469 :ツンデレと花火大会の歴史 1/6:2010/09/12(日) 16:36:04 ID:PTyRkenQ
~幼稚園~

「みことちゃん、あしたいっしょにはなびみにいこうよ!」
『うん、いいよ!!やったやった、タカくんとおでかけだ~!』
【尊、タカシくんと花火大会に行くの?】
『あっ、おかあさん!』
「こんにちは、おばさん!あの、みことちゃんとはなびたいかいにいってもいいですか?」
【あらあらデートのお誘い?それなら浴衣着て行きなさいな尊!おばあちゃんがあなたの為に用意してくれたのがあるのよ!】
『ホント!?うわ~い、ゆかたきれるんだ~やった~!!』
「わあ、よかったねみことちゃん!」
『エヘヘ、タカくんもたのしみにしててね///』

470 :ツンデレと花火大会の歴史 2/6:2010/09/12(日) 16:38:02 ID:PTyRkenQ
~中学生~

「悪い尊、待たせちゃったか?」
『遅刻だバカ者!全く、いっそのこと一人で行こうかと思ったぞ!?』
「ゴメンゴメン、出掛け際にちょっとトラブっちゃってさ・・・ってあれ、浴衣じゃないの?」
『浴衣?・・・ああ、あれは着るのが面倒だから止めておいた。お母様は最後まで着て行け着て行けとうるさかったが』
「え~俺今の尊の浴衣姿見れるの楽しみにしてたのになぁ」
『花火を見て、適当に出店をブラブラするだけだろう?それなら身軽な服の方がいいじゃないか』
「まぁそれはそうなんだけどさぁ」
『私は浴衣を着て来るつもりはない、これでこの話は終わりだ。さあ早く祭の会場に行くぞ。
      • ああ、それと遅刻したから今日のお金は全部貴様持ちだからな』
「うええぇ、マジすか!?」
『私を待たせたんだからそれぐらいは当然だろう?ほら、つべこべ言わず歩け!』
「な、なんだかなぁ。・・・ま、せっかくの祭なんだし、俺も楽しみますか!」
『・・・すみません、とりあえずラムネを一本とわたあめを一つ、それとフランクフルトを・・・』
「ってもう買ってるし!?」

471 :ツンデレと花火大会の歴史 3/6:2010/09/12(日) 16:42:30 ID:PTyRkenQ
~高校生~

「尊の奴、約束の時間に遅れてくるなんて珍しいな。まさか、何かあったんじゃないだろうな・・・」
『・・・はぁ・・・はぁ・・・す、すまんタカシ、待たせてしまったか!?』
「おっ、着いたか。大丈夫だよ尊、俺も今来たとこだか・・・・・」
『着付けに時間がかかってしまってな。ううむ、やはり慣れないことはあまりするべきでは無かったか・・・』
「み、尊・・・その姿・・・!?」
『・・・なんだ、その顔は。本当は浴衣など着たくはなかったのだが、お母様が自分のお古を着て欲しいとうるさかったから仕方なく着たんだ。
言っておくが、お前の為でもなんでもないから変な勘違いはしないように』
「いやいやいや、尊が浴衣姿で来てくれただけで御の字だよ!!いやあ、本当に似合ってるなぁ」
『・・・・・当然だろう!なにせ私が着ているんだからな!!///』
「?? どうしたんだよ尊、顔真っ赤だぞ?熱さにでもやられたか?」
『・・・・・そ、その通りだ!ここだとなんだか熱くてかなわん!ほら、さっさと出発するぞ!』
「あっ、ちょっと待てよ」
(ギュッ)
『ひゃああああ!?お、おおお、お前っ、いきなり、何をっ!!!?』
「何って、人多いからはぐれないよう手を繋いだだけだけど」
『バッ、バカ者!!これでは周りに変な誤解を与えるというか、なんというか・・・その・・・///』
「あーゴメンゴメン、それなら離すな」
(パッ)
『あっ・・・』
「あら、もうこんな時間かよ。場所無くなるとヤバいし、早く行こうぜ尊!」
『・・・ううぅ、後少しだったのに・・・(ボソッ)』
「・・・ん、俯いたりしてどうしたんだ尊?」
『・・・ええい、何だかイライラしてきたぞ!?今日のお代は全部お前持ちだからな!!異論は許さんっ!!』
「ちょwwwテラ理不尽www」

472 :ツンデレと花火大会の歴史 4/6:2010/09/12(日) 16:53:14 ID:PTyRkenQ
~大学生~

「尊~まだかよ~?早くしないと花火始まっちゃうぞ~?」
『う、うるさい、もう少しで終わる!!・・・・お母様、こ、これで大丈夫でしょうか?』
【安心なさい尊、これ以上無いってくらい似合ってますから。ほら、タカシ君のこと30分以上も待たせているんでしょう?】
『は、はい、分かりました・・・!』

