135 :1/2:2005/11/20(日) 20:47:29 ID:MkjhFWiU
現時刻の本スレ >>577 ・ツンデレに「ほら、ネクタイ曲がってるわよ」って言われた(属性によるセリフ変化有)

「おはよう」
『お早う。……2分前か、上出来だな』

今日は、尊に借りてたノートを返すために朝から待ち合わせをしていた。
……時間にはかなり正確な彼女には、2分前に到着した今でも「待たせてしまった」と反省してしまう。
「はい、これ。ありがとう、文も綺麗でやり易かった」
『いや、大したことでは無い。そんな事よりも、今後体調管理に気を付けてくれればそれでいい』
「ん、そうする」

……38超えの熱が出たのは久しぶりかな? ともかく、そんな事情によりノートを借りていた。
『……しかし、幼稚園からの仲とはいえ、親も少々介入しすぎだとは思うが。
 本人から頼まれてもいないのに、まさか親からお前にノートを貸すよう言われるとはな……』
「心配性だもんね、そっちのお母さんは……」
『全くだ』

因みに、「お母さん」と呼んでいるのに他意はない。ただ、「おばさん」と呼ぶ自分自身が気まずいから、使わないだけ。

―――――この単調な日常が、自分はたまらなく好きだった。
そしていつの日からか、その単調な日常を彩る彼女が好きになった。
彼女自身も………自惚れじゃない限り、自分のことが好きだと思う。異性として、とは違うかもしれないけど。


『おい、ネクタイが曲がっているぞ。……だらしがない』
「ん? そうかな……」
『少し止まれ。…………………。……よし、これで良いだろう。』
「ありがとう」
『本当に、世話の焼ける奴だな……貴様は』

136 :2/2:2005/11/20(日) 20:47:53 ID:MkjhFWiU
……フと、ほんの少しだけ可笑しい事に気付いたから、口に出した。
「何か、新婚さんがする玄関先でのやりとりみたいw」
『なっ……(/////)……馬鹿な事を言うんじゃない!(/////』
「おっ?! 怒らないでよ……」
『~~~っ! 怒ってない!!(/////』

少しだけ紅潮した彼女の顔を見ながら、少し思う。
自惚れたいと考える自分と、自惚れるのは馬鹿みたいだから……もう少しこのままで居たいと思う自分。
でも、欲張りだから……ほんの少しだけ、進展していきたいと思った。

「久しぶりに手ぇ繋ごう」
『っ……(////)……何年前の話をしている、この馬鹿っ……!』
「ね、ほら」

無理矢理彼女の手を取って、思った。
自分達が成長した事。…………それでも、昔握ったことのあるその手は、少し冷たくて、か細くて。
それでも他の人とは違う、柔らかさや例えがたい温もりがあって…………
『……駅までだ…………(/////』

いつか堂々と、手を繋げる関係になりたと。
最終更新:2011年10月25日 16:48