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第4話 右手からビーム

前回のあらすじ

マルセイユ「まさかケイが男を連れ込むとはな……」ニヤニヤ

俺「俺は異なる世界から来ました。あ、国籍はこっちで言う扶桑ね」

マルセイユ「お前の体質はどうなっているんだ」

俺「これは多分遺伝です^^」

ここでネウロイさん襲来


俺「(この時期はアフリカを結成して間もないから2人ともまだ実戦に出れない、だからマルセイユだけを行かせているんだな)」

俺は隣でインカムを付けた加東を見ていた。

俺「(ケイズリポートじゃあこんなタイミングでネウロイは出てこなかったし……俺が異世界からやってきたから、こっちの世界でも何か変化が起きているのか?)」

加東「なっ!? 小型ネウロイ計30機と陸上型の大型ネウロイですって!?」

すると感慨にふける俺の隣で加東が驚き、目をカッと見開いた。

稲垣「大型ですか!?」

俺「(いくらウィッチ部隊が居るからって多すぎだろ!? マルセイユが居ても厳しいんじゃないのか!?)向こうの空が黒い……」

加東はインカムから耳に入るウィッチたちの苦戦する声に整った顔をしかめた。空の黒色がどんどんと減っているが苦境に変わりは無かった。

加東「マルセイユが大体の小型を撃墜してもかなりきついわね……」


ネウロイ「キャゥゥゥゥゥゥウン!!!!」

陸上の大型に攻めあぐねているのか、その黒い巨体は確かにこちらに近寄ってきていた。

稲垣「も、もうすぐそこにネウロイが!」

俺「う……なんだ? なんで体の火照ったような感じが強くなるんだ……!?」

俺は巨大なネウロイを見てたじろぐ稲垣を尻目に、輪をかけて酷くなった自分の体に奔る違和感に戸惑っていた。

加東「俺君どうかしたの!?」

俺「いや……ネウロイに反応してるんですかね……体が熱を持つような」

俺の頬には確かに朱が差しており、額から汗をかいていた。ここが砂漠であるということがその理由ならさっきの時点で汗を吹き出しているはずなのでまずあり得ない。
俺の体が何らかの反応を起こしていると考えざるを得なかった。

