アットウィキロゴ
 
576 :自炊:ツンデレと書初め そのいち:2010/01/10(日) 01:35:31 ID:cTPqACE2
4レスほど拝借。


新年。学校も始まり、正月ボケもやっと覚めたある休日のお話。
僕は、先輩であり彼女(のはず、多分)の尊先輩の家の前にいた。
週末に先輩からメールが来たのだ。『書初めやるから、来い』と。
決して拒否を許さない問い。今年も先輩は強引だ。断るつもりは無かったけど。
――書初め、か……。あまり得意じゃないんだよなぁ。
そんなことを考えながら、呼び鈴を鳴らす。
『……遅いぞ、バカ。遅刻魔。変態』
不機嫌そうな声。尊先輩だった。
ただ、最後のは確実に悪口だ。
『まぁ、入れ』
「はい」
先輩に促され、家の中に入り、先輩の部屋へ。
『さて、やるか!!』
「すいません、先輩。習字道具が家に有りませんでした……」
『いや、良いよ。私のを貸す!!』
さっきの不機嫌さは何処に行ったのか。
『でもな、タカシ……』
鋭い目線を僕に向ける。
「え、えと……先輩……?」
『【習字】じゃない。【書道】だ』
僕が芸人ならすかさずツッコんでいるかもしれない。
「は、はぁ……」
『うむ。分かれば良いんだ。さぁ、やるぞ!!』
どうやら、先輩は【書】に相当なこだわりを持っているようだった。

577 :自炊:ツンデレと書初め そのに:2010/01/10(日) 01:37:39 ID:cTPqACE2

道具をだし、いよいよ書初め開始。
『とりあえず、書道は墨をする事から。さぁ、やれ。タカシ』
「はい」
言われるがままに墨をする。硯に水を指し、墨を持ち、力強く硯に擦る。
あらかたすり終わり、さて書こうとしたその時。
『バカ者!!』
ペチリ。なかなか痛い。どうやら得物は定規のようだ。
『まだだ!!そんなので良い字が書けると思っているのかぁ!!』
「えぇ~……」
『こんなものじゃあ、薄すぎて話にならないぞ!!』
先輩は我慢の限界、といった感じで、僕の背後に立つ。
そして僕の右腕を持ち、
『良いか!!こ、こうするんだ!!(////』
僕の腕をホールド。先輩の腕の力で墨をする。
しかし、密着状態。背中には、柔らかな二つの双丘が僕の背中を幸せで満たす。
尚且つ先輩もその事実に気付いているようで、少し手が震えているのが分かった。
尊先輩、可愛いなぁ。
『……よし。これでいい……(/////』
先輩が僕から離れる。背中の感触が非常に名残惜しい。

『む。き、貴様!!何を顔を赤らめて……へ、変態っ!!』
「いえいえ。あんな感触、今年初めてです」
『なっ……(///』
先輩の顔は、これ以上ない位に紅潮していた。

578 :自炊:ツンデレと書初め そのさん:2010/01/10(日) 01:40:03 ID:cTPqACE2
「いやぁ、新年早々ツイてるなぁ。願わくば、これ以上の幸せあらんことを」
僕が本気で願い出したからか、先輩の瞳に悲哀の色が浮かぶ。
『タカシは……』
「なんですか?」
『タカシは……私より胸の大きい女が好みか?』
さらに続ける。
『なぁ、答えてくれ。タカシは、タカシは……』
「やだなぁ……先輩だって充分巨乳じゃないですか」
と、いうか、充分過ぎる。それだけの質量が、先輩の胸にはあった。
『い、いや、それは解っている。でも……不安なのだ。大体、タカシは変態だからな。胸が大きければ良いと考える生き物かも分からんからな』
「はぁ……」
ひどい言われようだった。
「まぁ、書初めやりましょう。先ずは僕が」
『お、おい!!人の話は……!!』
「はい、先輩」
半紙に書いた文字を、先輩に見せる。

書かれた文字は、【尊命】
下手なりに書いた、僕の精一杯だ。
「少し、気障ですかね?でも、これが僕の答えです」
『お、お前……』
「さて、交代」
涙目の先輩に、更に一言。
「半紙の上でくらい、素直になってくださいよ?」
『う、五月蝿い。タカシの癖に……生意気だ(///』
言いながら、半紙に筆を滑らせていく。
『……出来たぞ(///』

579 :自炊:ツンデレと書初め そのよん:2010/01/10(日) 01:42:22 ID:cTPqACE2
書かれた文字は……長文?
『お、お前への気持ちは、簡潔には表せん……と、とりあえず、読め!!!』
とりあえず、読む。
書かれていた内容は、およそこんな感じ。
『タカシ、いつも素直になれなくて御免ね』とか、『本当はタカシじゃなくてタカ君と呼びたい』とか。挙げ句の果てには、『胸はタカ君に、おっきくしてほしいな(はぁと×2』なんて事も……。
「……デレッデレな……」
『……わ、悪いか!!私にも、こんな想いがあるんだ!!付き合っていて何で気付かん!?』
「んな事言われても!!」
『五月蝿い!!この……鈍感!!』
ゴン。先輩の拳骨がクリーンヒット。
『罰として、き、貴様にはなぁ……』
「はい……」
『その文に書いてある事を、全部叶えて貰う!!』
「いいですよ?」
僕は再び文に視線を落とす。
『タ、タカ君……?』
「なんでしょう?先輩?」
『ホントにいいのか……?』
「大好きな先輩になら、どんな呼び方でも構わないですよ」
『……!!』
先輩の瞳が輝く。まるで、プレゼントを貰った子供のように。
そして、僕はこう思うのだ。
――あぁ、やっぱり先輩は可愛いなぁ、と。

先輩の胸を大きくするのは、また別のお話。

以上。ツンが少ない気がするなぁ
最終更新:2011年10月25日 19:42