252 :同棲生活2日目1/3:2010/07/06(火) 00:18:04 ID:???
「ん・・・あ・・・」
俺は眠りから覚め、目を開けた。
「ん・・・ねむ・・・何か天井違くね・・・?」
何か口調がちなみっぽくなってるが、べつに感化されたわけではない。寝起きだ
からだ。
そんなぼーっとした意識の中、俺は昨日のことを思い出しはじめた。
そういえば・・・ちなみと一緒に住むことになったんだけっか・・・通りで
しかし、体を起き上がらせようとすると何だか胸のあたりが重い。つーか毛布の
中から髪の毛みたいのがみえてね?
不思議になった俺はそっと布団をめくってみた。
するとそこには気持ち良さそうに眠るちなみの顔があった。しか
も、なんかオレに抱き着いてるんですけど。
第一なんでちなみがここにいるの?どういうことなの?
ちなみはオレが錯乱している間も、気持ち良さそうに頬を俺の胸板にこすりつけ
ている。
ばっ、股で俺の脚挟み始めやがった!ああなんか口元がむにむにと動いてる
し、体に当たる感触がすっごくやっこいし、しかも、パジャマがはだけたせいで、
胸元が見えてるしっ!無いと思っていた胸のわずかな膨らみがぁぁ
ああしかも女の子特有(嗅いだことなんてないけどね☆)の匂いがっ!
この子狙ってやってるんじゃないでしょうね!
数分もたってないはずの時間も俺には非常に長く感じられる。
しかしながら、そんな時間にも終わりは来るわけで。
俺が少し動いたせいと、布団を剥いでしまったせいか、俺の理性が崩落する一歩
手前でちなみが目を覚ました。
「ん・・・別府くん・・・?」
「や、やっと起きたのか」
何だか残念な気もするが、とりあえず起きてくれて良かった。
「あれ・・・なんで別府くんがここに・・・ッ!」
253 :同棲生活2日目2/3:2010/07/06(火) 00:18:57 ID:???
ばばばっと俺から離れベットの前に立ち衣服の乱れを直した。
それに合わせ俺も起き上がり、ベットに腰掛ける。これで目線がほぼ同じってい
うのは一体どういうことだろうか。
「ななな!なんで別府くんがこんなところで寝てるんですか!・・・解りました
、寝込みの隙を襲ったんでしょ・・・この腐れ外道」
「嫌々、誤解だろ、第一ここ俺の部屋だし」
ちなみは少し考えた様子で
「解った・・・ここまで連れ込んで××・・・」
「ちょっとまてぇ!それ以上いうな!つーかちなみは自分の部屋に鍵掛けなかっ
たのか?」
ちなみは小さい声で「・・・あ」と呟いた。間違いなく掛けてたよね鍵。
「でも別府くんならこの家のマスターキーを・・・」
「持ってねぇよ、そんなもの持ってったらプライバシーも何もなくなるだろ?
どうせなんかの用で起きたときに、寝ぼけて俺の部屋入ってきたんじゃないのか?」
ちなみはむーっっとした表情で、
「何だか釈然としないけど・・・私のミスかもしれないから・・・許す、本当に
襲ってないみたいだし・・・」
「信じていただいてうれしいよ。つーか今何時だ・・・」
俺とちなみは同時に時計を見た。するとちょうど6時半を過ぎたところだった。
「取り合えず時間はあるね・・・ご飯作る・・・?」
「よっしゃ、今日は俺が作るぞ」
自分で作るのは少々面倒臭い。が、ちなみの料理をまた食べて味覚を破壊されると
味というものが永久に感じられなくなりそうなので仕方ない。
とにかく平静を装って言ったつもりだったが、俺の真意を読み取ったのか
ちなみはご機嫌ななめな様子で、
「私の料理・・・食べたくないの・・・?」
「昨日ちなみには頑張ってもらったし、今日は俺が作るよ。ささ、ちなみは着替えを
すましてきたら?女の子は時間がかかるものなんだろ?」
「わかった・・・料理まずかったら・・・許さないんだから・・・」
とだけつぶやき、出て行った。
よっしとりあえず味覚は破壊されないぞ!さっさと朝食作りだ!
俺も迅速に着替えを済まし、階段を下りキッチンに向かった。
254 :同棲生活2日目3/4:2010/07/06(火) 00:20:15 ID:???
