647 :ツンデレと節分(兄妹版) そのいち:2010/02/05(金) 22:57:08 ID:cTPqACE2
ちょっとレス借ります
節分の夜。
俺、別府タカシは妹のちなみと豆まきに興じていた。
『鬼は外……なの』俺の顔には鬼の面がつけられている。
「ふはは、がおー」
豆をぶつけられたので、後ろに退く。
『鬼は外……鬼は外……』
立て続けに豆をぶつけられ、玄関まで追い詰められ、
「ぐあぁ、助けてー」
ドアを開け、家をでた。その時、
ガチャリ。
……錠の落ちる音。
あれ?閉め出された。
インターホンを押す。
「ちなー?開けてくれ?」
『鬼は外……おにぃは外、なの……』
いつもながら辛辣な妹だ。
ポケットから家の鍵を取り出し、開ける。
「ふっふっふ、ちな?甘かったな」
『……うるさい』
酷え。
嘆いても仕方がないので、夕食の準備。
今日は恵方巻だ。
「ちな?恵方巻の食べ方、知ってるか?」
ちなみは不機嫌そうに、
『知ってる……にぃといっしょにするな……です』
「……可愛くない奴」
『……訂正を要求するです……』
右手の恵方巻を頬に押し付けてくる。
「こらこら、酢飯が頬っぺたに付くだろ」
『……もぐもぐ』
聞いてなかった。
ちなみは恵方を向き黙々と恵方巻を食べている。
648 :自炊:ツンデレと節分(兄妹版) そのに:2010/02/05(金) 22:59:38 ID:cTPqACE2
「はぁ……」
……相手にされてないなぁ、俺。
『……もぐもぐ』
黙々と寿司を食べるちなみが可愛かったので、頭を撫でてみる。
『……はぅぅ……っ!!!』
目を細め、小さく唸るちなみ。
しかし、何故か叩かれる俺。
『ばかばか……にぃ……ばかばか』
ぽかぽか殴られる。
「ちな?俺……何した?」
『……とちゅう、切っちゃった……にぃのせい』
あぁ、そうだ。
恵方巻は、恵方を向いて何も言わず、黙々と一気に食べなければいけない。
「あぁ、俺が撫でたから恵方巻噛みきっちゃったのか……」
『福、来ない……にぃの、せい』
「……すみませんでした……」
『それくらいじゃ……足りないの……もっと、態度で……示すです』
「……どうやって?」
『…………』
ちなみは無言で、胡座をかいている俺の上に座る。
『……さいちゃれんじ』
恵方巻を掴み、恵方を向く。
偶然なのか、恵方を向くちなみと、俺が対面するような形となった。
『……なでる、です……』
「お、おぅ……」
頭を撫でる。
『……しあわせ……もぐもぐ』
ちなみが恵方巻を食べる間、俺はずっと頭を撫でることになった。
終了。
ダウナーっていいよね。
最終更新:2011年10月25日 19:45