468 :1/2:2009/06/12(金) 17:09:54 ID:6ub2saBA
  • ツンデレが男をからかおうとしてタオル一枚で男のもとへ行ったら、……どうしてこうなった!

よーし!今日も元気に自家発電に勤しむぜ!と息巻いていたらノックの音。
『兄貴ー、入るぞー』
「ちっ…俺の妄想タイムが…クソッ…勝手に入れ!」
『へーい、兄貴ぃ、どうよこの格好?』
そう言って入ってきた我が妹はバスタオル一枚だった。……は?痴女?
「お、お前なんて格好してんだ!!なんか着てから来いこの露出狂!!」
『おお、なんか効いてるっぽい。なぁなぁ、どうよ?ムラムラくる?欲情する?』
しまくりんぐ。だが、俺にも兄の威厳というものが無きにしも非ず。それを表に出すわけにはいかん。
「ふん、お前の身体なんかに欲情するほど飢えてないんだよ!わかったらさっさとなんか着ろ!見苦しいわ!」
『ふーん…そういうこと言うんだ…じゃあ、これでどうだ?』
そう言って俺の後ろから抱き付いてきやがった。いや、これはこれは立派なものをお持ちで…
「な、なにしてんだ?そんなんで俺がどうかなるとでも思ってんのか?」
『んー?なるんじゃないか?兄貴は変態だからなー。こうしてっと襲われっかも…』
くっ…こいつの思い通りになるわけにはいかん!自制心を!鉄の自制心を持て!
「だ、誰が襲うか!いいから離れろこの痴女が!!」
『痴女ってひでぇな…オレだって…兄貴じゃなきゃこんなことしねぇよ…?兄貴だから、やるんだよ……?』
俺を抱き締める手に更に力が入る。だ、騙されん!騙されんぞ俺は!!
「わ、わかった!わかったから離れてくれ!頼むから!」
『嫌だ、兄貴抱き締めてると落ち着く。もっとこのままでいたい』
俺が落ち着かんわ!あぁぁあ!愚息はスタンバイしてるし!風呂上りなのかこいつはいい香りするし!
鉄の自制心がぁぁぁ!!くっ…やはり金剛石で作るべきだったか……っ!!
「も、もう駄目だ!か、勝美ぃいぃ!!」がばっ!
『はい、死ねぇ!変態兄貴!』ドゴォ!
襲い掛かろうとした俺に勝美の鉄拳が襲い掛かる。こんな結果だろうと思っていたさ…。
『ふん、妹相手に盛ってんじゃねぇよクズが!ほんと兄貴はどうしようもないな!』
「げふぅ…か、勝美てめぇ……後で覚えてろよ……」
『はっ、ちょっとからかってやっただけじゃねぇか。いや、それにしても兄貴からかうと面白いな。
 これは癖になるわ』

469 :2/2:2009/06/12(金) 17:10:14 ID:6ub2saBA
こいつめ…なら俺もからかってやろうじゃねえか…後で恨むんじゃねぇぞ?ククク…。
「ふぅ…勝美、お前俺をからかってそんなに楽しいか?」
『あ?あぁ、楽しいぜ。兄貴は最高のおもちゃだしな』
「勝美が俺のことをそんな風に思ってたなんてな……お前俺の気持ち考えた事あるのか?」
『は?気持ち?』
「ああ、俺は勝美が好きだった。けどな…勝美がこんな人の気持ちを考えない奴だったなんて……幻滅だ。
 もう二度と俺に話し掛けるな」
『は!?え、好き…って…あ、兄貴どうせオレをからかってんだろ?そうはいかねぇぜ』
「俺をお前と一緒にするな。…もう顔も見たくない。さっさと出て行け」
『あ、じょ、冗談はよせって兄貴!ほら、さっきのはほんの遊び心というか…な?
 そんな怒る事ないだろ!?大人気ないぞ!?』
「五月蝿い、耳元でぎゃーぎゃー喚くな。鬱陶しい」
『な、なんだよ!なんで今日に限ってそんな怒るんだよ!このくらいいつもの事じゃねぇか!!』
「……そのいつもの事で俺が傷ついている、とは考えなかったのか?お前は」
『そ、そんな…じゃあ、兄貴はオレの事…本気で…?』
あれ?なんか方向性おかしくね?何このシリアスふいんき…耐えられん……。
「ああ、本気で好きだった。それなのにお前はいつもそんな俺の心を踏み躙ってたんだよ」
『あ、兄貴…ごめん!ごめんなさい!オレ…オレ…兄貴がそう想ってたなんて知らなくて!!』
「知るかよ。今更、何言ってんだ。さっきだって大好きなお前が迫って来てくれて嬉しかった。
 だけど、お前と俺は兄妹で…自制してたのによ…お前はそんなこと気にせずに身体押し付けてくるし…」
『ご、ごめん……あの…オレ…兄貴を少しからかうだけのつもりで……本当にごめん…っ…!』
「なんだよ、今更謝るのかよ。もういいよ。俺お前の事嫌いになったから気、遣わなくてもさ」
『お、オレも!オレも兄貴のこと…好きだ!…もう遅いかも知れない、けど……
 あの、兄貴……許してくれとは言わない…だけど……これからもオレ……
 いや、わ、私のお兄ちゃんでいてください…!お願いします…!』
なにこれ?どうなってんの?なんでからかうだけのつもりがこんなことになってんの?
これ引っ込みつくの?俺どうなんの?ていうか、この可愛い生物本当に俺の妹?やべ、本当に惚れそう。
「あ、ああ…まぁ、そこまで言うなら……というか、勝美?お前俺が嫌いだったんじゃ……」
『き、嫌いじゃない…本当は…好き……大好きだったんだよっ!でも、兄妹だから駄目なんだって…思って…。
 それで、冗談だけでも兄貴とくっ付きたくて…あんなこと……ほんとにごめん』
「あ、うん、そう…マジかよ…今明かされる驚愕の事実…」
『あ、兄貴?許して…くれる…?』
「え?あっ、ああ…俺も勝美の事好きだからな?お兄ちゃん考え直したから…」
言いながら勝美の頭を撫でる。……やべー、嘘広げ過ぎて風呂敷畳めねー……これからどうすべ…。
『あっ、ありがとう兄貴!大好き!!』
そう言って抱きつき微笑む勝美を見てると、この嘘本当にしないとやべーよな…とか思った。

あ、そういえば勝美まだバスタオルじゃん。またもや色々当たってますぜうへへへへ…
最終更新:2011年10月25日 19:32