170 名前:1/2[] 投稿日:2011/09/30(金) 02:30:20.30 ID:9o1pBjDA0 [7/8]
「お前ってエプロン姿似合うよな」
『は? 朝からいきなり何を言ってるんですか兄さんは。急に変なこと言わないで下さい。
気持ち悪いです』
「褒めてんのに気持ち悪いとか言うなよ。照れ隠しにしても毒があり過ぎるぞ」
『照れ隠しなんかじゃありません。実際、兄さんに言われると気持ち悪いですから。もっ
とカッコイイ男性の方からでしたら、嬉しくも思いますけど』
「そーかよ。イケメンじゃなくて悪かったな」
『それはもう、諦めてますからいいです。大体、私のエプロン姿なんて毎朝見てるじゃな
いですか。一体、何でまた今日に限ってそんな事言うんですか』
「いや。お前、エプロン変えたろ? そしたら、あらためてそう思ったまでだよ」
『妙なトコだけ鋭く見てますよね。兄さんは…… で、それだけですか?』
「いや。お前みたいな女の子を嫁に出来る男はさぞ幸せだろうなって。羨ましいぜ」
『ハァ…… よくもまあ、兄さんは平気でそんな事口に出来ますね』
「え? 何か俺、悪い事言った? 褒めたつもりなんだけど……」
『ええ。どうせ私は、彼氏いない歴が年齢ですよ。兄さんだってそれは知ってるはずなの
に、そんな事言うなんて嫌味ですか。フン』
「い、いやその……それはそうだけどさ。多分、お前がとっつきにくい性格してるからと
か、美人過ぎてむしろ声掛けづらいとか、そういう理由じゃないか? 内心、付き合いた
いと思ってる男はいると思うぞ」
『無責任にそういう事言わないで下さい。そもそも、私に彼氏の出来ない理由の半分は兄
さんにあるんですからね』
「俺? 何で俺のせいになるんだよ」
『誰が兄さんの世話をしてると思ってるんですか。食事から洗濯掃除に至るまで、全部私
がやってるじゃないですか。その為に、サークルにだって入らず、飲みの席だってほとん
ど断ってるんですよ』
「それはむしろ俺は勧めてるじゃないか。そもそも、お前が来る前は一人でやってたんだ
し、何とかなるから大丈夫だっていっても聞かないのはお前の方だろ?」
171 名前:2/2[] 投稿日:2011/09/30(金) 02:31:33.24 ID:9o1pBjDA0 [8/8]
『当たり前です。兄の家とはいえ、居候させて貰ってる身分ですから、家賃代わりに最低
限の生活保障をする義務があります。大体、一人でやってたって、辛うじて生きてられる
程度のレベルだったじゃないですか。あんなの、やっていけるなんて偉そうに言える身分
じゃありません』
「分かった分かった。けど、どうすりゃいいんだ? 身の回りを世話してくれる彼女でも
作ればいいのか?」
『そんなの絶対ダメです!! 兄さんにアプローチされる女性の方が、その……嫌な思い
するに決まってますから、他の女性を不幸にするような真似は止めて下さい』
「お前と話すと、そこら辺がいっつも矛盾すんだよな。何か俺、どうしようもないみたいな」
『実際そうですから。兄さんの妹なんかになってしまった我が身の不幸を呪うばかりです……』
「でもまあ、少しはお前も大学生活楽しんだ方がいいぞ? 別に、一日二日でここがゴミ
屋敷になることもないだろうからさ」
『兄さんに心配されるなんて、それこそ余計なお世話です。無駄口叩くのはいい加減にし
て、さっさと学校行って下さい。兄さんは今日、一限目が必修でしょう? 私は、二限目ですから』
「わかったよ。それじゃな」
『フゥ…… 本当に、兄さんってば、どうしてあんな事を平気で言えるんだろう……』
『私はもう、心の中では兄さんのお嫁さんになったも同然なのに……兄さんにとっては違
うのかな……?』
『やっぱり……生活だけじゃなくて……あっちの方も満たしてあげないと……気付かない
のかな……ハァ……』
終わり
何か同じような展開を2、3回は書いてる気もするが、それだけ敬語妹は可愛いという事で
最終更新:2011年10月01日 17:24