87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 01:40:59.80 ID:6xv4TMa50 [2/18]
タ ガタガタッ「よ…っと。ここに入るのも久しぶりだな~」
山「懐かしいね…」
纏「此処が…お主達の秘密基地か?」
タ「そ。小学生の時に俺と山田で作ったんだ」
友「うう…狭いし、凄い埃っぽいわね…ケホケホ!」
山「しょうがないよ。ここに来たのなんて、小学生の時以来だからね」
友「それにしても、よく神社の床下なんかに作ったわね…」
タ「ハレブタに憧れてな…」
纏「まったく…罰当たりな奴らじゃ」
山「あの頃は僕たち、怖いもの知らずだったからね~」
タ「ああ、とにかくなんでもやってみたい年頃だったからな」
山「スズメバチの巣を改造銀玉鉄砲で狙撃したり…」
友「…危ないわね」
タ「盗んだお賽銭でうまい棒を買ったり…」
纏「なんてことをしておったんじゃ馬鹿者」ペシ!
タ「…結局それを妹にばれて、こんな風にたたかれた挙句、財布ごと賽銭箱に投げ込まれたりな…」
山「本当に子供だったよね~あの頃は」
タ「ああ、まったくだな」
友「タカシは今も子供だけどね」
纏「うむ、その通りじゃな」
タ「…ひどくないですかお二人さん」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 01:54:21.15 ID:6xv4TMa50 [3/18]
友「それで?なんでアタシ達を連れてきたの?」
タ「地図を見つけるのに、人手は多い方がいいと思ってな」
纏「地図とな?」
山「うん。実は小学校の卒業式の後、二人で神社のどこかにタイムカプセルを埋めたんだよ」
タ「その地図が、この基地のどこかに丁寧に保管されているはずなのだ」
友「へえ…どんなのを埋めたの?」
山「それが…将来の夢を書いた…てことは覚えてるんだけど」
タ「いかんせん、書いた内容が二人ともさっぱりでな」
纏「何故自分の夢を忘れるのじゃ…」
友「しょうがないわよ…この二人だもん」
タ「まあ、忘れるってことは大した願いじゃないんだろうけど…」
山「このままじゃ、タイムカプセルの存在も忘れちゃいそうだから、掘り起こすことにしたんだ」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 02:18:49.72 ID:6xv4TMa50 [5/18]
友「しょうがない…手伝ってあげるわよ」
纏「うむ、当時の二人の夢…多少興味があるしの」
タ「おお、サンキュー二人とも!」
山「それじゃあ、早速探索といこうか」
~~探索中~~
山「あ、あったよみんな!」
タ「お!マジか!」
タ「おお~!これだこれだ!懐いな~!」
友「どれどれ…へえ、結構凝ってるわね」
纏「おお…ホントじゃの」
山「地図によると…神社裏の雑木林の中みたいだね」
タ「よし!目指すは地図のバツ印!行くぞ!」
~~移動中~~
タ「…この辺りだよな?」
山「うん…地図にある大きな杉の木って…これのことだろうしね」
纏「つまり、この木の根元に埋まっているという訳じゃな」
友「ここを掘り返すんだ…雑草もすごいし大変だね」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 02:33:37.93 ID:6xv4TMa50 [6/18]
タ「さあ山田!やるぞ!」
山「いや、それはタカシの仕事でしょ」
タ「え?」
山「だって、ここまで案内したのは僕だし…役割分担は当然でしょ?」
タ「え…いや、でも一人は…」
友「頑張ってねタカシ!」
タ「え、ちょ…」
纏「暗くなる前に終わらすのじゃぞ!」
タ「いや…」
山「ファイト!タカシ」
タ「………」
タ「…畜生!お前ら覚えとけよぉ!」ザックザック!!
