590 :ツンデレとラジオ体操(1/4):2006/11/10(金) 17:56:40 ID:naIt/5nk
今日は我が妹と町内会のラジオ体操。
両親のいないこの家庭を二人で生き抜(ry俺にしてみれば、我が妹を一人前にする為。
休日のラジオ体操と言えども欠かす訳にはいかないのだ。 うん、健康的。
『ってか何でバカ兄貴が一緒に来んのよっ』
「ふむ。 その理由を教える為には、何故ラジオ体操が衰退しつつあるかの説明から――」
『やっぱいい。 なんか面倒くさそう』
「――…しくしく。」
無駄に調べた兄さんの努力を…返して下さい……、悲しいです。
『でもさー、今時ラジオ体操なんて流行らないんじゃない? なんでこんな事……』
「馬鹿にしちゃいけない。 ラジオ体操って結構ハードな運動なんだぞ?」
『内容の問題じゃなくて、どうして今更そんな事、って意味ッ!!』
「いや、だから、ね?…――」
歩きながら裏拳とか回し蹴りとか避ける方の身にもなって欲しいものですよまったく。
『――…で、何を企んでるのかな?(ニコ…』
「……ぅぉぁ……っ……お、俺は無実だっ……」
まぁ避け切れてませんけども。 ……痛いよ痛いよ笑顔が恐いよ。
『何も無いのに一緒にラジオ体操? ……兄貴ってさー…』
「な、なんでしょうか」
『 イ タ イ よね☆』
「…………。」
はい、涙出ましたw
『バカな上にシスコンな兄貴だなんて…、アタシがもの凄っっく可哀想だと思わないっ!?』
たまにはすぐ目の前のもっと可哀想な人も思い出してあげてください。
『…なによ、その”俺のほうが可哀想”みたいな目は。 ……変態のくせにっ!』
「……かなみちゃんたら、ひどいっ!!―――」
591 :ツンデレとラジオ体操(2/4):2006/11/10(金) 17:57:24 ID:naIt/5nk
―――口は災いの元だなぁ…という事を実感しつつ、我が妹に遅れる事15分。
中学校のグラウンドに集まる人の元へ到着すると、もうすぐ始まりそうなふいんき(ry。
「タッタッタッ…)おぉおーい、かなみ~~~っ!!」
『げっ…、もう追いついてきちゃった……』
「ははは、こいつぅ☆ お兄ちゃんを道端のゴミ箱に詰めるなんてお茶目さんなんだからぁっ♪」
『///ちっ…近寄らないでよねっ! 兄妹だって思われたくないんだからっ!!』
「おかげでお兄ちゃん、ゴミ収拾業者さんに間違えて分別されちゃうとこだったゾ♪」
『あ…兄貴がバカな事言うから悪いんじゃないっ!!』
「だからってね? お兄ちゃん、危うく緑色の変なトラックの後ろから……――」
『な…なによっ!?』
「――……やっぱいいや。 もう忘れよう……」
あまりにも悲し過ぎる経験しちゃったから……テヘッw
『…なら早く準備してよねっ! 皆の注目の的になっちゃって恥ずかしいんだからっ!///』
「……はーい」
確かに何となく視線感じまくりんぐなので、言われた通りに準備する。
…いいんだよ、お兄ちゃん…かなみが良ければそれで。 ……えぐっ、えぐっ。
『みっともない顔しないでよね! …ほら、もう始まっちゃうわよ』
♪チャーンチャーンカチャッチャッチャッチャッ チャーンチャーンカチャッチャッチャッチャッ…
≪――…まずは腕を前から上げてぇ、伸び伸びと―――≫
…おお、聞き馴れたこのフレーズそしてメロディ。 やっぱラジオ体操はこの爽やかさでなky
≪♪チャンカチャンカチャンカチャンカ…)背伸びの運どぉオンドゥルルラギッタンディスカー!!≫
「っちょwwwwwwwwwwww」
≪♪チャンチャチャンチャチャーーン)…………ハイッ! いっち、にぃー、さんっ、しッッ…――≫
「”ハイッ!”じゃねーよwwwwwwwwwww」
592 :ツンデレとラジオ体操(3/4):2006/11/10(金) 17:58:02 ID:naIt/5nk
出足から思いきりフェイント頂いたにも関わらず、身体は覚えているのがラジオ体操。
