291 :俺と吸血(ry another1/3:2006/03/20(月) 19:27:42 ID:oCc9cRRc
我は吸血鬼の姫である、名はクラード。
現在は別府タカシという性根の根元から腐った下僕を従え、人間界の生活を楽しんでいる。
しかし、この下僕は忠誠心の欠片も無く、あまつさえ我を叱るという
時代が時代なら打ち首獄門にされても可笑しくない不敬ぶりだ。
その上、我が寝ている間はあの、デカチチポンコツ兵器とイチャイチャしていると言う、全く持って許せん。
そもそもなんだ、あの下僕は大きければいいのか?我も好きで貧しい胸をしているわけではないぞ。
むしゃくしゃしてきたのであのポンコロイド(?)を破壊しに行こう。
俺は日曜日の通例行事となった社会見学と称したクラードの夜の散歩に付き合う
「ヴァン・奉天のココアとホットレモンティー、それから緑茶、それとオムライス二つ」
その前に、久々の外食(と言ってもファニレスだが)を三人で楽しむ。
「まだ寒いですねー、タカシさん」
隣に座ったニシキさんが寄り添う。
ちなみに席割りはニシキさんの席に座りたがったクラードが武力行使寸前まで行ったが
その後夜の散歩があると言う事で落ち着いた。
「貴様には温度を感知する機関があるのか?」
仏頂面でクラードが呟く、ニシキさんは胸を押さえて
「うわ、グサッときましたよグサッと」
そういった後、両手で胸を寄せて上げるして俺に突き出し。
「タカシさん、故障してないか触診してください」
「ちょっとニシキさん、クラードが・・・」
当てられたネズミが泡を吹いて失神しそうなほどのさっきをはらんだ目でクラードは俺とニシキさんを睨みつける。
で、ニシキさんは気付いていないように、且つお色気たっぷりな声で
「タカシさん・・・早くしてくださいよ~」
引くに引けず、進むに進めず・・・
「ココア、レモンティー、緑茶でございます」
「ぶー、残念」
ウェイトレスが飲み物を持ってきたので、ニシキさんは唇を尖らせて座りなおす。
ウェイトレスさん、GJ
そう心の中で呟いて、俺はレモンティーに口を付けた。
292 :俺と吸血(ry another2/3:2006/03/20(月) 19:28:08 ID:oCc9cRRc
いつもなら上機嫌に街を歩くクラードだが今日は仏頂面ですたすたと速いペースで歩いている。
「どうした?クラード」
「なんでもない!」
「自販機に牛乳なんて珍しいな」
自販機の見本のところに置いてある牛乳パックを見ながら呟く。
「牛乳とは何ぞや」
「ホルスタイン牛の母乳を殺菌、成分調整した物、朝と風呂上りの一杯は格別らしい
因みに一部の女性は豊胸の効果があることを信じて毎日飲んでいる」
効果の程は定かではないが、とは、目を輝かせたクラードには言えなかった。
「不味い!何だこの白濁液は!」
一口飲んだ後のクラードの一言目はこれだった。
「下僕!これの代わりを、トマトジュースを買うのだ!特別にそれはくれてやる!」
「はいはい」
スチール缶に入ったトマトジュースをクラードに渡し、俺は牛乳パックのストローを咥える。
俺もあんまり好きじゃないんだよな、牛乳・・・
「うむ、この味が一番だな!」
嬉しそうにトマトジュースを飲むクラード、俺へのあてつけか。
一気に飲めば一瞬で終わる、でもそれが出来ないのが嫌いなものなんだよなぁ
何度も口を付けながらそう思う。
クラードの方を見るとちょうど目が合う。
「何?」
「その・・・なんだ、そう何度も口を付けられると、意識せずとも意識してしまうのだが」
「何を?」
俯いて耳まで真っ赤にしてクラードは言い難そうに言う
「か・・・・・・間接・・・・・・キス・・・」
「あ、ごめん」
そう言って俺は反射的といって良いほど止めるまもなく牛乳を飲み干す。
その後、あの最悪な後味が襲ってきて少し気分が悪くなった
293 :俺と吸血(ry another3/3:2006/03/20(月) 19:28:35 ID:oCc9cRRc
「・・・貴様はその・・・大きいほうが良いのか?」
帰り道、クラードが唐突に話しかけてきた。
「何が?」
「あ・・・む、胸が・・・」
「うーん、小さいか大きいかで言ったら大きい方かな?」
正直に答える、童貞なんて皆おっぱい星人だ。
クラードは俯く。
「そうか・・・」
「でも、好きになったら大きくても小さくてもどっちでも良いかな」
ちょっとフォローのつもりで一言足すとクラードは顔を上げて俺に訊く。
「ほ、本当か?」
「まあ、恋は盲目って言うし、胸の大きさなんてそんなもんじゃない?」
「なんだ、気にしている我が馬鹿みたいではないか」
ふう、と溜息混じりにクラードは呟く。
「今頃気付いた?」
「貴様、今なんと言った?」
「イーエ何も」
「タカシさん、クラちゃんおかえり」
「ただいまニシキさん・・・なんですかその格好は?」
薄いブルーのネグリジェ姿のニシキさん。
「勝負下着、って言うんですか?こういうのって」
「殲滅兵器!貴様、何故そんなものを着ている!」
クラードが大きな声で一括。
「え~タカシさんを誘惑する為ですよ~」
「貴様!今回こそ壊す!再起不能になるまで壊してくれるわ!」
ニシキさんは腕の関節から44mm砲を取り出し。
「じゃあ、クラちゃんも骨くらいは残るように頑張ってくださいね」
20秒後、焦げた臭いの中、久々に寝袋で寝る事になった。
これが俺の日常なんだなぁ・・・
最終更新:2011年10月25日 17:11