315 :恋する弱気伝説(1/4):2006/06/30(金) 15:33:59 ID:naIt/5nk
私の大好きな大好きなあの人は、とても優しい人です。
内気で弱気で引っ込み思案な私を、決して放っておいたりしないで気にかけてくれるんです。
そんな優しい人に惹かれてしまう乙女心は、簡単に想像できちゃうよね…?
タ「ハロー、せっかく休憩時間なのに何書いてるの?」
弱「はにゃ? ………タタタタタカシさんっ!?」
タ「そんなに驚かなくても。 それより今、俺の事。 名前で呼んでくれたよね?」
弱「へ……? ……ぁ……ぅ………/////」
ぅぁ…私ったら驚いたあまり下の名前で呼んじゃったりして、は…恥ずかしい…
タ「…俺また何か変な事言った? 眉毛がハの字だけど。」
弱「ぅゃ…ぁ……こ、これはぁ~……」
あなたの事を考えてたんですっ!鈍感っ!!
弱「ぅ…生まれつきなのですよぉ……」
…とは言えない自分にもう慣れてしまいました…クスン。
タ「そう? ならいいんだけど。」
弱「ぁの…それより今日は何のご用ですか~……?」
タ「え?あぁ、そうそう。 実はさ、偶然遊園地のフリーパスが当たっちゃって。」
弱「…ふぇ?」
タ「この前買い物で泣かしちゃったじゃん? そのお詫びにどうかな、って。」
弱「そのぉ…、そ、っそ、それって~……」
デートのお誘いですね!?まごうことなくデートのお誘いですよね!!??ね!!??
やりました…世間の荒波に負けないでひっそりと生きて来た私に神様からご褒美ですよ!!
タ「行く? 今度の日曜日、二人で。」
弱「ゃー……ぇー…えっ?」
今度の日曜日、行く?…”二人”で?
この間は私が悪かったのに、責任を感じて誘ってくれたのには納得なんですが、
あなたとふふっふふふフフフ…二人でなんて、わわ私にし死ねと言ってるですか?
弱「な、何を言ってるんですかぁ…、私はあなたなんかと……」
タ「OKだね? じゃあ日曜日の朝10時にこの遊園地で。 じゃね(ニコッ」タッタッタッ
弱「ぁぅ…ぃぇ、私……(断ってますってばーーーーーーーッ!?」
316 :恋する弱気伝説(2/4):2006/06/30(金) 15:34:44 ID:naIt/5nk
まさか二人っきりで来る事になるなんて…
みんなで行く集団デートみたいなものを想像していた私には大打撃です……
タ「――おまたせっ! 待った?」
弱「っひゃぁぅぇわぁっ!!?」
タ「だから驚き過ぎだって!」
弱「む、むーーー……」
背中を急に叩くからっ!!びっくりした拍子に肝臓飛び出したらどうするんですっ!?
タ「ふてないでさ。 今日の君、普段よりずっと可愛いよ?」
弱「……ぁぇ……///////」
また話題をそらされた…そ、そりゃあ、大好きなあなたと二人でデートだもん、
可愛くしないと失礼ってゆぅか…デートの帰りにな、ななにかあったりしちゃったり…した、ら…
タ「そのイヤリング、良く似合ってるしね。」
弱「ぅ………///////」
ちゃんと、細かい所にも気付いてくれるんだ…
そうゆうの…女の子はすごく嬉しいんだぞ……?
タ「ほら、早く行こうよ!」グイッ
弱「ふえぇっ?!」
弱気な私をぐいぐい引っ張ってくれる、優しいあなただから好きなんだよ。
思ったことを口にできない私だけど…あなたの事をを好きでもいいですか…?
タ「――ってことで本日の目玉、お化け屋敷~♪」パチパチ…
弱「ぉばけ…屋敷?」
タ「大人しい君の事だからびっくりして気絶しちゃうかもよ?」
弱「ぅっ………」
タ「大丈夫、俺がついてるから。」
弱「……はぃ~……」
舞台は、うす暗いお化け屋敷へと移ります。
317 :恋する弱気伝説(3/4):2006/06/30(金) 15:35:19 ID:naIt/5nk
きゃあああぁあぁあぁあぁあぁあ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛っ゛ッ゛っ゛!!!
