757 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:27:19 ID:???
《朝》
「…ほら、さっさと起きなさいってば」
「ん…あと十五分待ってくれ……」
「バカ、遅刻する気?もうとっくに7時回ってるわよ」
「………ちっ。毎朝ご苦労な事だな本当に」
「起こしにこさせといてその言い草?本当にダメ男なんだから」
「別に起こしに来いとは言ってないだろ。俺は多少遅刻してもゆっくり寝ていたいんだが」
「私は遅刻したくないの。それにアンタの寝顔見るのだってもう習慣になっちゃってるんだから」
「…ん?」
「ほら、さっさと用意しなさいよ」

《昼》
「昼飯だーっと。さあて弁当弁当~…」
「昼休みになった途端やる気出すわよねアンタ。もう少し勉強に熱向けたら?」
「余計なお世話だ。……おいかなみ、弁当箱開けたらしいたけ入ってたぞどういうことだ」
「美味しそうでしょ?」
「…お前、俺がしいたけ嫌いなの知ってるだろ?」
「だから入れてあげたの。好き嫌いが治るように」
「オカンかお前は。…ほら、しいたけなんて魔の食べ物だ。そっちにくれてやる」
「あっ…全く、いつまで経っても子供ね、ホント」
「何度も言うが余計なお世話だ。旅行中の両親に代わって弁当作ってくれるのはありがたいが、もう少し幼馴染なりの考慮ってものを入れてくれ」
「却下」
「何故だ!」
「それはアンタの嫌がる顔を見るのが楽しみだから。ま、困った顔が可愛くて好きとも言えるんだけどね」
「…ん?」
「はい、しいたけは返すわ。好き嫌いはよくないから私のも食べなさい」

758 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/06(土) 21:28:07 ID:???
《夕方》
「……遅い」
「悪い、そこで山田と話し込んじまってな」
「ま、いいけど。それじゃ帰りましょ」
「ん。…ずああっ!」
「どうしたの?」
「アイツに借りたCD返しとくの忘れてた!ちょっと戻るから先帰っててくれ!」
「いいわよ別に。ここで待ってるから早く来なさいよ」

「間に合った?」
「なんとかな。…しかし、待ってなくてもよかったのに」
「…別に。私の勝手でしょ?」
「まあ、そう言われればそうだが」
「せっかく二人で帰ろうと思ってたのに、あそこで帰っちゃうなんてもったいないし」
「…ん?」
「ほら、ボケっとしてないで早く帰るわよ」

《夜》
「ほい、見たがってたDVD借りてきたぞ」
「ん、ありがと」
「しかし…かなみがホラー物とはな…」
「何?恐いの?」
「俺は大丈夫だが…昔は恐いの苦手だったろ、お前。お化け屋敷なんか門の前で石のように動かなかったからな」
「昔は昔、今は今。私の事をなんだって知ってると思わないことね」
「うーむ…なんだって知ってると思ったんだが…」
「それじゃ、私の3サイズは?」
「ちょろいちょろい。答えは「最近ウエストが気になって計ってない」だろ?」
「っ……」

「…殴るこたあないだろ、殴る事は」
「殴るだけで済んでありがたいと思ったら?」
「あ、その反応さては図星…あ痛っ!二度もぶったな!」
「殴られるようなことするからよ」
「はあー…どーして女性ってやつは体型の話になると暴力的になるのかねえ」
「そういう風にできてるのよ。特に大好きな人の前ではね」
「…ん?」
「はい、早く映画見ましょ」


「…ねえ友ちゃん。どうしてあの二人はいまだ幼馴染の立ち位置に甘んじているの?」
「そんな事こっちが聞きたいわ。今度拡声器と補聴器でもプレゼントしてあげましょ」
最終更新:2011年10月25日 19:53