26 名前:1/3[] 投稿日:2011/10/31(月) 21:29:31.92 ID:GjMSGRig0 [1/4]
後輩とハロウィン
「トリック・オア・トリート」
「・・・」
「トリック・オア・トリート!」
「・・・なにやってるんですか先輩」
憐れみを帯びた目で見てくる後輩。
「今日ハロウィンじゃん」
「それは知ってますが・・・せめてカボチャのかぶり物をして言ってくださいよ」
「つい昨日思い出してな」
「はぁ、これあげます」
そう言って鞄から取り出したのはお菓子の代表うまい棒だった。
「う、うまい棒・・・!しかもコンポタ味」
「これあげますから黙ってください」
「こんなもので満足できるか!たけのこの里をくれ!」
「先輩はたけのこ派ですか、それはともかくもうお菓子はありませんし」
「だったら、イタズラするぞー」
「イタズラってどういうのですか?」
適当に口走ったものの具体的なことは何も考えてなかった。イタズラ?うーん・・・
27 名前:2/3[] 投稿日:2011/10/31(月) 21:30:24.80 ID:GjMSGRig0 [2/4]
「うーん・・・せ、性的な?」
「はっ、チキンな先輩が性的なイタズラって」
「誰がチキンだ!」
「チキンはチキンでしょう。っと用があるので失礼します」
「あっ、おい!」
席を立って教室から出ようとする彼女に手を伸ばしたら足がもつれてしまう。
「うぉ!」
「きゃっ!」
そして彼女諸共転んでしまい、気がつけば彼女を押し倒したような格好になっていた。
「わ、悪いすぐ退くから」
「お、押し倒しておいてなにもしないんですか。ほ、ホントに・・・チキンですね」
「な、なにを言ってるんだよ・・・」
本当になにを言ってるんだと思ったが、彼女を見ると顔が赤く手が震えてる。
可愛い。ふいにそう思った。なぜか俺は顔をお互いに息が分かるぐらいまで近づけそして・・・
28 名前:3/3[] 投稿日:2011/10/31(月) 21:31:15.11 ID:GjMSGRig0 [3/4]
「うーっす」
勢いよく扉が開けられ、顔を出したのは我らが会長である。会長は俺らを見て固まり気まずい沈黙が流れる
「まぁ・・・学校でいちゃいちゃするのもほどほどにな。じゃあ」
そう言って巻き戻すように扉を閉め出て行く。会長!と叫んだ頃には遅かった。
とりあえず俺たちは離れる。だけど彼女は恥ずかしいのか目を合わせなかった。
「誤解されたな」
「・・・そりゃそうでしょう」
「・・・ごめん」
「謝らないでください。挑発した私だって悪いんですから」
「・・・それでは用がありますので」
「それじゃあ、チキン先輩」
「だからチキンって言うな-!」
そんな捨て台詞を吐いた後、彼女は出て行った。はぁ・・・会長が来なかったらやばかったなー・・・
「まったく・・・どっちが臆病者なんでしょうか・・・」
最終更新:2011年11月03日 02:36