641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/11/22(水) 18:40:46 ID:HF2CFUc.
親戚の叔父の従弟の弟の三回忌だってんでバイト休んで実家へ帰省。
そこでクソ生意気な従妹と再会。いや、こっちは全然会いたくなかったんだけど。
しかも、顔を合わせるなり放った第一声が「このついでに正月のものとか色々買いたいのでついてこい」
と、いきなり買い物の付き添い(しかも荷物持ち)
親のいる手前ヤツをはったおす訳にも行かず、渋々ついて行くことに。

で、それを見たのは丁度俺が本格的に脱走のルートを組み始めた時だった。
梓「えーっと、これなんかどうかな?…タカシ?コラ!タカシ!どこ見てんだよっ!」
タ「窓の外。ほら、見てみれ」
梓「え?…あ」

それは、この地域の初雪だった。

梓「うっわー、やっぱ冷たいね」
タ「そりゃそうだ。地球がどんだけ狂っても熱い雪は無い」
梓「…うるさいなぁ。タカシといると疲れるよ」
タ「元を辿れば俺を買い物に誘ったお前が悪い」
梓「はぁ…僕、お腹すいてきちゃった」
タ「お、そういえばもう正午か。なんか食うか?」
梓「あっ、じゃあそこのファミレスで─…」
タ「却下。屋台いくぞ」
梓「なんだよそれ!結局タカシが決めるのかよ!」
黙れ。雪の降る夜は屋台のラーメンと相場が決まっておろう。

642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/11/22(水) 18:42:09 ID:HF2CFUc.
大将「へいらっしゃい」
タ「ラーメン二つ」
大「おまちどう」

タ「俺の奢りだ。味わって食えよ」
梓「奢りって言ったって…二人で1000円もかかってないじゃん」
タ「細かい事言いな。早く食え。食えば僕ッ子は大人しくなる」
梓「味わって食うんじゃなかったのかよっ!もーっ!」

タ「…しかしなんだな。こうやって雪を眺めながらのメシもまた格別だな」
梓「…オヤジ臭いよ。でもほんとだね。ラーメンってのがアレだけどさ」
タ「馬鹿。ラーメンだからいいんだろが」
梓「…値段だけで選んだくせに」
タ「そんなことはない。屋台は屋外で食うから美味いのであってだな、室内で食うのとはまた違うんだよ。なあ?大将」
大「へいらっしゃい」

643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/11/22(水) 18:43:42 ID:HF2CFUc.
?「成程。見ないうちにまた随分偉そうな口を利くようになったじゃないか」
タ「なっ、み、尊先輩!どうしてこんな所にっ!」
尊「何、家の近所でな。…聞き慣れた声がすると思ったら…まさか…こんなところで会うとはな…っ」
梓「ちょっとタカシ!だ…誰だよこの人!」
タ「バイト先の先輩。尊さん」
尊「それよりも貴様……今日休んだのは確か親戚の法事とか言ってたよな?」
タ「あ、はい」
尊「ならば…何故こんな所で彼女と一緒にラーメン啜っているのだっ!」
タ「あっ、そ、それは…」
梓「彼女…(////)って違う!僕はそんなのじゃないっ!」
尊「返答によってはただじゃおかんぞ!とっとと答えんか!なぜ女と一緒にいる!貴様の好みは胸の大きい女ではなかったのかっ!」
タ「ちょ、ちょっと待って下さいって!変な質問が混じってますよ!」
酒臭い。さてはバイト仲間と飲んで来やがったな。
梓「なにさ!やっぱりタカシも胸が大きい方がいいのかよ!このおっぱい星人!」
タ「梓も落ち着け、何故お前が今それを聞くんだ!」
尊「さあ、とっとと答えんかっ!お前は年上と年下、どっちが好みだっ!」
梓「タカシっ!」
タ「……大将、熱燗一本」
大「へいらっしゃい」

…とりあえず俺は、雪見酒を楽しむ事にした。
最終更新:2011年10月25日 17:44