252 :名無しさん:2006/01/02(月) 22:19:59 ID:OsxQoflE
『(……また、続きを見てしまったら…………)』
「……姉さん? ぼーっとしてるけど、どうかした?」
『えっ? あ、いや、何でもない』
「正月用に、って買い込んだお菓子類余ってるからさ……いる?」
『っ……貴様、正月というのはただでさえカロリーを多く摂ってしまう。それは暗に太れと、私への嫌がらせか?』
「そこまで考えてねぇよ、ただもう寝る前だしついでに」
『どうだかな』
「……でもほら、チョコ好きだろ? いらねっつうんなら、俺貰うけど」

(小さく一つ一つが包装され、袋詰めにされているチョコの袋を見せるタカシ)

「俺も好きだし」
『うっ…………半分だけ、寄越せ』
「ほれみろw だから声掛けてやったんじゃん」
『御託はいいからさっさと袋を取ってくる!』
「パシリかよ!? しゃーねぇな……」

(小さな袋に半分くらいチョコを入れ、持ってきたタカシ)

「ほら、受け取れ!」
『うわっ!』
(袋から飛び散り、尊の部屋に錯乱するチョコ)
『たぁぁぁかぁぁぁしぃぃぃぃぃ…………っ!』
「ごめっ、許せみこねぇ!」
『! 待てっ!!』
「ちょ、早っ!? ごめん、許してって!」
『許さん、今日は私の布団で寝ろ』
「意味わかんねぇし!?」
『大体お前は私の部屋をノックもせずに覗いた。プライバシーの配慮不足もかねて、
貴様に私の言うことを聞かないという選択肢は無い』
「わーったよ、寝りゃいーんだろ……」

(二人で布団に入る)

「(ったく、いっつも殴ってきたりするのに……こういう事してくるからわかんねぇな、この姉は……。
それに、何がどうなったら一緒に寝るんだっつうの。やっぱ意味わかんねぇし)」

(数十分後)

『……タカシ?』
「(まだ起きてたのかよ……まぁいい、寝たふりしてやれ)」
『……(ゆさゆさ)』
「(何だ、これから何すんだ? 狸寝入り狸寝入り……っと)」
『(小声)…………ん。怖い、夢を見たんだ。買い物から帰ってきたら家が燃えてて、私以外の家族は皆中に居た。
少しすると消防車が来たんだけど、柱が脆くなったウチが潰れて…………』
「(おいおい、何のカミングアウト? つかどんな夢見てんだよ、我が家への破壊願望でも募ったか?)」
『潰れたウチはな、どう見ても隙間なんて無かった。私以外、全員死んだ…………そう視覚した瞬間に、目が覚めた』
「(…………)」
『怖くてな、ここが自室のベッドである事をあそこまで安心したのは初めてだった』
「(……なんだろ、気まずい…………)」
『すまんな、私の我侭だ……』
(タカシにそっと抱きつく尊)
「(二度としねぇぞ、ったく……。にしても、あの鬼面オニ姉貴が夢に怖がるね……可愛いもんだ)」


(翌朝)

『いつまで私の布団で寝ているつもりだ貴様はあああぁぁぁぁぁ!?』
「んっがっ!!」
『さっさと起きろ愚弟。もう7時だ』
「まだ休みだろー……自分ので寝かすのが嫌なら、誘わなきゃいいじゃん……」
『黙れ黙れ黙れ!(////』
「怖い夢見たからってなぁ……幾つだよ、みこねぇ」
『は? …………お前、まさか』
「寝るとき言って…………あ」
『寝たふりとはいい度胸だな…………!』
「いやあれは、不可抗力みたいなもんで」
『問答無用おおおおお!!!!!!!』
「木刀は駄目えええぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――げはっ」
最終更新:2011年10月25日 17:03