[36] 1/6:2011/11/05(土) 19:48:15.38 ID:enf0YAxI0
  • お題作成機より【更衣室、妹、口癖】

 カキーン!!
[ほら、行ったぞ別府ーっ!!]
「おわっ!?」
〔よっしゃ。抜けた。回れ回れーっ!!〕
[何やってんだよ、別府!! 早くボール取って戻せって]
「いや、それがその……」
[どうしたんだよ、おい。ホームランになっちまったじゃねーか]
「いや、その……ボールがさ。ワンバウンドして、この中入っちまったみたいで……」
[ここ……って、女子更衣室だろ? 確か]
「そうだよ。だから困ってんじゃねーか」
 ポン。
「な、何だよ。いきなり肩叩いたりして」
[別府。ボール取れなかったのは、お前のせいだよな?]
「へ……? べ、別に俺だけのせいじゃねーだろ。打たれたピッチャーだって悪いし、
そもそもあんな大飛球取れるわけねーだろ。普通に考えてもホームランだ」
[でも、お前が後退守備して大飛球に備えてれば、取れたかもしれなかったよな?]
「そりゃ、最初から予期してりゃあな。でも常識的に考えて――」
[という訳で、お前、責任を持ってボールを取って来い。いいな?]
「はあ? あそこ女子更衣室だぞ。万が一入ってる所を女子に見られたりでもしてみろ。
俺、学校に来れなくなっちまうじゃねーか」
[それはお前の自己責任という事で]
「ちょっと待てお前。友達だろ? 俺一人に責任を押し付けて逃げる気かよ?」
[別に押し付けてるわけじゃねーよ。お前に責任があるのは、明々白々だからな。とい
う訳で、後は頼んだ。んじゃなっ!!]
「あ、おい。待てこのヤローッ!! 全く……かといって、野球部の備品勝手に持ち出
して遊んでたから、返さなきゃマズイよなあ……どうすっか……」
『ちょっと!!』

[37] 2/6:2011/11/05(土) 19:48:36.41 ID:enf0YAxI0
「どわわっ!? ち、違うんだって。その、野球やってたらたまたまボールが開いてた
窓に飛び込んじまって、その……どうしようかって思って……」
『何、女子更衣室の近くでウロウロしてんのよ。この変態』
「って、何だ。麻衣か。驚かせるなよ」
『気安く人を名前で呼び捨てにしない。この変態』
「お前こそ、兄を捕まえて何て言い草だよ。毎回毎回、変態変態って言いやがって。誰
かが聞いたら本気にするだろうが」
『外で兄貴を見掛けると、ついそう呼びたくなっちゃうのよ。まあ、口癖みたいなもの
よね。それに、実際遠からずだし』
「どこの誰を捕まえて変態だって?」
『目の前にいるじゃない。女子更衣室の前でウロウロしている男子が変態でなくて何なのよ?』
「だからさっきも言ったろうが。ボールが中に入っちまって、取ろうにも取れなくて困っ
てるんだよ。野球部の備品を勝手に借り出してるから、返さないと不味いし」
『ふうん。何か、取ってつけたようなウソ臭い理由にしか思えないけどな。どっちかと
いえば、覗きに最適な場所をチェックしに来たとかの方がしっくり来るんだけど』
「何でそっちの方がしっくり来るんだよ。お前は兄の言ってる事が、信用出来んのか?」
『信用出来る訳ないでしょ? こないだ、まーたエッチなDVD買ってたくせに。【女子
大生家庭教師の甘い個人授業】だっけ? ホント、年上好きなんだから。このド変態』
「おまっ……また人の部屋入って勝手に漁ったのかよ!! 止めろって言ってんだろが。
大体、今回は絶対見つからない場所に隠しといたつもりだったのによ」
『狭い兄貴の部屋で見つからない場所なんてあると思う? 兄貴がいっつも変なトコばっ
か隠すせいで、こっちのガサ入れスキルだって上がってるんだから』
「くっそー…… お前のせいで、俺がどんだけ恥ずかしい思いしてると思ってんだよ」
『いーじゃない。お母さんには言ってないんだし。もっとも、そろそろ考えちゃおうか
なーとは思ってるけど』
「それやったら、お前とは今後一切口利かないからな。家出て一人暮らししてやる。二
度と兄妹だなんて思わないからな」
『金も度胸も無いくせに何言ってんだか。バカじゃないの、ホントに』
「ちくしょう。信じてないだろうけどな。こっちだってやろうと思えば出来るんだ。見
てやがれこの野郎」

[38] 3/6:2011/11/05(土) 19:49:06.59 ID:enf0YAxI0
『あたしは野郎ぢゃなくて、かよわい女の子だもん。もうちょっと言葉は考えて発しよ
うね。変態おにーちゃん』
「グググ…… それはそうと、何で声掛けて来たんだよ。お前、俺と兄妹だなんて知ら
れるのがヤダからって、学校では声掛けんなって言ってただろうが」
『そーよ。だから今はホントは妹じゃなくて、風紀委員の別府麻衣として、変態を取り
締まる為に声掛けたんだもん。ほら。女子更衣室覗き未遂の罪で、大人しくお縄に付き
なさいよ。この変態』
「だから言ってんだろが。ホントにボールが入ったんだって。何だったら、確かめてみ
ろよ。そうすれば少なくとも、俺が言ったことがホントだって分かるからさ」
『そんなの、アリバイ作りかも知れないじゃん。分かんないわよ』
「けど、少なくとも物証にはなるだろ。どのみち、お前に取って貰えれば助かるしな」
『ハァ…… しょうがないわねぇ。これで見つかんなかったら、マジで生徒指導室行き
だかんね。兄と言えど、容赦しないんだから』
「だ、大丈夫だってば。ちゃんとあるからさ」