我が妹を始め、周りの人達もピアノ伴奏に合わせて次々と動きを変えていくから…うん、凄い。
……ただ、なんて言ったら良いのかな、お兄ちゃんはさっきから……――
≪――次は腕を振りながら左右に体をねじる運動っ! いっち、にぃー、さんっ、しッッ――≫
『……、……ッ、……ッ、……っっ!』
妙な空気を感じているわけですよ。 しかもすぐ隣にいる可愛い妹から。
≪――左に大きくっ!!(びしっ)…にぃー、さんっ(びしっ)、しッッ――≫
『チラチラ、見ないで、よねっ!! 気持ち悪いっ!!!』
……ええ、そりゃもう正確に急所を狙ってくる体操だことでorz
「そんなに邪険に扱わなくてもいいじゃないかー」
『じゃあっ、邪魔者、扱いの方がっ、いいってのねっ?!』
「……うえっうえっ」
『真面目にしてよねっ?! アタシまで変な目で見られちゃうじゃないっ!///』
自分の行為は許されるのかと小1時間(ry
♪チャーンチャーラチャーンチャーーン チャーンチャーンチャーーン…
≪――最期にもう一度大きく深呼吸っ。 いっち、にぃー、さんっ、しッッ…―――≫
『……スゥー……ハァー……』
「……ゼハァ……ゼハァ……」
≪♪チャーンチャーラチャーンチャーーン チャーン、チャーーン、チャーーーン…)…ごー、ろくっ、しっち、ハッハァー!!…――≫
『……スーーー……ハーーー……ふう。』
「……ゲホッゴホッ……――」
…つまり、史上稀に見る恐ろしいラジオ体操を体験したぞな。
『――…情けないわね、このくらいの運動で息切れしてるなんてっ』
いえいえ、息切れのげいいん(ryはむしろ急所攻げk(ry
593 :ツンデレとラジオ体操(4/4):2006/11/10(金) 17:58:35 ID:naIt/5nk
[――…はい、ラジオ体操参加の記念品です]
『…商品券。』
「……ほう。」
なるほど、昔は鉛筆とかだったのに最近は商品券とかアリなんですねー。
『これなら来週も来てあげてもいいよ?』
「ぇあ……」
来週はお兄ちゃん、お腹が痛くなる予定なんだー。 ……って、声に出ないんだなこれがorz
『……嫌そうね? アタシが一緒に来てあげても良い、って言ってるのに』
「ら、ららっ……来週はーおっ…お兄ちゃん、おな、おなーおなっ……」
震える唇に鞭打ちながら頑張る俺。 お兄ちゃんは、恐怖に負けませんっ!
『……兄貴ぃ、それ以上ヘンな事口走ったら大声出すわよ……っ?!』
「おなかっ……がっ?」
『この人、来週は部屋に篭って[ザ・お姉ちゃんスペシャル! 真昼の情事2]とかいうビデオを見るらsh』
「ブフォッ!!!)そそそそそれはお兄ちゃん秘蔵のビデオコレクションラベル偽造シリーズ”ターミネーター16!”」
『……3作しか出て無いのにおかし過ぎるわよ、あんなラベル……』
「た…多感な少女がなんて物を見つけちゃうんだよっ!?!?」
『別にぃ。 ……ただ昨夜、兄貴の部屋から”ターミ姉タン…ハァハァ”とか言う声が聞こえてきただけd』
「おおおおおおおお兄ちゃんが悪かったッ!! 来週もその次もかなみが飽きるまで付き合うからさっ?!」
『……ホント?』
「おっ…お兄ちゃんに二言は無いッ!」
そうさ! 社会的立場の崩壊に比べればプライドなんてっ!! うおおーーん。
『…………えへへ、良かった♪ じゃあ、帰ってお昼ご飯の用意してあげるねっ…/////』
「はへっ……?」
『……ほら、早くしないと置いてっちゃうんだから! ぐずぐずしないでよねっ!!/////』
「…………かなみ…」
一瞬だけとびっきりの笑顔を見せたような気がしたんだけど……次の瞬間にはいつも通りで。
「ま、……待ってくれよ~~~っ」
いつもの通り、天真爛漫な我が妹の後姿を追いかけるのだった。
その後、集めた商品券でプレゼントを買ってくれる事などつゆしらずに……―――
ちなみに例のビデオは……ラジオ体操が上書きされてました。 ラジオ体操、もう嫌だぽorz
最終更新:2011年10月25日 17:41