俺「右手を…かざすのか? それで左手を添えて……」

加東「何をしているの……?」

ボソボソと何かを確認するように言いながら右腕を出し、それを左手で支える俺を加東は訝しげに見た。

ネウロイ「キシャアアアアアアアアアアア!!!」

ネウロイが無造作にビームを一斉射した。そのうち数本のビームは天幕、いや、俺の方に向かって飛んで来ていた。
しかしそのビームが俺や加東たちを貫くことは無い。

加東「シールド!?」

1歩前に出た俺の右手にはシールドが張られていた。それもかなりの大きさだ。

俺「やっぱり向こうも俺に反応しているのか……」

俺が確信したように顔を上げ、ネウロイをキッと睨んだ。その鋭さといえばまるで獲物を狙う猛禽類だ。

俺「右腕に集中して……射出!」ゴウッ

先程までシールドを張っていた俺の右手から8.8cm砲、アハトアハト並みの、それすら凌駕するようなビームがネウロイに向かって放たれた。

ネウロイ「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

極太な赤色の光線はネウロイの無機質なボディを貫通する。そしてネウロイは悲鳴を上げて、爆ぜた。

俺「……あれ。体の違和感が治まった? なんだったんだ一体?」

そんな光線をぶっ放した本人はと言えばキョトンと首を傾げているだけだった。

稲垣「俺さん……凄いです!」

加東「一体何が起こったの? ……ネウロイのビームとはまた違うみたいね」

シールドを張ったことと言いさっきの続きでまた色々訊かないといけないわね。と付け足して加東は苦笑した。


マルセイユ「さっきのビームは俺が撃ったのか! 本当に何者なんだ……?」

ネウロイが襲撃する前と同じように加東、稲垣、マルセイユが集まり、俺のことについて話していた。
今はちょうど加東にマルセイユが事情を聞いたところだ。

俺「俺にもわかりませんよ……何せ俺の世界ではウィッチも、魔法なんてもんもお伽噺の世界ですからね」

稲垣「ウィッチが居なくて魔法が無い世界……ですか」

俺「その分科学とかは力を入れているみたいですがね……例えばこれなんかそうですね」

俺はガサゴソとバッグを探り、自分が今まで愛用してきたデジタル一眼レフを取り出す。

加東「それ……カメラ?」

俺「はい。俺の愛用している物ですよ」

机に置かれたそれ3人は興味津々に見ていた。カメラが趣味だった加東何かは特に熱心に見ている。

俺「加東さんのは確かライカⅡですよね」

加東が首に掛けていたそれを見る。

加東「ええ、俺君はカメラが趣味なの?」

俺「まあそうですね。今日でも……ほら」

カメラを操作して今日撮った桜の写真を3人に見せる。

稲垣「うわ~。綺麗な桜ですね」

俺「うん、思わず撮っちゃってね。この時代のカメラはフィルムなんで撮った写真の確認は普通、撮ってすぐ後には難しい筈ですけどね」

マルセイユ「そうなのか、ケイ?」

加東「ええ、彼の言うとおりよ。それにしてもすごい画質ね…」

俺「まあ、こんな具合に家電は進歩しても魔法ってのは存在しないんです。代わりに暮らしを快適にするために科学者たちが必死こきましたけどね」

俺は苦笑しながらそう言った。


加東「大体わかったわ。じゃあ、あなたは今日初めてシールドを張って、固有魔法を使ったってことになるのね?」

俺「はい。まさか俺の手からビーム出るとは思ってもみませんでした」

加東「……シールドの大きさを見る限り大分魔法力も強力みたいだし、ウィッチになれるんじゃない?」

マルセイユ「男がウィッチになるってのも珍しい話だけどな」

俺「ウィッチ、ですか……よし、決めた」

一同「はやっ!?」

ちなみに決めるのにかかった時間は2秒も無かった。

俺「ウィッチになりたいです。さっきの戦闘を見る限り、ウィッチになるのはほぼ100%が女の子で、男は普通の武器で戦っているんですよね?」

その訊き方は確認するようなものだった。

マルセイユ「ああ、そういうことになるな」

俺「つまりは俺は、ウィッチとして共闘出来る可能性があるということ。ならば俺は、自分が少しでも出来ることをしたいです」

その黒色の瞳には固い決意の表れか強い光が宿されていた。

俺「さっき聞いたように、扶桑陸軍に志願出来るなら、お願いします」

稲垣「なんで陸軍なんですか?」

俺「んー。祖父さんが昔陸軍だったてのもありますし、まあ住んでた場所の近くに昔陸軍の施設があったもんで」

加東「わかった。じゃあ今日の内に申請しておくわね。じゃあ改めて……俺と呼んでいいかしら? 私のこともケイで良いからね」

俺「お好きに呼んでください。じゃあ俺もケイさん呼ばせて頂きます」

稲垣「俺さんはご家族とか、心配ないんですか?」

俺「ああ、ウチの両親は武道の素晴らしさを世界に広めるとか言って世界を飛び回っていますから、多分何の問題も無いでしょう。
  ある日10万円と一緒に置いてあった書置きに「世界に行くぜ!」とか書いてあって、もぬけの殻になってたトラウマは……」

マルセイユ「それなら問題なさそうだな」

トラウマを掘り返した様子の俺を見ながらマルセイユはただ頷いていた。

ちなみにその日の夜、俺はウィッチたちに紹介された。一応俺が異世界人であることは加東、稲垣、マルセイユとマルセイユから聞いたライーサ、マティルダくらいしか知らない。
正式に配備されるまでは伏せておこうということらしい。

俺は勿論ウィッチたちと一緒の天幕を使うわけにはいかないので、扶桑の砂隊の整備兵たちのテントを借りることになった。


連絡

俺の呼び方に沿って人物の表示を変えていきます。
とりあえず次からは 加東→ケイ、稲垣→真美となります。


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4月1日投下

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最終更新:2012年04月02日 16:02
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