99 :名無しさん:2005/11/12(土) 18:26:23 ID:MkjhFWiU
現時刻での本スレにあったお題 ・男が他の女の子に告白されているのを目撃してしまうツンデレ
たまたま見かけたタカシの、向かう方向が少しおかしかった。
――だから、どうという訳でもなかった。ただ、何となく……何処に行くのか、それが気になった。
ほんの少しの好奇心と、悪戯心……それがまさか、こんな状況になってしまうなんて……
『あの………すみません、こんな所に呼び出しちゃって……』
「あ、いや、別に……俺は……ほら、部活も何もやってないしさ」
体育館裏。鬱蒼とした雰囲気に、二人の男女。……それの音だけを盗み聞く私。
……どれほど鈍い人間でも、これから何が起こるか分かるだろう。
何せ、呼び出した張本人は声も上ずるほどに緊張していて、周りには誰も居ないのだから。
たぶん気のせいではないだろう、タカシもその雰囲気を察知してか、微妙に声は緊張している。
――まったく、いつものふざけた態度はどこにいったのだ。
『あ、いえ、それでも…………ぁ、あの、その、今日は言いたい事があって』
「うん」
―――何故、私の胸の奥はこうも痛んでいる。
ヤツは…………タカシは……ただの、幼馴染のはずだ。いつも気付けばそばに居る、あのふざけた人間。
その人間が……誰と好き合おうと……私には関係ないはずだ…………。
『す、…………好きです。……付き合って……下さい』
「……………………」
どうしてこうも痛む? 今の私は、何を望んでいる?
分からない。本当なら、早々に立ち去らねばならない場所だというのに……足も動こうとしない。
タカシ、お前は…………どういう答えをだすんだ?
100 :名無しさん:2005/11/12(土) 18:30:11 ID:MkjhFWiU
「…………ごめん」
『……そっか、分かった。そうだよね、それじゃっ……』
「? ……! ………泣かせたな……たぶん………」
足早に去っていく、名も知らない女子。
……今、ひどく安心している私は、きっと認めるべきなんだろう。
タカシを……………―――――――――
(・∀・)翌朝(・∀・)
「やっほー!! おっはよーぅ、尊っ! 今日も―――」
『お早う』
「……………………? あれ? 普段ならこう、鞄か何かがバシッ!っと……」
『どうした? 学校に行くんだろう』
「??? ………は、はい……」
『……………』
「(いつもの調子でねぇ………)」
『手を貸せ』
「はいぃ!!…………え? あれ?」
『貴様が毎朝のように望んでいた……ことのはずだ(//////』
はじめて握ったタカシの手は、少しだけゴツゴツしてて………
ほんの少しだけ、暖かかった。
お題と属性(?)が被っても気にしない。 ……とは言っても、此処だから別に被ってる訳でもないけど。
余談:以前、ツンデレが告白されてるところを男が(ry ってSS書いた。
逆のSSを何故書いたのか、自分でもよく分からない。
最終更新:2011年10月25日 16:39