132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/30(日) 20:11:13.24 ID:6YxK3U2u0 [7/12]
  • 休日が終わって男といれる時間が少なくなってしまうのを惜しむツンデレ

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/30(日) 21:34:03.03 ID:I7qWoPWt0 [1/2]
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  • 休日が終わって男といれる時間が少なくなってしまうのを惜しむツンデレ

「はあ」
「どうしたの、むみさん。ため息なんかして?」
 いつも気丈なむみさんがため息をするなんて珍しい。少し心配になって声をかける。
「別に。ただ休日が終わってしまうのが、憂鬱だと思っただけよ」
「へえ、むみさんもそんな風に感じることもあるんだね」
「何か、そういう言い方をされると、鈍感と言われているようで腹が立つわね。
 私は、ゆったりと落ち着ける時間が終わってしまうのが憂鬱なのであって、いつも怠けたいと思ってる、だらけきった貴方とは違うのよ」
「そんなこと言って、本当は僕といられなくなるから、寂しかったりして」
 なんて、冗談半分本気半分で言ってみる。
「な、何を言ってるんだか。まったく自意識過剰も良いところね」
 そう言って、むみさんは顔をそらしてしまう。
 ほんと、むみさんはわかりやすいなあ。
「まあ、そう言う僕自身、寂しいんだけどね。せめて、同じクラスだったらっていつも思うよ」
 それを聞いたむみさんの顔は、赤くなって、
「ま、まあ、同じクラスだったら、色々と便利でしょうね。別に、寂しいだなんて思ってはいないけれど」
「僕は、寂しいんだよ。とっても。だから――」
 未だに顔をそらしたままのむみさんに近づいて、その細くて繊細な体を、優しく抱き寄せる。
「――今だけは、こうしてちゃ駄目、かな?」
「ちょ、ちょっと、何やって!?」
 驚いたように、顔をビクッとこちらに向け、むみさんの体は強張ってしまう。
「嫌なら、止めるよ。むみさんに嫌われてしまうのが、僕にとって一番辛いことだから」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/10/30(日) 21:35:35.99 ID:I7qWoPWt0 [2/2]
「~~っ! あ、貴方って人は、いつもいつも! そ、そんなこと、言われたら……わ、私は……私が、断れるわけ、ないじゃない……」
 むみさんは、俯いて、何か小さく呟いた後、意を決したように勢い良く顔を上げた。
 その表情は常のごとく、人形のように変わっていない。
 しかし、人形とは違って、激しく紅潮していて……その澄んだ美しい瞳も、どこか潤んでいて……毎日眺めている顔なのに、頭がどうにかなりそうなくらい可愛らしかった。
「し、仕方ないわね。女々しいことこの上ないけれど、好きにさせてあげるわ。い、一応、そ、その、こ、ここ、恋人、なわけだし……」
「ふふ、一応って言うわりには随分、意識してるみたいだね?」
「なっ!? う、うるさいっ! 調子に乗らないでよ、馬鹿!」
 そう詰るむみさんは、しかし、しっかり自分からも僕に抱きついていて……僕は、やっぱりどうにかなってしまいそうなのだった。



最近、どうも自分の中でむみさんが可愛すぎて辛い
最終更新:2011年11月03日 02:26