421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/05(木) 04:15:28.86 ID:RAkT/ZDS0 [2/3]
「けほけほ」
『もう、山田ったら軟弱者ねぇ』
「しょーがないだろ。もともとそんなに丈夫な方じゃないし、あんな寒い中長い間連れまわされたら風邪もひくよ」
『文句だったらタカシたちに言うのね。あの二人がいちゃいちゃしてるの見たら友ちゃんのパパラッチ魂に火が付いちゃったのよ』
「んな無茶な…」
『とにかく、いつまでも休まれたらこっちの仕事が進まないから、今日は友ちゃんが特別に看病してあげるわ。感謝しなさいよ。お礼は今度何か奢りでチャラにしてあげる』
「強引だなぁ」
『うだうだ言わないの!!』
「でもさぁ、さっきお粥作って食べちゃったし、薬も飲んだし、あんまりやってもらうことないよ?」
『え…』
「後は寝るだけみたいなもんだし…そうだな」
『…何よ』
「手、握っててくれるかな。ボクが寝付くまでで良いから」
『な、なんでそんなことしなきゃいけないのよ』
「病体だとね、けっこう人肌が恋しくなるんだよ。手を握っててくれたら、すぐに寝られると思う。ボクが寝たら、帰っても構わないよ。風邪がうつると大変だし」
『…』
「良いかな?ちゃんとお礼もするよ」
『仕方ないわね…さっさと手出しなさいよ』
「…ん」
ぎゅっ
『これで…いい?』
「ん。ありがと…おやすみ」
『…』

「すぅ…すぅ…」
『…寝た…かな?』
『…山田、ごめんね。私、アンタが身体弱いって知らなかったから…』
『ほんとは、ただお詫びのつもりで看病するつもりだったけど…ダメね、私ったら、こんな時でも素直になれないなんて』
『山田…ほんとは…アンタのこと…』

422 名前:ちょっとはみだして[] 投稿日:2011/05/05(木) 04:17:45.83 ID:RAkT/ZDS0 [3/3]
「ん…今何時かな…」
『すぅ…すぅ…』
「ん?友ちゃん、まだ…って…ずっと手を握っててくれたの…」
「友ちゃんも寝ちゃった、のか…風邪がうつってなきゃいいけど…」
「…ごめんね友ちゃん。こんな弱い身体で、あんまり君の役に立ててないね」
「それでも君はボクを頼ってくれる…やっぱり、嬉しいよ」
「友ちゃん、ボクは…君のことが…」

おしまい
最終更新:2011年05月10日 00:52