最終章後編
387 自分返信:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 00:40:18.43 ID:nUnuQo0t0 [7/15]
「俺とララサーバルとパトリシア」最終章後編 ずっとここにある絆
――1945年夏 ローマ郊外 アンジーの病室
アンジー「…………私はヴェネツィアを守れなかったのか」ボソッ
トントン
アンジー「ん? 検診か? どうぞー」
ガチャッ
俺「よっ久しぶりだな、アンジー」
アンジー「……………俺…?」ポカン
俺「何だよその幽霊を見ているような顔は」
アンジー「あの日以来、顔を出す所か消息を知らせる連絡も無かったんだ。こういう顔にもなる」ムスッ
俺「スマンスマン。501JFWの隊員として招聘されてたからなかなか手が空かなかったんだよ。まだ最後の大仕事が残ってるけど、その前に休暇がもらえたから顔を出したんだ」
アンジー「むぅ……人がどれだけ心配してさ、寂しかったと思っている……」ブツブツ
388 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 00:45:08.26 ID:nUnuQo0t0 [8/15]
俺「まあ、俺がいなくてもどうにかなったろ?」
アンジー「ああ、おかげさまでパティがちょくちょく顔を出してくれるから精神的なケアはバッチリだ」
俺「パティの調子はどうだ?」
アンジー「最後に会ったのがけっこう前だったのだが、まだ調子が悪いと言っていたな」
俺「そうか……」
アンジー「調子悪いのにこんな場所までわざわざ訪ねてくれて……パティには感謝してもしきれない」
俺「うん、俺からも礼しとくかな。アンジーのお世話を丸投げしちまったし」
アンジー「むっ……人を愛玩動物みたいに言うな」
俺「スマンスマン」
アンジー「まったくお前はいつまで経っても人を子供扱いして……」
俺「俺にとっちゃお前は昔と全然変わってないよ」
アンジー「………」
俺「………」
389 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 00:50:21.74 ID:nUnuQo0t0 [9/15]
アンジー「なぁ俺」
俺「ん?」
アンジー「私はヴェネツィアを守れなかったんだな」
俺「うん」
アンジー「他国人の私も快く迎え入れてくれて赤ズボン隊の名誉まで与えてくれたロマーニャの人々の大切なヴェネツィアを守れなかったんだな」
俺「………」
アンジー「私は……彼らの信頼に報いることが……」ジワァ
俺「お前ってさ」
アンジー「ん~?」グスッ
俺「何でも一人で抱え込む癖があるけど、俺にだけは割と色々話してくれるよな」
アンジー「そりゃ……グスッ……お前に隠し事してもすぐバレるからな」
俺「アンジーは感情が顔に出やすいからな」ケラケラ
アンジー「そういうことを言うのは今まで会った人でもお前だけだぞ……」
俺「そりゃそうだ。何年いっしょにいると思ってんだ」
390 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 00:55:27.49 ID:nUnuQo0t0 [10/15]
アンジー「フッそうだな……って待て。話がズレているぞ」
俺「あ? そうか?」
アンジー「まったく、私に対しても少しはデリカシーというものを持ってくれ……だからな、私はヴェネツィアを……」
俺「お前は良くやったよ」
アンジー「………急にマジメな顔になるな。少し……ドキッとしてしまう……」モジモジ
俺「お前はベストを尽くしたんだ。悔いる必要はない」
アンジー「………」
俺「ジェンタイル大尉も言ってたぞ。アンジーのおかげで助かった、ありがとうって」
アンジー「それでも……!」
俺「ああ、それでもヴェネツィアが陥落したのはお前のせいだ」
アンジー「………」ズキッ
俺「お前が強くなかったから、新しいネウロイの巣だろうがなんだろうが軽くブッとばせるほどの強さを持っていなかったからヴェネツィアは落ちたんだ」
アンジー「」ズーン
