178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/30(金) 03:47:13.06 ID:ziLQj0Aw0 [1/5]
変な夢見た。
お前がさ、俺の隣にいるんだよ。ちっちゃい頃のお前がさ。
お前が俺の手を握るんだよ、そんで俺がそれを握り返すと、お前はもう俺より大人になってるんだ。綺麗で、美人で、ちっちゃいころ泣き虫だったお前とは思えないような。
俺は綺麗になったなって言おうとするんだけど、いざ言おうとしたら声が出ないんだ。しょうがないから手を握るんだけど、横にいたはずのお前が、今度はずっと遠くにいるんだ。
お前はそれはもう幸せそうな顔しててさ、俺はおめでとうって言うんだ。お前がありがとうって返すと、お前の隣に知らない奴がいてさ、そいつもありがとうっていうんだ。
そしたらあたりが真っ暗になって、お前が見えなくなっちゃうんだ。お前は暗いところ苦手だから探してやらなきゃと思うんだけど、体が動かなくて、手を見てみると、皺だらけで、俺は爺さんになっちまっててさ。
そんで俺はお前の名前を呼ぶんだけど、喉が苦しくてうまく声が出せないんだ。
俺は必死に必死にお前を探すんだけど、苦しくて苦しくて、力尽きるんだ。
俺は最期までお前の名前を呼ぶんだけど、お前はどこにもいなくて、俺は独りで闇の中に溶けていっちゃうんだ。
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/30(金) 03:47:51.49 ID:ziLQj0Aw0 [2/5]
「兄さん!!」 バタンッ‼
「うおっ!? どうした!?」
「どうしたもこうしたも! なんですかこのメール! どうしたんですか!?」
「え? だから変な夢見たから、何となく送っただけだけど……」
「そっ……れ、だけ、ですか……?」
「あ、ああ……」
「……………」
「……………」
「……………」 スタスタ
「……?」
「……………」 バチンッ‼
「ぶべっ!? なっ……! なにすんだよいきなり!」 ヒリヒリ
「……………」 ギュッ
「お? あ、あれ?」
「……………」 ギュウウウッ
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/30(金) 03:49:03.46 ID:ziLQj0Aw0 [3/5]
「ど、どうしたんだ? 変だぞ?」
「……馬鹿じゃないですか……?」
「は?」
「こんなっ……変なメール……送って来て……! すごく……すっごく……! 心配したんですから!」 ギュッ
「え、あ」
「まるで……ゆっ……遺言みたい……でっ! ぐすっ……ばかっ……!」
「ご、ごめん……そんなつもりは……」
「ばか……ばかばかばかばかばかっ……! 私が兄さんを置いて……どこかに行くわけないでしょう……!?」 ギュッ
「……………」
「そんなの……あるはずっ……ないです……ぐすっ……」 ギュウウウッ
「……ありがと」 ナデナデ
「ばか…………兄さんこそ……私のコト……独りにしないで下さいね……?」 ギュッ
「おう」 ナデナデ
「ばか…………ばーか……」
「……ところでさ」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/30(金) 03:49:49.21 ID:ziLQj0Aw0 [4/5]
「……………」
「お前、学校は?」
「…………そんなの、知りません」
「もしかしt」prrrrr「あ、電話?」
「あっ……! で、出ちゃダメです!」 ガシッ
「もしもーs」『別府さんなにやってんですか授業中にいきなり飛び出して今どこでなにやってんですかどんな事情でも担任である私に一言ぐらい断ってくれないと私の
監督責任になるんですよわかってるんですかちょっと聞いてるんですか大体あなたはたまに情緒不安定というか直情径行というか自由奔放過ぎますよ聞いてますか意味わかりますk』ガチャ
「……………」
「………授業中に飛び出してきたの?」
「……………」 コクッ
「……はぁ」
「……だって……」
「ん?」
「……………授業なんかより……兄さんの方が……ゴニョゴニョ」
「………明日謝りに行くか」 ナデナデ
「……はい……♪」
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/30(金) 03:50:37.14 ID:ziLQj0Aw0 [5/5]
おわり
兄のピンチを感じると駆けつけてくれるスーパーシスター
最終更新:2011年10月01日 17:25