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第1話 トリニティ実験

1945年 6月17日 リベリオン某所——

隣国との国境線近く、広大な砂漠のまっただ中に
一人の少年が見慣れぬストライカーを履いて浮かんでいた。

俺「……エンジン内温度正常。結晶体の分解を開始。魔力流動、オールグリーン」

淡々とした口調で少年は無線機の向こうの研究者たちに状況を伝える。



俺「これより、トリニティ実験を開始する」

少年の言葉を合図に、彼のストライカーが輝き始める。


俺「出力10%、20%、30%……」

ストライカーはみるみる輝きを増し、もはや直視できないほどの明るさを放つ。

俺「85、90、95…….100%!!」


博士「よし、俺君。やってくれ」

1kmばかり離れた場所から、無線機と望遠機を使って少年の様子を窺っていた男が指示を出す。


俺「了解。魔力、解放っ!!」


突如、研究者たちの視界が真っ黒に染上げられた。

次の瞬間、視力を回復した研究者たちが目にしたものは


        クレーター。


直径300mはあろう、巨大な穴がぽっかりと地面にあいていた。


研究者1「せ、成功だ……」

研究者2「なんて威力なんだ……これが、こいつがあれば……」

研究者3「戦争は……ネウロイとの戦争は終わる!!」

研究者4「ははは……これで俺たち全員、糞ったれだ」





ミーナ「はぁ……」
まだうら若き乙女が、デスクで歳に合わない重たい溜息を漏らす。

坂本「どうしたんだ、ミーナ?」

ミーナ「今度来ることになっている補充要員についてちょっとね」

坂本「ああ、新兵器のテストパイロットだったか?戦力が増えるのは喜ばしいことじゃないか」

ミーナ「……これを読んでちょうだい」

そう言うとミーナは今日の新聞を美緒に差し出した。

坂本「なになに……『リベリオンで新型兵器の開発に成功、ネウロイ殲滅の決定打となるか』
リベリオン……確かその補充要員もリベリオン出身だったな」

ミーナ「ええ。タイミング的に見てこの新型兵器のテストパイロットと見て間違いないわ」

坂本「ふむ……しかしなぜそれで悩む必要がある?」

ミーナ「忘れたの?新兵器と銘打って私たちを解散まで追い込んだアレを」

           ウォーロック。

ウィッチにかわる戦力と言っておきながら最終的には暴走、そして破壊された見栄と過信の塊。

坂本「ウォーロックか……」

ミーナ「アレの二の舞にならないことを心から願うわ」


坂本(しかしこの補充要員の顔写真……まるで死んだ魚のような目をしている……)



後日、ブリーフィングルーム——

俺「本日より、501に配属されることになった俺中尉です。
出身はリベリオン北部のアラスカ、ここには新兵器のテストパイロットとして派遣されました。
よろしくお願いします」

宮藤「お、おとこのウィッチですか!?」

ゲルト「魔法力を持った男がいるというのは聞いたことはあるが実際に見たのは初めてだな」

エイラ「真っ白な肌ダナー」

ミーナ「それでは、俺さんの質疑応答の時間を設けます」

宮藤「えっと、特技とかは?」

俺「は、はい、スキーが得意です!スキーに乗りながら銃をぶっ放せます」

リーネ「スキー?」

俺「ええと、雪の上を2枚の板に乗って滑っていく技術です」

エイラ「雪の上を滑りながら銃を撃つって……相当難しいんじゃナイカ?」

俺「アラスカでは必須訓練の一つですから。できないと戦えませんし」

エーリカ「なんでそんなに肌真っ白なの?」

俺「うーん、アラスカ育ちだから、としか答えようがありませんね」

ルッキーニ「虫は好きー?」

俺「アラスカではほとんど見たことがないので何とも言えませんね……」

ほかにも何人かが手を挙げかけたが、ミーナが手を叩いて遮った。

ミーナ「俺さんも長旅で疲れているでしょうからもう休ませてあげましょう。
宮藤さんとリーネさんは俺さんを部屋まで案内してもらえるかしら」

宮&リ「はい」



宮藤「ここが俺さんの部屋です。」

リーネ「何か困ったことがあったら言ってくださいね」

俺「ありがとう。じゃあさ」

俺「ここはちょっと暑すぎる気がするんだがどうにかならないか?」

リーネ(……べつに暑くないよね、芳佳ちゃん)

宮藤(うん……寒いところで育ったからかな……)

俺「まぁ、馴れるしかないのかな。実験のときの砂漠よりはマシだし」

リーネ「砂漠?」

俺「い、いや。なんでもないよ。おやすみなさい」

宮藤「はい、また明日」


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最終更新:2012年04月05日 13:44
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