもなぜかわからないから
俺『・・・』
俺『おあいこだな』
エイラ『・・・うん』
俺『じゃあ、帰ろうぜ』
逃げ出して、分かった事は
逃げた所で、自分では何も解決できないことだった
今度、もし
もし『なんらか』の事情で、逃げそうになっても
次は向かい合おう
こんな思い、もうしたくないから
最終更新:2010年12月09日 23:33