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シナリオ2-1

 いつでも朝だけはやってくる。とても素敵なことなんだろうが、今の俺にとっちゃはた迷惑でしかない。
 親父が発する鶴の一言で転校、編入。しかも、常識が通じない学園へ。俺の・・・俺の人生はどうなるんだ・・・。
 昨日と変わらない桜が降り注ぐ並木道。鮮やかな桃色が目の前を染め上げる。
 横を歩くみんなは今日の授業の話をしたり、武器の自慢をしたりしながら歩いている。俺だけ、一人でとぼとぼと歩いている。
 「よーっす!」
 いきなり後ろから、元気のよい声とともに肩を叩かれた。
 「新規おっはー!」
 「おはよう、えぷ丸」
 肩を叩いてきたのは小学生くらいのちっちゃい色黒の男の子。まあ俺と同い年なわけだが。
 「元気ないなー、俺が杖で空中に『黄天当立』って出して景気づけようか?」
 「いやいや、いいよいいよ!俺元気だよ、うん!」
 下手に火を出されて桜に引火したら困る。
 「おー、ラキうさじゃね?」
 目の前を見渡してえぷ丸が言った。・・・ラキうさ?
 「ラキうさおっはー!」
 俺のときと変わらず女の子の肩をぽんと叩く。
 「えぷ丸おはよう」
 えぷ丸が話しかけたのは、ポニーテールで眼帯をした女の子だった。
 「新規君だっけ、おはよう」
 ぺこっとお辞儀をされた。
 「お、おはよう」
 「こいつ幸福兎な。いつも俺にお菓子くれるいい奴なんだぜ!」
 「気軽にラキうさって呼んでね」
 餌付けされてるんじゃないかそれ・・・喉まで出かけた言葉を無理やり押し込んだ。
 ─────--。
 並木道は10分もかからない。ひたすらえぷ丸が杖のすごさを語ってくれた。
 相変わらずぐわーとかばばーんとか抽象的な表現だったけど、とりあえずわかったことは
 「火炎以外にも火の玉を出せる」「手を離しても杖は動く」
 話の始終幸福兎、ラキうさはずっと微笑んでえぷ丸の話を聞いていた。えぷ丸はいつも誰にでもこんな感じらしいな。
 ・・・まあ、えぷ丸、最初と最後は同じことを話してたけど。
 そのえぷ丸が語り終えたころ、校門と看板が見えた。そして校門に立っているガタイのいいおっさん。
 「よく来た!」
 あのおっさんこれが日課なのかな。うわ、目が合った。
 「よく来た!」
 相変わらず元気いっぱいだな・・・。おっさんに軽く会釈して、俺はさっさと教室へ急いだ。

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最終更新:2008年04月30日 00:59