61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/23(日) 11:10:09.45 ID:Et/GZxuO0 [3/4]
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/23(日) 11:19:10.43 ID:50fyFgBs0 [1/2]
- どさくさ紛れに「結婚しよう」と言われて思わず「いいわよ」って言っちゃったツンデレ
66 名前:>>64 ここにいるよ![] 投稿日:2011/10/23(日) 12:00:59.05 ID:J/a4LRnM0 [1/3]
61のつもりだったけど>>62とも若干被った
「そういえばさー」
不意に何やら思い浮かんだことがあったので、むみさんに話しかけてみた。
彼女は、読んでいた本から顔を上げて、至極どうでも良さそうに訊ねてくる。
「何かしら」
「“これから毎日、味噌汁を作ってくれ”ってプロポーズの台詞があるでしょ」
「それが何か」
思った通りどうでもいい話だった、と言わんばかりの投げやりな声に、僕はちょっと心が折れそうになる。
「あれって、イギリスだと“これから毎日、君の淹れた紅茶が飲みたい”、とかになるのかな」
「ほんっとうにどうでもいい話ね」
とうとう言葉にして言われてしまった。
僕としては、どうでも良くないんだけどなあ。だって、
「自分がプロポーズするとしたらどんな台詞にしようかなーって考えてたら、そんなことが思い浮かんでさ」
「はあ。どんな台詞でも私は受けないから、やっぱり無意味ね」
そう言って彼女は、視線を本に戻そうとするが。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/23(日) 12:03:10.72 ID:J/a4LRnM0 [2/3]
「別に、むみさんにプロポーズするつもりだなんて、僕は言ってないけどね」
「っ!? ち、ちが、別に、私はっ」
僕の言葉に、慌てて本から、こっちに視線を戻すむみさん。
その顔は、表情こそ冷静そうなままだが、微かに朱に染まっている。
「いやー勿論、僕はむみさんにしか、プロポーズなんてする気ないけどさ。むみさんが、僕にプロポーズされたいと思ってたなんて嬉しいな」
「わ、私は、貴方にプロポーズされたいだなんて一言も――」
「でも、僕がプロポーズするとしたら、当然それは自分だって思ったんでしょ? そうじゃなきゃ、あんな言葉は出てこないよね」
「うぅぅ、もう、勝手に言ってなさい!」
そう言って、怒ったように、ますます上気した顔を、本で隠してしまった。
ああやっぱり、こんなに可愛い彼女から、僕は一生離れられないだろうな、と確信した。
そして、結局ありきたりな言葉になってしまったけれど、心の底からの誓いを口にする。
「一生、幸せにするからね、むみさん」
彼女は、本で顔を隠したまま、全身をびくっと震わせた。
――そして、しばらく押し黙った後。
聞こえるか、聞こえないかの、本当に小さな声で、
「そんなの、当たり前でしょ、馬鹿」
と、言ってくれたのだった。
最終更新:2011年10月24日 00:25