706 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/15(月) 23:25:35 ID:???
もう一個バレンタインネタ投下ー。
自炊:バレンタイン後日、学校にて
バレンタイン翌日。
休日がバレンタインデーだったせいか、教室はまだバレンタイン一色。
朝から、放課後まで、チョコチョコチョコ。
そんな中の、不敵な二人。
『ふっふっふっ……山田?今日はスキャンダルがいっぱいありそうね?』
ハンディカムを回しながら、友子ちゃん。
れっきとした写真部の活動。
いつもの活動。
「うん。僕も楽しみだよ……」
『そうね。フフフ……』
いつものやり取り。
いつも通り怪しい友子ちゃん。
「さぁ、誰から行こうか?」
『そうね……最近噂の荒巻君と奈都コンビ、行ってみよう!!』
友子ちゃんの掛け声に続く。
こうして始まる、二人の一日。
707 :そのに:2010/02/15(月) 23:28:29 ID:cTPqACE2
気になる二人をつけ回し、時には煽り、事実を写真に映像に。
これが、写真部(まぁ、友子ちゃんの趣味なんだけれど)の活動。
今日の成果は大金星。
やはりバレンタイン。幾つもの本命を、フレームに収めたことか。
『いや~っほぅっ!!』
室内に友子ちゃんの声が響く。
ここは写真部部室。
僕と友子ちゃんは、今日のスクープを早速現像していた。
「ホントに友子ちゃんは凄いよ……目つけてた奴全員当たりだもんなぁ……」
『そうでしょそうでしょ!!もっと褒めろー』
「いや、ホント。……ん?」
友子ちゃんが頭をこちらに差し出す。
『友子さんは疲れた。癒しを要求する』
「了解」
頭を撫でる。
と、友子ちゃんが目を細める。気持ち良い、と言ってるかのようだ。
『……でも、恋のキューピッドってのは楽じゃ無いのよね。山田?次、肩お願い』
言われるがまま肩を揉む。
そう。友子ちゃんはただカップルを追いかけるだけじゃない。
恋のキューピッドもやっているのだ。
それが僕には、少し寂しい。
708 :そのさん(>>706は僕です):2010/02/15(月) 23:30:54 ID:cTPqACE2
友子ちゃんは人の恋愛で頭がいっぱいだ。
ちょっとは自分の事も、考えたら良いのに。
……例えば、僕、とか。
僕は友子ちゃんが好きだ。でも、言えない。
今まで一緒にやって来たパートナー。
そんな関係を、僕は、壊したくなかった。
「ハァ……」
思わず溜め息が漏れる。
『どしたの山田?お疲れモード?』
「いや、大丈夫」
『いやいや、アンタ、疲れてるって。ちょっと、待って……』
友子ちゃんは自分のカバンをごそごそ。
『はい。チョコレート。働いてくれた分の、お駄賃よ♪』
それは、綺麗に包装された、チョコレートだった。
「お駄賃って言うわりに、ハートなんだね」
『ばっ……馬鹿っ!!今開ける?フツー!!』
「御免。好きな人から、本命チョコ貰うの、初めてで……」
友子ちゃんの目付きが変わる。
『……今、なんて?』
あ。言ってしまった。
『……山田のバカ。私がこれ渡すの、どれだけ勇気出したと思ってんの?』
「ご、御免……」
『フフ……。でも、良かったぁ……』
友子ちゃんの顔が綻ぶ。
僕は、友子ちゃんを抱き締めた。
「ホント、良かった……」
『「両想いだね」』
二人の声が重なる。
同時に、唇、も。
今日も、二人の息はピッタリだ。
709 :そのよん:2010/02/15(月) 23:32:42 ID:cTPqACE2
一方、その影で不敵な人影が二つ。
『フフフ……やっぱりね!!流石アタシ!!』
「声がでけえぞかなみ。バレちまう」
『ん、そうね……。さぁ、タカシ?じゃんじゃん回しなさい!!!』
「……つか、かなみ。これ、ちゃんと動いてるよな?」
『タカシ?馬鹿にしないでよ。お父さんから借りてきて、カセットだけど、キチンと動くんだから!!』
「……かなみ?カセット、入ってないぞ?」
『あぁっ!?しまったぁ~』
―――――
『やっぱりカメラはハード内臓型に限るわね~』
「友子ちゃん……?何そのカセット?」
撮られるもんですか。私達は、二人で一人。
撮るの専門なんだから。
最終更新:2011年10月25日 19:51