弱「ぁ、ぁの~~……」
盛大に悲鳴をあげて私にしがみつくこの人…、た、確かに、
やっぱり少しちょっと子供過ぎ、かもしれない…けど、大丈夫、まだ私の守備範囲だし…――
タ「ひぃっ、ひぃっ、ってかこれヤバクない? マジ恐いんだけど」ヒシッ
弱「もう… ホントは全然頼りにならないんじゃないですかぁ…?」
タ「な、何言っt「うらめし~~…」うわあぁっっ!!?」ギューッ
弱「つんつーん。 …駄目駄目じゃないですかぁ…////」
――そんなに密着しちゃうと…その、ほら、ね?
う、嬉しい…かな…?………な、何て言ってあげませんよーだっ!!
タ「恐い~恐いよ~~…」
弱「………ぁの、」
ここのお化け屋敷、そんなに恐い?私はなんともないよ?
情けないじゃないですか!もっと私をリードして下さいよっ!!
弱「……大丈夫、ですかぁ……?」
タ「き、君がいるから何とか耐えてるけど、結構ヤバイ…orz」
弱「ぁ…ちょっと…、」
こんな所でへたり込まないで下さいよっ!?後ろの組の人が来たらどうするんですか!!
タ「うう……ぅぇえ…うぇっうぇっ」
弱「……ぁぅぅ……」
…立場が逆転ですね。仕方ないです、私が引っ張って行ってあげますよ…
弱「………(ス…」
タ「うぇっうぇっwww…? 何?腕――」
弱「///////」
こうしてううう腕を組んであげます、かからっ、ほら!行きますよっ!?
弱「………ょ…」
って、こ、声にならないのは分かってるんですけどっ…!!
318 :恋する弱気伝説(4/4):2006/06/30(金) 15:36:01 ID:naIt/5nk
むにっ むにっ むにっ…
弱「ぅ……ぁ……その………////////」
ちょ、ちょっと!あんまりくっつかないで下さいよっ!?その、そのその、
むっ…宗男議いn…じゃなくて!…むねっ、胸のさ、さささ、先が当たってますってば!!
タ「だ…だいぶん落ち着いたよ。」
弱「そ…それは、…良かった……ですぅ…」
わ、私は胸の辺りが気になって、もう…お化け屋敷どころじゃないです、けど…ぅぅ……
タ「でも、良かったよ。 君がついててくれるから何とか出れそうだ…」
弱「し…知らないです! 駄目なら最初からやめておけばいいのに…!」
わっ、私がしっかりしないと…!
タ「う…でも、こういうトコには割と強いんだね。」
弱「ふぇ…?」
タ「こんな風に、いざって時に頼りになるなんて見直したよ。」
弱「ほ…誉めても何も出ませんよぉーだ…!」
タ「あは…、でも。 こんな一面もあったなんて、何だか好きになっちゃいそうだよ。」
弱「///////な、んなな何言ってるんですかっ!!」
あぁ…おばけさん、もし本当にいるなら私を呪ってくれてもいいです…
そのくらい、幸せすぎますよぉ……///////////
タ「それに…結構胸もあるみたいだし…///(ムニュ」
弱「ふ………ふえぇっっ!?」
も、も、も…もしかしてもしかすると!……当たってるの、気付いてた…?
ぁ…あれ?…あれっ?……心臓がドキドキしてk
タ「もし良かったら…俺達、付き合わない?」
弱「ななななな何言う何言えば何言うとき何言おう何言えぇっっ!?!?!?!?
タ「ははは… 変な五段活用してないでさ、ね?(首筋にちゅっ)」
弱「~~~~~~~ーーーッッッッ!!!!!!(←声にならない叫び)」ドサッ…
タ「ぁあっ?! ちょ、俺を置いて気絶しないでくれよーーーッ!?!?」
こうしてめでたく(?)恋は成就したのだが、その後の前途多難な日常はまた別な機会に…
最終更新:2011年10月25日 17:14