77 :いっしょに。:2005/10/09(日) 19:39:02 ID:.hI0e6qg
ファストフード店で二人。外は既に黄昏だった。
君は席に着き落ち着いたところで話し始めた。
「今日は楽しかったね。」
「うん、そうだね。」
僕は答える。
大きないくつもの紙袋を見て君は
「今日はちょっとお買い物しすぎちゃったかも。」と言う。
「うん、そうかもね。」
僕は答える。
「ねぇ、君ってどうしてそんなにのんびりしてるの?」君がいきなり聞いてきた。
「それってだめかい?」僕はとりあえず聞き返してみる。
「そうだよ。この世の中、一分一秒を争うんだから。」
君は少し熱く語る。
「・・・・でも、そんなことしたらあっという間だよ。忙しいだけ。」
僕は僕の考えた事をそのまま吐いた。
「・・・それに、」
「ん?」よく聞こうとこちらをしっかりと見据える君。
「君といられる時間はもっとゆっくりで長いほうがいいからさ。・・・・でも、今日もどうやってもあっという間だったけどね。」
そう言うと君は、何故か泣き出してしまった。ファストフード店の喧騒のおかげで何とか目立たずに済んでる。
「なんで・・・・・泣いてるの?」
「ん・・・泣いてないよ。目にゴミが入っただけ・・・・・・。」
目から溢れる涙をこまめにハンカチで拭っている。拭っても拭っても涙は終わりそうに無い。
「そんなに痛いの?僕はどうしたらいい?」
半分くらいそれが嘘だと思ったけど、とりあえず僕は聞いてみる。
「・・・・・涙が止まるまで一緒にいて。」
「わかった。・・・・・実は僕も今日は離れたくない気がしてたから丁度いいな。」
それを言った後だった、君はどうしようもないほどの嗚咽で泣き出してしまった。
まぁいいや。君の涙が止まるまで、今日は一緒にいよう。
最終更新:2011年10月25日 16:32