(ガチャッ)
『・・・スマン、かなり待たせてしまったな』
「お~ようやく出て・・・来た・・・」
『ま、全く、デリカシーのない奴だなキミは!?女性に着替えが遅いと言うのは普通禁句なんだぞ!?(ドキドキ)』
「・・・・・・」
『・・・な、なんだ、いきなり黙り込んで。もしかしてわ、私に見とれてしまったのか!?本当に仕方のない奴だなっ!!(ドキドキドキ)』
「・・・本当に似合ってるよ。尊、凄い綺麗だ」
『なっ・・・き、キミに綺麗なんて言われても、ぜ、全然嬉しくなど無いし、むしろ私からすれば綺麗なのは当然であって、
こんな私の姿を見れたキミはもっと私に感謝したりほ、褒めたりするべきだし、
でもどうせキミの語彙能力じゃ到底私は満足させられないのは明らかだし、
え、ええと・・・////』
【ふふっ、にやけた顔を隠し切れてませんよ尊。嬉しいなら嬉しいと素直に言えばいいのに。こんばんはタカシ君】
「あ、お久しぶりです!」
【ねぇタカシ君、一ついいことを教えてあげましょうか?】
『なっ・・・ちょ、ちょっとお母様!?』
【・・・尊、あなたは少し黙っていなさい(ギロッ)】
『・・・・!?(ビクッ)』
「(す、すげぇ・・・あの尊を一言で黙らせやがった・・・てか超怖ぇ・・・さすが尊の母親だ・・・)」
【尊たらね、口では今日花火大会に行くのが面倒だの、行きたくないだの言ってたんだけど、本当はずっと楽しみにしてたのよ。
今着てる浴衣だってね、今日の為に何ヶ月も前からコツコツお金を貯めて、
いろんなお店に何回も何回も下見に行って、タカシ君の喜びそうなのを選んできたんですよ】
『・・・・・ううぅ/////』
【だから、今日は尊のことを思いっ切り楽しませてあげてくださいね。もし悲しませでもしたら・・・(キラーン)】
「(ぞくっ・・・)は、はいぃぃぃ!?全力で頑張らせていただきますっ!!!」
【ふふっ、それでは、娘のことよろしくお願いします。尊も頑張ってきなさいな】
『・・・・(こくこく)』

473 :ツンデレと花火大会の歴史 5/6:2010/09/12(日) 16:59:50 ID:PTyRkenQ
「・・・・・・」
『・・・・・・』
「・・・なあ尊?」
『・・・・・うるさい、今は気分が悪いから話かけないでくれ』
「さっきの話・・・その・・・本当なのか?」
『・・・ッ!ああそうだよ、今日の花火大会をずっとずっと前から楽しみにしていたさ!!
この浴衣だって、キミが似合ってると言ってくれそうなものを必死に探したんだ!!
ほら、こう言えばキミは満足かっ!!?ああ私のうろたえる姿が見れてキミは大いに満足だろうな!!』
「うん、満足だよ。お前がそこまで気合入れて準備してくれてたのが正直意外だったからさ」
『・・・・ふん、キミみたいな男でも一応私の恋人なんだ。これぐらいしたって何も問題はないだろう』
「その台詞、自分じゃ冷静に言ったつもりだろうけどな、お前今顔真っ赤だぞ」
『なっ・・・!?い、いちいちうるさい奴だな!!ほら、さっさと出発するぞ!さっさと来い!!////』
「へいへい、わかりましたよ。ほら、はぐれるといけないから手貸せって(ぎゅっ)」
『あっ・・・あ、あのなタカシ、一つお願いがあるのだが・・・・?』
「ん、どうしたんだよ、急にしおらしくなって」
『その・・・・手を繋ぐのは嬉しいんだが・・・指を絡める・・・こ、恋人握りをしてみたい・・・////(かあああ)』
「・・・ふぅ、了解しましたお姫様、こちらでよろしいでしょうか?(ぎゅっ)」
『・・・ん、よろしい』
「よ~し、そんじゃ行きますか」
『・・・ふふっ、ああ行こうかタカシ!』

474 :ツンデレと花火大会の歴史 6/6:2010/09/12(日) 17:02:19 ID:PTyRkenQ
~番外編 結婚後~

「どうだい尊、準備できたかな」
『はい、大丈夫です。に、似合っていますか・・・?』
「もちろん!とてもよく似合っているよ!」
『・・・ありがとうございます。それにしてもこの浴衣、高かったでしょう?こんなに無理をしてくれなくてもよかったのに・・・』
「いつも尊には苦労をかけてるからね。プレゼントくらいは良い物を送りたいんだよ」
『・・・その気持ちは嬉しいんですけど、あなたは少し勘違いをしています』
「勘違い?」
『・・・あなたが選んでくれた贈り物だったら、私は何だって嬉しいんですよ・・・?////』
「・・・やれやれ、尊も変わったねぇ。昔のお前だったら、『ふん、仕方ないな!お前が ど う し て も と言うなら受けとってやらないこともないぞ!!』とか、
『べ、別にこんなものを貰ったからって嬉しくなんかないんだからな!』とか言っただろうに」
『む、昔は昔です!あの時の私は、あなたの前では中々素直になれませんでしたから・・・ああ、今思い出しても恥ずかしい・・・!!』
「ははっ、俺は今の尊も昔の尊も変わらず大好きだよ」
『あっ・・・ふふふっ・・・あなたには敵いませんね・・・』
「お互い様だよ。さて、そろそろ花火始まるけど、どうしようか?」
『せっかく準備してもらって悪いんですけど、今日はここから花火見ませんか?
私・・・この浴衣姿は、あなただけに見てもらいたいんです・・・///』
「うん、そうだね、尊がそうしたいならそうしようか」
『・・・ふふっ、ありがとうございますタカシ・・・!』
最終更新:2011年10月25日 21:14