「・・・トーストとジャム・・・さらにトマトサラダ・・・チョイスが見る
からに適当・・・」
「日本風の朝食を作るのにはあまりにも時間がなかったのだよお嬢」
ちなみは不機嫌そうな顔をしながらも、少なからず俺の言葉に納得してくれたのか、黙っ
て席に着き、朝食を食べ始めてくれた。
- なんだか両手でパンを持って小さな口でもきゅもきゅと食べている姿は
小動物を何となく連想させて可愛らしい。
「なにか・・・失礼なこと考えてる・・・?」
俺の視線に気付いたのか、ちなみがふと顔をあげ、問いかけてくる。
「いや、ただ可愛らしいちなみをぜひ愛でたいなぁと」
「この変態・・・引きちぎるよ・・・?」
なにやら不穏なwordを聞いた気がするので聞き返してみる。
「・・・何を引きちぎるの」
ちなみは冷徹な笑みを浮かべ、
「それはもちろん・・・今朝みたいなことがあっても、欲情して襲ってこないように
「やめてそれ以上言わないで!」
まだニューハーフという新たなる世界に目覚める気は毛頭ないので、とりあえず口を
慎もうと思う。
つーか襲わないから。
とりあえず話を変える。
「そういえばちなみはどこの高校に通ってるの?」
「・・・あれ?それくらい調べてないんですか」
「ああ、そういうのはちなみの口から聞きたいし」
ちなみのことについてはなにも調べてません。プライベート探りすぎるといけないし。
「帝王高校ですが・・・」
「あれ、俺もなんだけど」
「・・・へ?本当?・・・何棟?」
「え?A棟一階だけど、ちなみは?」
「私は・・・D棟2階です」
「そっかどうりで会うことが無いわけだ」
帝王高校はここらへんじゃ名門でしかも校舎が無駄にでかい高校だ。
ちなみに、A棟とD棟はかなり離れている。
「でもちなみくらいの美少女なら噂くらい立ちそうなもんだけどなぁ」
俺が顎をさすりながら言ってみる。
「褒めても何も出ませんよ・・・」
「いやーべつにゴマすってる気は無いんだけど・・・あ、思い出した。D棟の凍て
ついた毒舌美少女まさかちなみのことか?」
いま思い出すと友人からそんな事を聞いた気がする、噂だと幼児体型とのことだし
まぁちなみのことだろう。
255 :同棲生活2日目4/4:2010/07/06(火) 00:20:58 ID:???
- そんなの全然知らない・・・第一、それ・・・褒め言葉?」
「美少女って言ってるわけだし」
「そんなもんですかね・・・ご馳走様でした」
ちなみのは箸を置いた。
「半分以上残ってるけど、俺の料理まずかった?」
「トーストやサラダがまずかったら・・・末期でしょ・・・第一、まずかったらたべない・・・
それに、私少食だし・・・」
「そっか、ならいいんだ。しかし、、道理で発育が悪いわけだね」
ちなみは黙って席を立ちドアへ向かう。
「あれどこ行くの」
千波は意地の悪そうな笑みを浮かべたのち、口を開いた。
「ちょっとペンチを取りにいく・・・」
「ちょっ、待っ、魔が差したんです!引きちぎらないでください!」
ちなみは面白そうにクスクスと笑った。
「それより・・・学校行かない気?いつまで食べてるの・・・?」
「あ、そうだな。もう時間もないし」
くだらない話をしているうちに、だいぶ時間が経ってしまった。
俺はさっさと朝食をたいらげ、玄関へと向かった。そこには、ちなみが
暇そうに玄関で足をぶらぶらしていた。
「あ、待っててくれたんだ」
「だって、私ここの地理あんまり詳しくないし・・・不本意だけど別府君についていく
ことにする」
「はぁ、なるほど」
何か釈然としないが、まぁちなみと一緒に登校できるからよしとしよう。
俺とちなみは玄関を出て通学路を歩き始めた。少しの間沈黙が続いたが、俺のほうから
それを破った。
「はじめて歩く道はやっぱり新鮮だな」
「あれ・・・?やっぱり別府君も引っ越したの・・・?」
「ああ、さすがに新しい家買ってもらうのは気が引けたんで、最初は遠慮したんだが
母さんが「その家、これから一生涯の二人の愛の巣になるのよ、それに私たちがいたら
いちゃいちゃできないでしょ♪」だとさ、あの人絶対楽しんでるよな・・・」
「いちゃいちゃなんて・・・別府君とするわけない・・・」
冷たい目で俺を非難するちなみをみて、ニヤリと笑い、言い返す。
「でにもさぁ」
「?」
「こうやって歩いてると恋人みたいだよな」
ちなみの顔が一瞬で朝食のサラダのトマトのようにになった。あれ?キレてる?
「ぺっ、ペンチ!携帯用のペンチがここに!」
「バックの中探り始めないで!押さえて俺が悪かったから!そのまえに携帯用の
ペンチって何!?」
バックからペンチを取り出そうとするちなみを必死にとめる。
その時、ふと後ろから声が聞こえた。
「あれ?ちなみ?何してるの?」
最終更新:2011年10月25日 21:05