[13] 1/5:2011/11/05(土) 18:10:31.05 ID:enf0YAxI0
ガタガタガタガタッ!!
「おわっ!?」
『キャアッ!!』
カタカタカタ……カタ……
「ふぅ……静まったか……」
『び、ビックリしたぁ…… やだもう。地震怖い……』
「大丈夫か? かなみ。お前、小さい頃から地震、苦手だったろ?」
『い……今はそこまで怖がりじゃないもん。今だって、その……アンタに抱きついたりし
なかったでしょ?』
「ホントは抱き付きたかったって事? 別に無理しなくたって良かったんだぜ?」
『抱き付きたくなんてないから、怖くても我慢したんでしょーがっ!! 自分の都合の良
い方に話をすり替えるなこのバカ!!』
「あいてっ!! 本投げるなよな」
『全くもう…… アンタが変な事言うのが悪いんでしょ? だからつい、手近にあったも
のを投げつけただけよ。大体、女の子が遊びに来てるってのに、何よこの散らかりようは』
「今の地震で崩れたんだってば。さっきまではちゃんと積み重ねてあったろ?」
『あの程度の地震で崩れるなんて、よっぽど適当な片付け方してたって事じゃない。全く、
自分一人で片付けも出来ないなんて、ほんっと情けないんだから』
「お前が来るのが急過ぎて片付ける時間が無かったんだってば。いーよ。俺が自分でやる
から、お前は触んなって」
『何よ。人がせっかく片付けてあげようとしてんのに、その態度。あんたの片付け方が下
手くそだから、あたしがやってあげるって言ってんのに、文句付けるなんてサイテー』
「べ、別に文句付ける訳じゃないけどさ。その……い、一応お前だって客な訳だし、だか
らその……片付けとかさせるのワリーじゃん。だから……」
『普段お客様扱いなんてほとんどしないくせに何言ってんのよ。その態度……超怪しいんだけど』
「な、何言ってんだよ。あ、怪しくなんてねーってば、マジで。うん」
『じゃあ、ちょっと調べさせなさい。どんな本が積んであったのか』
[14] 2/5:2011/11/05(土) 18:10:53.65 ID:enf0YAxI0
「や、止めろって。バカ!! お前が見るもんじゃ――」
『これは違う……これも違う…… あ、あった!!』
「うわちゃーっ……」
『やっぱりエッチな本隠してた!! このドスケベ!! 変態!! 痴漢!! 犯罪者!!』
「いやいやいや。ちょ、ちょっと待てって。少なくとも痴漢とか犯罪者ってのは違うだろが……」
『18歳未満厳禁でしょうが!! こんなもの読んでるなんて不潔!! しかも、女の子に
見せるなんて何考えてんのよ!!』
「そ、それはお前が勝手に見たんだろうが!! もう、いいから返せよな。その……親に
見つかるのだって恥ずかしいのに、ましてや幼馴染の女の子だなんて……はっきり言って
自殺したい気分だってのによ……」
『そんな甘い事させないわよ。死ぬならあたしが殺すから』
「本気で殺意持った目で睨むな。お前を犯罪者にはしたくねーよ」
『フンだ。なーに、カッコ付けた事言ってんのよ。このエロ本愛好者が。死ねこのド変態』
「ううううう…… わ、分かったから、もういいだろ。ほら」
『まだダメよ。一体アンタがどんな変態性癖なのか、まだチェックして無いんだし』
「こ、この上中身まで見んのかよ。止めろって。絶対お前が見ても面白くないから」
『別に面白いと思ってみるわけじゃないわよ。後で友子に話す時、アンタがどんなエロ本
読んでたのか、報告するのに中身知らないじゃ面白くないでしょ?』
「やめろおおおおっ!! アイツに知られた日にゃ、一日で学校全体の女子に広まっちまう」
『言ったでしょ? アンタはあたしが殺すって。フン。やっぱ男って胸デカイ子が好みな
んだ。単純なんだから』
「そ、それは単に表紙の娘が胸でかいってだけだろ? べ、別に俺が好みって訳じゃ……」
『じゃあ、どんな娘が好みなのよ。言ってみなさいよ。ほら、早く』
「う……そ、それはその……」
『ほら、やっぱり言えないじゃない。別にいーわよ。タカシが巨乳好きだろうと、あたし
には一向も関係ありませんからね。フンだ!!』
「何でそんな事で怒ってんだよ、お前は」
『誰が怒ってるって言うのよ。べ、別にこんな事が原因じゃなくて、そもそもタカシがエ
ロ本なんて愛読してるド変態だってことそのものに怒ってるんじゃない』
「分かったよ。悪かった。変態認定してもいいからさ。とにかく、もういいだろ。返せよ」
[15] 3/5:2011/11/05(土) 18:11:18.74 ID:enf0YAxI0
『まだダメだってば。全然見てないんだから』
「いや、だから。お前が見ても面白くないし」
