247 :1/3:2010/06/28(月) 00:48:33 ID:???
DIONなんか嫌いだ
ってことで前の続きを3レスほど
「・・・で」
「うん」
「・・・何で貴方何かと・・・一緒に住まなくちゃいけないんんですか」
「いわゆる同棲だね」
「言わないでください自覚したくないのに」
ちなみはため息をついた。
なにしろちと荒業を使いちなみを実家から出ざるを得なくしたのだ。いろいろ黒
い手を使ったのは秘密。
ちなみはため息をついたまま頭を上げる気がないようなので俺が口を開く
「とりあえず夕食をとりたいんだ。さっきから胃が悲鳴をあげているよ」
俺が言い終わると腹がグゥと鳴った。
「・・・それが悲鳴ですか?」
「感性の違いだよ」
とりあえず俺はキッチンへ、ちなみは洋服などの荷物を置く為に部屋に行った。
「・・・はぁ」
わたしは溜息をついた。
とりあえず荷物の整理は終わった。結構かかっちゃったけど。
それにしてもなんてことだろうか、いきなり同棲だなんて。
あの人とはもう会わないと思っていた。別にあの人のことは嫌いじゃないけど、
まさかこんな強引な手段にでてくるとは思ってもみなかった。
それよりももっと驚いたのは、この状況を受け入れてしまっている自分自身だ。
いきなり一人暮らししろっていわれて、住所を渡されて、その一軒家に来たらあ
の人がいて・・・
あの人に会ったときなんだか少し心が動いてしまって。
もしかしたら私はあの人のことが・・・
ちっ違う!あんな人のことは・・・嫌い!嫌いったら嫌い!そうだ嫌いなんだ。
とにかくあの人にこっちに気がないことを分からせてさっさと実家に帰してもら
おう。うんそれがいい。
私はそんなことを心に決め部屋をでて階段を下りて行った。
248 :2/3:2010/06/28(月) 00:49:29 ID:???
「ふむ・・・」
オレはシステムキッチンに肩肘を突き思案していた。
少々強引過ぎただろうか、いくらなんでもいきなり同棲は気が早すぎた気がする。
しかし、そうでもしないと間違いなく逃げ出すだろうし、退路を断つほかなかった
そりゃあ、ちなみが強く拒絶すればなかったことにする気だった。
でも俺が見る限りまんざらでもなさそうなんだが、俺が都合のいいように
解釈してるだけだろううか。
とにかく今はこのままでいいだろう、ゆっくりと打ち解けていけばいい。
自分なりに努力してみよう。
それはいい、が、今の課題は・・・夕食である
最初は自分で作ろうと思ったのだが、ちなみの手料理をぜひ食べてみたい
と思ったのだ。
第一俺あんまし料理うまくないし。
「まだ料理できてないんですか?」
急にかけられた声に驚き、その声の方向を見てみると、オレの隣にちなみが立っ
ていた。
「俺が料理作るなんて一言も言ってないけど」
「・・・迷わずキッチンに向かって行ったので、・・・作ってくれるものだと・・・思うじゃないで
すか」
「いや、だってちなみの手料理食べたかったんだもん」
少し呆れた口調でちなみが続く。「・・・気安く名前で呼ばないでください」
「一緒に住んでるんだし敬語はやめよーぜ俺のこともタカシでいいよ。あ、それ
とも俺のことを旦那だと思って貴方って呼んでくれてるのかな」
オレはニヤニヤしながら問い掛けるとちなみは怒ったのか顔を真っ赤にして
「ち、違います!誰があな・・・別府君を夫だと思うなんてっ!」
とりあえず貴方から別府くんにグレードアップしたのでよしとしよう。
「まぁ、いいけどさ、とりあえず敬語は本当にやめてくれよ、他人行儀みたいだ
し」
オレが諭すようにいうと不機嫌ながらも納得してくれたのかコクンと頷いた。
「・・・わかった・・・別府君の言うとおりにするのは何だか癪だけど・・
「おお普通の口調新鮮だな」
「別府君がやれっていったんじゃない・・・ばか・・・」
そういって上目づかいで俺の胸をぺしぺしと叩きはじめた。俺を萌え殺すきですね。
「で・・・」
コクン
「時間がないからといってちなみの進めで野菜炒めを作ったわけだが」
コクン
「俺も途中まで手伝ったよな?」
コクン
「そしてちなみが邪魔だからあっちいっててていってオレはまっていたわけだ。俺
のちなみの真似似てる?」
「・・・前半は首を縦に降るけど最後のは・・・横」
「それはどうでもいいんだ、なぜ俺の目の前に野菜炒めの形をした異臭を放つ物体
があるんだ」
そう、俺はいくらなんでも全部ちなみに任せてしまうのは心苦しかったので、少し手伝ったのだ。
前述の通り途中でキッチンから追い出されてしまったが。
そして待つこと数分、俺の目の前に現れたのは異臭を放つ物体だった。
249 :3/3:2010/06/28(月) 00:50:43 ID:???
もう、調味料間違えたとかそんな次元じゃないにおいである。
「・・・ささ、食べて」
「いやいやここは、頑張ってもらったちなみから食べるべきでは?」
「・・・いやいや、あんなに私の手料理食べたがってた・・・別府君から食べるべき」
これでは埒が明かない。ここは覚悟してこれを食すしかないというのか・・・
そ、そうだよね!ちなみが頑張って作ってくれたものだしね!俺への
初手料理だしね!愛がこもってるよね愛が!(必死に美化中)
「・・・男を見せろ」
それ暗にこれがまずいって言ってるようものだよね。
「こうなったらやけくそだっ!」
ガツガツがちゃがちゃとどんどんと口に野菜炒め(仮)を突っ込んでいく俺。
その味は・・・筆舌に尽くしがたいものがある、舌がっ味覚がっ破壊されていくっ!
「・・・おお、ほんとに食べた」
どういう意味だそれは。
「・・・おいしくないなら、食べなくてもいいんだよ・・・?」
俺は何とか野菜炒め(仮)を胃に流し込んだ。
「いや、たとえどんなものでも、ちなみの作ってくれたものだし」
「・・・でも、おいしくないんでしょ?」
「俺が食べたいんだっていてるんだから、ちなみは気にしなくていーの」
そういうと、俺はまた野菜炒め(仮)を掻き込み始めた。うう・・・やっぱまずい。
そう思いながら食べている俺の前で、ちなみが申し訳なさそうに微笑んでいたのは俺の気のせいだったのだろうか。
「ふぅ・・・」
わたしはごそごそと音を立てながら床に就いた。
見知らぬ天井、いつもと違うベット、でも枕だけは家から持ってきた。これじゃないと眠れない。子供っぽいっていうな・・・。
それにしても今日はいろいろあった、料理なんて作ったの、正直初めてだった。別府君には見栄を張ってしまった。
本音を言うと、野菜炒めを進言したのは、それくらいなら作れると思ったからだ。
結局あんな出来になったけど。
決してわざとではない。でも、あれで別府君が私に失望してくれるなら…ってちょっと思ってしまった。
でも、彼は全部食べてくれた。・・・とても食べれたものじゃないはずなのに。
正直…うれしかった、あんな人となら・・・おっと何を考え始めてるのだ私。
変なことを考える前にさっさと寝てしまおう・・・。またまたごそごそと寝返りを打ち、目をつむった。
- この時の私は、口元が少し吊り上っていることに、全く気付きていなかった。
誤字脱字は見逃してほしい。まだまだ続くよ!
最終更新:2011年10月25日 21:04