237 :1/3:2010/06/23(水) 22:33:11 ID:???
前スレくらいのお題から
僕タカシ、成金の親父から生まれた16才児だよ。
さて自己紹介もほどほどに
その成k(以下親父)から「貴族の娘さんとお見合いするから」
とざっくりと言われて今まさに料亭まで来ている。
ちなみに顔とかは見てません。顔見てみたいんだけど
と言ったときに「写真忘れちゃった。てへっ☆」とかいった父の
顔は多分一生忘れない。
料亭の廊下を少し歩き障子を開けようとしたら
父が「ご対めーん」というので蹴りかかろうとしたらよけられた。 くやしい
改めて障子をスーッとあけるとそこにはかわいらしい女性…
「小学生のかたで?」
「・・・・・・・・・」
がいると思ったらちっこい女の子がいました。
対するめっさちっこい小学生(仮)はいかにも興味無さそうに顔を少し上げ、俺のほうを見つめる。
そしてその隣の母親は苦笑い
というかいかにも残念なものを見る目つきはやめてくれませんか
その後、親たちが話をし始めた
その時の会話(説明?)からわかったのだがどうやらこの目の前の小学生(仮)は
椎水ちなみといって俺と同い年らしい。人体の神秘だと思う。
「じゃぁあとは若い方々でゆっくりと・・・」
とよくきく文句を言い親たち去って行った
―――ときにおやじが無言で親指を突き立てていった。なんかむかついた。
一瞬の静寂。
目の前のちなみは着物姿で、その綺麗なというよりは可愛らしい顔と相まってじつに
絵になっていた。
俺が茶をすすりながらちなみを眺めていると居心地が悪くなったのかちなみが口を開いた。
238 :2/3:2010/06/23(水) 22:35:40 ID:???
「私はあなたとお付き合いする気はありません」
ときっぱりと言ってきた。
「・・・・・・」
俺が無言で返すとさらにたたみかけて話し始める
「・・・あなたも知っているかもしれませんが・・・うちははっきりいって・・・没落貴族と言って
過言無い・・・状態なんです。対してあなたのところは・・・言い方は悪くなりますが成り金
貴族の箔がほしいんでしょう。・・・だからこの席を設けられた」
でも、とちなみは続けて言う
「・・・あんな家さっさと潰れてしまえばいい・・・はっきりいって、いつまで貴族の権威にすがって
最後のほうの言葉は俺に向けて、というより自分に向けて言った言葉に聞こえた
「・・・でも私が言うよりも貴方が言ったほうが・・・手っ取り早いので、貴方がこのお見合いは・・・
なかったことにと・・・」
「そうか」
「・・・わかっていただけて!」
机のほうに少し身を乗り出し、期待した声で問いかけるちなみ
「悪いけど、それ無理だわ」
ちなみの顔が歓喜→驚愕→憤怒の色へと変わる
「・・・そうですか、結局貴族の箔がほしいんですね・・・少しは話が通じると思ったら・・・
貴方には失望しました・・・っ!こちらからなかったことにしますっ!」
ドンっと机を手でたたいてちなみは立ち上がった。
そしてそのまま出て行こうとするちなみの着物の帯をひっつかむ。」
「・・・まだなにか」
「いや、まだ俺の話してないし」
ちなみはいかにも不機嫌です、と言わんばかりの顔でこっちを見つめてきた。
さっさと話をしろよ、ということらしい
「いや、その、さ、好きになっちゃたんだよね」
ちなみはキョトンとした顔で
「誰を?」
「椎水を」
「誰が?」
「俺が」
俺の言葉を聞いた瞬間ちなみの顔が一瞬で朱に染まった。
「な、ななななにをいってるんですか!」
「噛んでる噛んでる」
「うるさいです!・・・わかりました、そう言って私をだまそうとしてるんですね?
あんな取り乱してたのにもう冷静になってるし、とにかくここはちゃんと説明しなくては
「ちゃうちゃう、ほんとうだよ、雰囲気というか、自分の考えをはっきりと言えるとことか・・・
それに可愛いし」
ちなみはまた少し赤くなった。
「・・・そう、ですか・・・とりあえず、手、放してくれませんか・・・?」
「おお悪い悪い」
そういやずっと掴みっ放しだった。どんだけ必死なんだよ、俺
そのまま立ちつくし、ちなみは口を開く。
239 :3/3:2010/06/23(水) 22:37:52 ID:???
「・・・なんだか、嘘くさい気もしますが、とりあえず、・・・お気持ちは、わかりました」
「おお、ということは」
「・・・でも、貴方とは・・・お付き合いする気、ないので」
俺から目をそらし、呟くように言った。
「えー、なんで?」
「・・・貴方がいくら私のことを好きでも・・・私は違いますし・・・」
地味に傷付くんだけど
「・・・それに、私が好きな人がいるっていう可能性は考えないんですか・・・?」
「え?いるの?」
「秘密です・・・」
居たらショックなんだけど
「とりあえず・・・そういうことですから・・・」
それだけ言い残し、ちなみはでて言った。
つーか、勝手に帰ってしまっていいのだろうか
「ふむ・・・」
好きな人がいる可能性があるってことは、居ない可能性もある、と。
じゃぁちょっと荒業使ってもいいよね。
「はぁ・・・」
私はあのまま出て行ったあと、帰路についた。
一応母さんには連絡した。「あら、そうなの」というそっけない返事しか返ってこなかったが。
いつもはちょっと小言があるのに・・・他愛もない話は少ししたけど。
今頃そこらへんで買い物でもしてるんだろう。
「それにしても・・・」
今までもお見合いはしてきた、ああいう成金のようなのももちろんいた。でも、あんなふうに
利権も関係なく好きだと言ってくれた人は初めてだった。真意は分からないけど。
うう・・・なにを少し嬉しがっているのだろうわたしは。
好きな人がいるとかいうのも嘘、あそこをいち早く出るための口実。
でも、あの人決行かっこよかった気も・・・いやいや私のことを小学生とかいったし、
そりゃ、背も小さいし、胸もないけど・・・。
本当に初めて会った、あんな人、飾らないで本心しか言ってないように少なくても私には見えた。
たしか・・・別府タカシ・・・って名前だっけ。
どうでもいいんだあんな人、もう会わないんだから。
私はなんだかもやもやした気持ちを抱えながらとてとてと歩いて行った。
続く予定 規制まじうぜぇ
最終更新:2011年10月25日 21:04