282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/27(火) 18:52:57.01 ID:MZM4psDa0 [1/2]
「俺が大学受かったらどうすんの?」
前を歩く彼女にふと聞いた。
『どうするって…何をですか?』
「いやぁ、その、お前はどうすんのかなって」
『…普通に生活しますけど』
「え、だって俺一応県外の大学だぞ」
『はぁ』
彼女はため息をついて立ち止まり、その短くさらさらした髪をなびかせ振り返った。
『あの、先輩』
「は、はい」
しまったと思う。この口調はお説教モードだ。
『そういうのは受かってからの話です。そんなことでどうこう悩んでいる暇があるのでしたら、勉強してください』
「悩んでるなんて大袈裟なことではないよ。ただ想像というか、かなみと離れちゃうわけだし」
『それでもしかして県内受けようとか考えたわけじゃありませんよね?私は先輩の人生のしがらみになんてなりたくありませんから、受験と私のことは別に考えてください!』
「まぁそれもわかっているつもりなんだけどねぇ…」


283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/27(火) 18:54:20.81 ID:MZM4psDa0 [2/2]
『じゃぁなんでこんなこと聞いたんですか?』
ムッとした表情で聞いてきた。
「なんつーか、やっぱかなみのこと大切だからさ」
『っ!』
かなみの顔が一気に赤くなる。
『…せ、先輩はなんでそういう恥ずかしいことをさらさらと言うんですか!』
「いやぁー、なんでだろうね?」
『…』
彼女はうつむいていたかと思うと、俺の方へ寄り、抱きついてきた。
いい匂いがする。
『先輩は…ずるいです』
彼女の息が胸元にかかり、わずかに熱を感じる。
『…先輩と会えないのは寂しいです』
「じゃぁやっぱり俺県内に『でも!』
『…でも一年後、私も先輩の大学にいますから!』
「かなみ…」
『…それまで待っていてください』
「うん、わかった。待ってるよ」
『先輩』
彼女は俺を見上げ、目を閉じ、キスをした。

『浮気したらダメですよ』
最終更新:2011年10月01日 17:11