631 :自炊:ツンデレと節分(夫婦版) そのいち:2010/02/04(木) 21:28:35 ID:cTPqACE2
少しレスかります。
1日遅れですが、節分ネタ。



仕事から帰宅したらいきなり豆を投げられた。
「……尊さん?」
俺は、豆を投擲した犯人――我が妻、尊を睨む。
『今日は節分だ。タカシ。お前は普段から邪念の塊だからな。きっちり穢れを……ってどうした恐い顔して』
「いや……何でもないっす……」
いつものような罵声。どちらかと言うと、尊さんのが鬼じゃないだろうか。
『……鬼は外』
考えてる事に気付かれたのか、豆を投げられる。
「……風呂」
『……え?』
「風呂、入ります。んですぐ寝ますから」
乱暴に言い、浴室に向かった。


「……あぁ~……」
言い過ぎた……。
確かに、仕事帰りで疲れていた。それを尊さんに当たるなんて……
「……最低だな、俺」
『……タ、タカシ?』
浴室のドアに外の人影が見える。尊さんだ。
「……何ですかー?」
『あ……あの、いっ、いっ…しょに、入らないか?』
「……は?」
『いっ、いや……たまには、一緒に入ってもいいかな……とかな!!ほ、ほら!!今日節分だし……』
節分は関係無いかと。
もしかして、尊さん……責任感じてる?

632 :自炊:ツンデレと節分(夫婦版) そのに:2010/02/04(木) 21:30:54 ID:cTPqACE2
尊さんは普段絶対に一緒に風呂に入りたがらない。そんな尊さんが……何かおかしい。
「尊さん。無理しなくて良いですよー」
尊さんに気を使わせたくなかった。
『……そ、そうか……すまんな……』
……あれ?
予想外の反応だった。
おかしい。俺、何か勘違いしてる?
浴槽から上がり、風呂を出て、着替え。急いでリビングに向かう。
「……尊さん?」
『……ぐすっ……』
尊さんは食卓の椅子に座り、伏せて泣いていた。
「……すみません、尊さん。ちょっと仕事で疲れてて、つい……」
『うぅ……馬鹿者ぉ……』
顔を上げる尊さん。目と鼻が少し赤かった。
『折角、節分を利用して……タカシと……普段、素直になれないからぁ……っ』
尊さんが椅子から立ち上がり、俺に抱きつく。
「み……尊さん?」
『本当は……こうしていたいし、一緒にお風呂も入りたい』
抱き締める両腕は更に強く、
『たかしぃっ……すきぃ……』
「尊さん……すみませんでした」
心からの謝罪。おまけに頭を撫でる。
『馬鹿者……』
「じゃあ、飯にしますか?」

633 :自炊:ツンデレと節分(夫婦版) そのさん:2010/02/04(木) 21:33:54 ID:cTPqACE2
『今日は恵方巻だ』
「……食べたいな~」
『ダメだ。お前はさっき、風呂に入ったら寝ると言ったもんな?』
うぅ、返す言葉も無い。
『それに、私は今、充分幸せだぞ?』
「……俺もです」
『恵方なんか向かなくていいだろう?』尊さんは顔を更に紅くし、
『……もっと、私を見ろ』
「そうですね。俺にとっては、福は尊さんですから」
『……タカシ』
「鬼も尊さんですけど」
『なっ!?きっ、貴様ぁ……』
鬼が出る前に、口を塞いでやる。勿論、唇で。
『ん……ふぅ、む……ば、馬鹿者ぉ……』
結局、鬼も福もいてくれた方が、俺は幸せなのだった。


終了。あんま節分関係無いっすね。ゴメンナサイ。
最終更新:2011年10月25日 19:44