68 :名無しさん:2005/07/08(金) 02:01:52 ID:FUS9xfi6
幽霊がすごいことに

ツ(あれ…何だろ…。
  妙に眠いようなだるいような…。それで、なんかフワフワして…。
  えっと…何だっけ?何か忘れてるような…。
  学校?そうだ学校行かなきゃ…。
  今日は現文のテストがあるんだった…。
  あれ?えっと…。
  朝起きて…学校に行こうとして…。
  そしたら道路の向こうに…あいつがいて…。
  あ、それで私の横から…車が来て…)

ツ「……そっか。私、死んだんだ」

69 :名無しさん:2005/07/08(金) 02:11:02 ID:FUS9xfi6
ツ「ばあ」
男「…」
ツ「ねえちょっと。一応おどかしたんだから驚きなさいよね」
男「…」
ツ「ったく!ほんッッと面白くないわねアンタ」
男「…」
ツ「もしも~し?聞こえてる?」
男「…」
ツ「…あれ?」
男「…」
ツ「え?も、もしかして気絶してるとか?」
男「…いや」
ツ「なによ、だったらもっと『うわぁ~』とか『ひぃ~』とか『げえっ』とか…」
男「…あ」
ツ「あ?」
男「いや…会いたかった」
ツ「え?な、なによそれ」
男「お前が死んだって…聞いてたから……だから、だから俺っ!」
ツ「あ!ち、ちょっと…」

”ガシャン!”

ツ「……あ~…だから私、幽霊だってば…。
  そ、それにいきなり抱きつくとか……無理…でも、嬉し…
  あ、いや、あ~……う~……う、嬉しくなんてないからね」
男「…え、じゃ、おま………えええええ?!!」
ツ「…あ」
男「…(カクン)」
ツ「…気絶しちゃった」

70 :名無しさん:2005/07/08(金) 02:21:21 ID:FUS9xfi6
男「…つまりアレか?何か知らんがお前は幽霊になったと」
ツ「そういうこと。ようやく分かったの?」
男「しっかしなぁ~……う~~~ん」
ツ「何よ、文句あるの?」
男「喜んでいいのか、悪いのか」
ツ「はぁ?あ、なによそれ。私が死んで嬉しいっていうの?」
男「違ぇよ。なんつーか……お前に会えたのは嬉しいけど…。
  で、でも……幽霊ってのが…ちょっと寂しい」
ツ「……そ、そんなもの私だって寂しいわよ!ばかっ」
男「え…」
ツ「…だ、だって……気がついたら死んじゃってるんだよ…?
  本当は私だって、生きてアンタともっと……ぐすっ…」
男「…」
ツ「で、でも今はこうして話せるから…。アンタのそばにいれるから…。
  神様のきまぐれに、ちょっと感謝してる」
男「…」
ツ「……ね、ねえ。幽霊でも、好きになってくれる?な、なーんてね!
  あは、ははは~!アンタなんかに告白するなんて、私もヤキが回っ」
男「う、うおおっ!」
ツ「きゃっ?!」

”ガッシャ~~ン!”

ツ「…だから抱きつくとかは無理だって…ほんとバカなんだから」
男「…ってて…」

71 :名無しさん:2005/07/08(金) 02:30:57 ID:FUS9xfi6
ツ「あ、おかえり~」
男「…昼間のユーレイってのも変な感じだな」
ツ「なによ、文句あるの?祟り殺すわよ?」
男「…俺はお前と同じになれるなら、殺されても本望だぜ?」
ツ「え……な、何いってんのよばかっ!命くらい大事にしなさいよっ!」
男「…(ホント、死んでもからかいがいのあるヤツ)」
ツ「何ニヤニヤしてるのよ。あ、いまヘンなこと考えてたでしょ!」
男「ん、まあな」
ツ「っ?!幽霊相手にいい度胸してるじゃない!返答しだいでは…」
男「…いや、よく考えたらこれって同棲だよなって」
ツ「…」
男「…」
ツ「何考えてるのよ!ば、ばかーっ」
男「…(あーあ、真っ赤になっちゃって……畜生!)うおおおっ!」
ツ「え?!きゃあっ」

”ガシャン!”

ツ「……あのさ、私幽霊だから抱きつけないって何度も……聞いてるの?」
男「い…いや、分かっていたが…お前が可愛すぎてガマン出来なかった」
ツ「え?!……も、もうっ!幽霊をからかわないでよねっ」
最終更新:2011年10月27日 19:20