984 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/17(土) 21:06:22 ID:0WozdWgU
予備自衛官の試験を受けてたら思いついた。
駄文だけど投下
「まずは持久走から始めよう!」
理解はできたが、違う意味で理解できない寝言同然、意味不明な発言をした上下迷彩服少女。
お前はどこの陸上自衛官だ。そう言いたくなるが、残念なことに陸上自衛官ではない。
幼なじみの一条 唯。
残念なことに高校三年時に陸上自衛隊の一次試験に落ち、残念な頭脳と残念な胸を持つ性格まで残念なお隣さん。
「キャンプ場で持久走?なにそれ拷問?」
「拷問は情報を引き出す手段だ。タカシから聞き出したい情報はない」
「間違ってないけど違う!何かが違う!」
「何が違う?私は間違ってないからタカシが間違ってる。そうに決まっている」
「いや、だから、キャンプ場で持久走をするのは酷いって意味で拷問を例えに使ったわけで……」
説明しなくちゃならなかった。説明しても理解してくれなかった。説明したのに間違ってると馬鹿にされた。マジックテープの財布も馬鹿にされた。死にたい。
そんなことを考えつつ、落ち込みつつ、持久走しつつ、川で釣りをしていた親父の背中に跳び蹴りをしたら唯が八九式自動小銃(モデルガン)で背中を撃ちやがった。
「何をした!?」
「こっちのセリフだ!」
「威嚇射撃」
当たってます。直撃です。被弾しました。メーデーメーデーです。
「父親が子供のために魚を釣っているのだぞ!?食料調達を妨害するな!」
「あれは親父の趣味。食べ物はクーラーボックスの中。
親父はテント張れよ!テント張ってから釣りしろ!」
「テントなんて必要ない」
残念な胸を張る唯。
テントは必要だと言うより先に残念な発言をしてくれた。
「穴を掘れ。その上から偽装ネットを被せればいい。意外と寒さをしのげるものだぞ」
さすがミリオタ。実証済みかよ。
985 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/04/17(土) 21:07:37 ID:0WozdWgU
「あのー、唯さん」
「なんだ?」
「穴掘って二人で寝るわけ?」
「私一人だけに決まっているだろ!」
その後、怒り心頭、耳まで真っ赤にして八九式自動小銃(モデルガン)を乱射する唯をなんとか説得してグリーンベレーの真似事キャンプは回避できた。説得、とは言っても迷彩柄の帽子と自衛隊関係の本を一緒に買いに行くという金と労力と休みを無駄に消費することで丸く収まった。
それで丸く収まったはずだった。
「何してんの?」
「見ればわかるだろ。ギリースーツ造りだ」
楽しそうに草を服にベタベタと貼り付け、どこかのマクミラン&プライスのような格好の唯。
「何したいの?狙撃?」
「意外と暖かいぞ。タカシも着るか?」
「着ないけど、顔を黒く塗る必要はないだろ」
「肌色は目立つ」
「専門的なことはわからないけど、化粧落としてまですることか?もったいない」
不満そうな表情でこっちを睨む唯。
凄く恐いです。今にも撃たれそうで恐い。何、怒られること言った?
「……虫が来そうだから着替えてくる」
そう言って着替えてきても結局は上下迷彩服。
すっぴんの唯が一番唯らしい。褒めたつもりだったのに何故か持久走を強要されてしまった。
二泊三日のキャンプ一日目にミリタリー一色のキャンプになることを疲れた体で迷彩柄のテントを張りながら覚悟した。
今回のオチ
グリーンベレーの真似事サバイバルキャンプから解放された三日後、唯と約束してしまった買い物のために駅で待ち合わせをしていた。
待ち合わせ場所に現れた唯は上下迷彩服。年相応のファッションとは言えない格好だった。
唯が言うには
「勝負服だ」
それは戦闘服です。
最終更新:2011年10月25日 20:03