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 02:50:57.89 ID:6xv4TMa50 [7/18]
山「そうそう!これに入れて埋めたんだっけ…」
友「見つかってよかったわね」
纏「地図も間違ってはおらんかったようじゃの」
タ「…ゼエ…ハア…」
山「それじゃあ、一回神社に戻ろうか」
纏「うむ、賛成じゃ」
友「もう夕方になってるしね」
タ「ハア…ハア…」
山「…あれ?どうしたのタカシ?置いていくよ?」スタスタ
タ「…畜生ォ…山田…後で転がす…」フラフラ
纏「の、のう…タカシ…」
タ「な…なんだ?」
纏「その…よく頑張った…の」
タ「…ああ、サンキュー…」
~そして…神社の石段へ~
山「では…御開帳~」パカ…
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 03:04:59.89 ID:6xv4TMa50 [8/18]
全「………」
友「名前の書いた折りたたまれた紙が二枚…」
纏「…他には…何もはいっておらんの…」
山「これがタカシのだね…はい」
タ「おう」
友「ね、ね、何が書いてあるの?早く見てみてよ!」
纏「どんな滑稽な夢なのか見物じゃな」
タ「ハハハ…そう急かすな」
タ「それじゃあ…オープ…」
山「あ、タカシちょっと待って」
タ「え?どうした?」
山「今日はもう一旦解散してさ、明日学校で見せ合おうよ」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 03:21:38.81 ID:6xv4TMa50 [9/18]
友「ええ~?何でよぉ?」
山「タカシは重労働で疲れてるだろうし、日が落ちるのが早くなったとかで、友ちゃん家の門限も厳しくなってるんでしょ?」
友「う…そうだけど…」
山「二人もそれでいいよね?」
タ「ああ、別にいいぜ」
纏「門限は守らんといかんぞ友子」
友「ちぇ~…分かりました~」
山「そんな拗ねないでよ。僕の夢は帰るとき見せてあげるから」
友「…本当?!」
山「うん」
友「それなら許すわ。じゃあね二人とも!明日学校で!」
タ「おう!」
纏「うむ」
山「じゃあね…ってそんな引っ張らないでよ友ちゃん!」
友「ほら早く行くわよ!山田の夢…見せてもらうんだから!」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 03:36:10.08 ID:6xv4TMa50 [10/18]
山(ごめんねタカシ…実は僕、あの時のこと覚えてるんだ…)
山(自分の夢はもちろん…タカシのも)
山(フフ…この後の二人がどうなるのか…結構楽しみだな)
友「ちょっと山田!早く見せてよ!」
山「分かった分かった…はい」カサ…
タ「…じゃあ、俺達も行くか」
纏「そうじゃな」
タ「くぁ~疲れた!明日は全身筋肉痛だなこりゃ」
纏「………」
タ「まったく山田の奴…あの分担はどう考えても公平じゃないだろ」
纏「………」
タ「どうりでシャベルが一本しかなかったわけだよ…」
纏「のう、タカシ…」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/08(土) 04:49:44.11 ID:6xv4TMa50 [14/18]
タ「ん?」
纏「そ、その…自分の夢…見てみぬのか?」
タ「え、なに見たいの?」
纏「か、勘違いするでない!お主の夢が見たいわけではなく、到底実現不可能な夢を書いたお主が、幼少の時の己の浅はかさに沈む姿が見たいだけじゃ!」
タ「…なるほど、つまり早く見たいんだな」
纏「…っ、お主…からかうのもいい加減に…」
タ「先に見ていいよ」パサ…
纏「…なに?」
タ「さっきも言ったけど、忘れるくらいだから大したことない夢だろうし」
タ「チビの時の夢だから、纏の言うとおり実現不可な突拍子もないことだからな、どうせ」
纏「し、しかし…本人より先に見るのは…」
タ「纏にならいいって、先に見られても」
纏「そ、そうか…///?なら遠慮なく…」カサ…
纏「………」
タ「どう?なんて書いてある?」
纏「………」
タ「総理大臣?フリーター?マックの店長?」
纏「………」
タ「…えっと、あの…纏さん?」
纏「……んじゃ」
タ「…ンジャメナ?」
纏「なんじゃこれは!!!」
タ「うお!?どうしたまぶぁ!」
纏「い、一体なんじゃこの夢は!?お主!まさか本気でこれがしたいと思っておるのか!?」
タ「いやちぶぁ!だから小さいときぼぉ!」バキドカ
纏「しかもこれをわざわざワシに先に見せるなど!冗談にも程があるわぁ!!」
タ「いやだばらぁ!なんて書びゃ!」
纏「このワシをからかうとは…絶対に許さんぞタカシィ!!」
タ「だからなんて書いてあんだぐべぇ!」
最終更新:2011年10月09日 12:22