俺「でも、さっき言ったように悔いる必要はない。後ろばっかり見てないで、前見て今よりもっと強くなれ」
アンジー「………」
391 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 01:00:24.49 ID:nUnuQo0t0 [11/15]
俺「幸い時間はいっぱいあるんだ。今の内に自分の中の諸々の疑問に答えを出して、飛べるようになってからまた走り始めればいいさ」
アンジー「…………また…走り始める…か」
俺「ああ、多分お前のことだからブランクを埋めるために猛訓練を始めるだろうさ」
アンジー「ククッ……お前の言う通りになるのは癪だがきっとそうなるだろうな」
俺「また俺がお節介焼いてやるからなククッ」
アンジー「うむ、これからも世話になる」
俺「アンジー」
アンジー「む?」
俺「頑張れよ」ニッ
アンジー「………」
俺「それに、今は俺だけじゃなくてパティも……」
アンジー「……………お前は、いつもそうだな」
俺「そうって?」
394 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 01:06:23.97 ID:nUnuQo0t0 [12/15]
アンジー「いつもそうやって人の背中を何の気に無しにポンポンと押して、私が勢い余って転ぶかもしれないとかそういう心配はしていないのか?」
俺「は? してねぇよ?」
アンジー「むっ……言い切るか」
俺「お前はさ、生真面目で不器用で放っておくと一人で自滅しちまうから世話を焼かずにはいられないけど……でもな、」
アンジー「………」
俺「それでも、お前は強い。目の前の幾多の困難を乗り越えられる強さを持っている」
アンジー「そう……かな?」
俺「ああそうだよ。お前は強い。世界にその名を轟かす数多のウルトラエース達と肩を並べるくらい……いや、俺は彼女達よりも強いと信じている」
アンジー「それは些か買いかぶりすぎだと思うが……」
俺「物心つく前からの付き合いなのに、今更お前を見誤ると思うか?」ジッ
アンジー「くっ……そんな真っすぐな目で私を見るな。少し……照れる……」カァァ
俺「それにさ、たとえお前が転びそうになっても、」
アンジー「………」
俺「少し後ろを歩いている俺が支えてやればいいだけだからさ」ニシシ
アンジー「………」
395 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 01:12:09.80 ID:nUnuQo0t0 [13/15]
俺「だから、心配なんてしないよ。地獄だろうとどこだろうとお前が行こうとするならその背中を押してやる」
アンジー「無茶苦茶言うなお前……」
俺「今回だってそうだろ? 巨大な巣が突然出てきて、新型のネウロイが大量に襲ってくるっていう絶望的な状況でもお前は帰ってきた」
アンジー「………」
俺「ボロボロになりながらも、ちゃんと生きて帰ってきてくれた」
アンジー「………」
俺「さすが俺の信じるアンジーだ」ニッ
アンジー「………………うむ。お前もやはり昔と変わらないな」
俺「そうかー? けっこう背とか伸びたと思うけどなー」
アンジー「そういう意味じゃない。お前は昔からそうやって根拠もなく私を愚直に信じていただろう」
俺「愚直って……」
アンジー「私は……お前が思っているよりもずっと矮小だ。少なくとも……私はそう思っている」
俺「………」
アンジー「そんな私にはお前の信頼は大きすぎる。でもな、何故だか知らないがそれをうっとうしいとも重たいとも思ったことはない」フフッ
俺「………」
396 自分:俺とララサーバルとパトリシア[sage] 投稿日:2012/03/07(水) 01:13:12.46 ID:nUnuQo0t0 [14/15]
アンジー「お前はそうやって私を信じて背中を押してくれた。そして、ずっと私の少し後ろにいて支えてくれた」
トントン
アンジー「そんなお前だからずっと……」
俺「………」
ガチャッ
パティ「や、アンジー調子はd――」
アンジー「私はお前のことが好きなんだ」
俺・パティ「「えっ……」」
つづく
最終更新:2012年03月15日 22:25