571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/06(水) 01:41:40 ID:cTPqACE2
4レスほど拝借。
1日前ですが
自炊)お嬢と七草粥

早朝、携帯電話の着メロが鳴り響く。
まだ寝てたのに……。寝ぼけ気味に通話ボタンを押す。相手はクラスメートの神野リナだった。
『独り暮らしで正月気分も味わえない貴方に七草粥を御馳走致しますわ!!』
流石は財閥の一人娘、なかなかのお嬢様っぷりだ。
「なんで俺?他の人は?」
『そっ、そんなことより!!今すぐ私の家に来なさい!!』
ガチャリ。電話が切られた。
「急に言われてもなぁ……」
まぁ、御馳走してくれると言うし、行って損は無いだろう。
俺は着替え、神野の屋敷に行くことにした。


~神野邸~
『お待ちしておりました』
メイドの冥さんが玄関で待っていた。
『上着をお持ちします』
「あ、どうもすいません」
冥さんに上着を渡す。
『…………』
……気のせい、だろうか。冥さんの顔が少し赤い。
上着も心なしか、こう、抱き締めるような……?
『失礼します。お嬢様、連れて参りました』
そう言い、冥さんは粥の準備に退室した。
『ご苦労様。さぁ、タカシ。テーブルに着きなさい』
「お前の家には何回か来てるが、未だに何処に座ればいいか分からん」
いくらなんでもテーブル長すぎるだろ。椅子もどんだけあんだよ。

572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/06(水) 01:43:20 ID:cTPqACE2
『はぁ……学習能力のない輩は、これだから……』
リナが俺を可哀想なモノを見るような目で俺を見る。
『ココですわ。早く座りなさい』
と、リナは隣の席を指し、命令。
「おう、了解」
応じて座る俺。
「そう言えば、リナ」
『なんですの?』
俺は先程の冥さんの様子を話した。
『……そ、それはどういう言ですの?風邪?』
「いや、そんなんじゃなくて、なんかポーッとしてて、想い耽ってると言うか……」
『……冥。今日やけに嬉しそうにしてると思ったら……。そういうことでしたのね……』
「嬉しそう?」
『い、いゃあ、何でもありませんですことよ?』
めちゃめちゃ怪しいっての。
「まぁ、何とも無いんなら、いいやな」
『そうですわね』
『お嬢様。七草粥をお持ちしました』
冥さん再び入室。
リナの前に七草粥を置いた。
『どうぞ。タカシ様』
「ありがとうございます。ではさっそく……」
『お待ち下さい!!』
食べようとした瞬間、冥さんが声を張る。
「な、どうしたんですか……?」
『……お、おいしくな~れ♪らぶらぶきゅん♪』
…………。
「え?」
『い、いえ。テレビでメイドがやっていたもので。これをやると美味しさが普段の倍になるとの事』

573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/06(水) 01:46:15 ID:cTPqACE2
淡々と冥さん。ただ、顔は先程の非でなく真っ赤だ。
『客人には、美味しいものを召し上がって頂きたいという、スタッフの一存です』
真っ赤な顔の冥さん、可愛いなぁ。
『タカシ……?何を惚けてらっしゃるのかしら?』
「……目が笑ってないぞ、リナ」
『大体、冥!!なんで私にはソレをやりませんの!?』
『さぁ、早く召し上がって下さい。最高級のペンペン草を使用しております』
『話をそらさないで!!』
「最高級のペンペン草!?マジかよ!?」
『タカシもつられない!!』
「御馳走さん!!」
『早いですわね!!』「どうした?食わないのか?」
「ん、いいのか?」
『よろしくてよ。はい、あ~ん……』
「待て。どういう事だ」
『テ、テレビで見ましたの。何やら、あ~んすると、美味しさが倍になるとか……』
「リナ、お前もか……」
『つべこべ言うのは禁止ですわ。はい、あ~ん……』
『あ~ん……』
「あ~ん……って何でスプーンが二つも」
『冥?その手を退けなさいな。命令ですわよ……?』
『客人をもてなしてこそメイドの本分。譲るわけには……!』

574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/01/06(水) 01:47:53 ID:cTPqACE2
「ええいお前ら!!あんま喧嘩してると俺がお前らにあ~んするぞ」
『え!?』
『……!!』
「なんてな、冗談……あれ?」
『『あ~ん♪』』
「結局こうなるのかー!!」

以上。
なんか最後おかしな感じになったが気にしない。
最終更新:2011年10月25日 19:41