『面白くないかどうかはこっちで決めるってば。あ、ほらやっぱり巨乳だし……って、こっ……
こんなポーズとか……うわ、うわぁ……』
「ごめんなさいごめんなさい。ホントに、もういいから返してください。ちゃんと自分で
処分しますからお願いします」
『その低姿勢が、ますます怪しいわね。ダメよ。アンタなんて信用できないんだから、こ
の場で全部チェックしてから、あたしがおばさんに言って処分して貰うから』
「お前、本気で俺を殺す気なんだな。フルコースでやられたら、マジで俺の居場所がなく
なっちまうじゃねーか」
『そうよ。生かすも殺すもあたし次第なんだから。それが分かったんだったら、大人しく
そこで黙って見てなさい。そうすれば、少しは恩赦もあるかもしれないし』
「恩赦って……お前が勝手に決めるだけじゃねーかよ」
『そうよ。何か文句あるの?』
「いや、その……ありません……」
パラ……パラ……
『全く、男って本当にどうしようもない生き物よね。こんなもののどこが面白いんだか』
「いや。世の中にはイケメンの裸見てハァハァしてる女子だっているにはいるだろ? 男
だけって問題じゃないような――」
『黙れこのドスケベ』
「はい。すみません……」
『うわ……信じられない、こんなの…… これも、うわぁ……』
『(タカシってば……こんなの見て、興奮してるんだ……)』
「すみません、かなみさん。今、俺……生きているのが非常に辛いんですが」
『自業自得でしょうが。辛いんなら死ね。即座に』
「うぐぅ……」
「(どうか、かなみがあれに気付きませんように……)」
パラ……
『何、これ? 可愛い幼馴染とって……え……?』
「やっべっ……!!」
[16] 4/5:2011/11/05(土) 18:11:41.00 ID:enf0YAxI0
『…………………………あの、さ。タカシ……』
「はい、何でしょうか……」
『あの……気のせいかさ。この娘……ちょっと……あたしに、似てなくない?』
「ギクッ!? え、そ、そうか……? いやあ、その……そんな娘いたかなぁ……ハハハ……?」
『そのごまかし方が逆に超怪しいんだけど?』
「い、いや、そんなことは……」
『それに、何? なんかさ。ちょうど、親指を置く位置辺りが、妙に掠れてない? これっ
て、手垢かなんかで汚れてんじゃないの?』
「い、いやそれはさ。その……ふ、古本屋で買ったから、前の持ち主のじゃねーかな? 俺
はしらねーっつーか……」
『さっきから、全然こっち見てないじゃない。今の言葉、あたしの目を見て言えるの? どうなの?』
「う……ううぅ……」
『こ……このバカ!!』
ゴスッ!!
「あいてっ!! おま……本投げるなってさっきも……角直撃したじゃねーかっておわっ!?」
ドサッ!!
『これ見ながら……あたしの事思いながらエッチな事してた訳? このドスケベ!! 卑
怯者!! 臆病者のいくじなし!! バカバカバカ!!』
ドカドカドカ!!
「痛い痛い痛いっ!! 悪かったから殴るなって」
『全然反省なんてしてないくせに!! 大体、何であたしが怒ってるかも分かってないくせに!!』
「へ……? いや、その……俺が、えっと……お前に似てる娘のエッチな写真見ながら……
その……してたって事じゃ……」
『そうだけど違う!!』
「え――?」
『何であんな本に頼ってんのよ!! すぐ側にあたしがいんのに!! 毎日来てんの
に!! 臆病で手が出せないから、本で満足しようとしてたんでしょ? それとも、あた
しより本の中の娘の方がいいの? どっちなのよ?』
「いや……そりゃかなみが……かなみの方が……けど、お前はその……俺なんかは……」
[17] 5/5:2011/11/05(土) 18:13:17.08 ID:enf0YAxI0
『あたしがいつアンタの事嫌いだって言ったのよ? 散々罵っていたって、それだけは言っ
てないでしょ? 大体、その……いくら幼馴染だからって、こんな年になって毎日放課後
に家に来ると思う? 好きでもない男の子の家に…… なのに、アンタってばホントに鈍
感なんだから……いい加減気付いてよ……』
「かなみ…… ゴメン。俺、お前の事が好きだったから……大切にしたいって思ってたか
ら……けど、その……自分中心にしか考えてなくて……」
『分かってくれたんなら……だったら、もう……二度と、あんな本……見ないでよ? あ
たしが……いるんだから……本なんかより……ずっと、いいはずなんだから……ね?』
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最終更新:2011年11月10日 00:06