 カチャッ……
『どーれどれ?』
『(何だ。すぐそばに落ちてるじゃん。これじゃあつまんないな)』
 サッ!!
「どうだ? あったか?」
『見た感じ、無いみたいだけど。ホントにここに入ったわけ?』
「間違いないってば。もしかしたら、隙間とかに入っちまったのかな?」
『何、グズグズしてんのよ!!』
 グイッ!!
「イテッ!! 何すんだよ? いきなり腕を引っ張りやがって」
 バタン!! カチャッ。
『開けっ放しで、万が一誰かに見られたりしたらどうすんのよ? 兄妹どころか、女子
更衣室でイチャイチャしようとしてた変態カップルに思われるじゃない。兄貴は実質変
態だからいいけど、あたしまで巻き込まれるのはイヤよ』

[39] 4/6:2011/11/05(土) 19:49:27.10 ID:enf0YAxI0
「だ、だからって鍵まで閉めることなくね? 何か、その……」
『何かって、何よ? 言いかけて途中で止めるとか、男らしくないんじゃない?』
「いや、いいよ。とにかく、さっさと探せよな」
『何よ、人に探させといて偉そうに。えーと、窓から飛び込んで来たんだから、あると
したら……あの隙間くらいかな……』
 ゴソゴソ……
『んっ……何か手探りだと良く分からない……んしょっと……』
「お、おい。その……お、俺がやろうか?」
『いーわよ。風紀委員として証拠探ししてんだから、容疑者は黙って見てなさいよね』
「い、いやだからその……」
『うっさい!! 作業の邪魔すんな』
「(そんな四つん這いの格好だとパンツ見えるぞって……まあ、言ったら言ったで変態扱
いだろうけど、兄貴としては、やっぱり言った方がいいんだろうけど……うーん……)」
『(どーせ、パンツ見えるぞとかそういう事でしょ? 当たり前じゃない。意識して貰い
たくて……こんな恥ずかしいポーズ取ってんだから……てか、せっかくの密室なんだか
ら、もうちょっといい雰囲気になったっていいのに……)』
「どうだ? あったか?」
『わっかんないけど、ここじゃないみたい。やっぱり、更衣室覗く為の言い訳だったん
じゃないの?』
「そんな訳ないって。絶対ここに入ったはずだってば」
『じゃあ、あとどこにあるっていうのよ。床には落ちてないみたいだし……』
 ガチャガチャ!!
「『!?』」
[あっれー? 鍵閉まってるよ。おかしーなぁ?]
「やっべ。もう昼休み終わりかよ。つか、どうすんだよ? 着替えに女子来ちまってる
ぞ」
『お兄ちゃん。こっち!!』
 グイッ!!
「おわっ!! 急に腕引っ張んなって。抜けるだろが」

[40] 5/6:2011/11/05(土) 19:49:47.89 ID:enf0YAxI0
『そんな事言ってる場合じゃないでしょ? 見つかったら終わり何だから。ほら、早く。
この掃除ロッカーなら二人隠れられるから』
「お、おう」
 バタン
『ふぅ……危なかったぁ…… お兄ちゃんと二人っきりで鍵掛けて更衣室なんて、見つ
かったらさすがにどうしようもなかったもんね……』
 ガヤガヤ……
「お、おう……にしてもさすがにせま――」
『シッ……!! 黙って。聞かれたら、バレちゃうじゃない……』
「あ、ああ……」
「(にしても、これだけ狭いと、体が密着して……妹の体なのに……)」
『(お兄ちゃんと密着出来るなんて嬉しいな…… もっと押し付けちゃえ)』
 グイグイ……
「お、おい。そんなに押し付けたりしたら……」
『仕方ないでしょ。狭いんだから……』
「いくら狭いっつったって……つか、何だ? この固いの……」
『(やっば…… 胸元にボール隠してたのバレちゃう……)』
『し、知らないし……っていうか、感じるのそこ? もっと柔らかいところがあるでしょうに』
「ちょ……おまっ……!?」
『シーッ…… もう少しだから、我慢して』
 グニグニ……
「(やべっ…… コイツ、結構胸でかいんだよな…… こんな場所で押し付けられたりしたら……)」
 ガヤガヤ……バタン!!
「ふーっ……やっと行ったか…… 全く、生きた心地がしなかったぜ……」
『あたしは、もうちょっとこのままでも良かったけどな……』
「は? 何言ってんのお前」
『――――っと!! な……何でもない……』
「それより、さっきの固いの、あれ何だよ? 何か服の中に隠してなかったか?」
『……そう思うんなら、自分で確かめてみればいーじゃん』

[41] 6/6:2011/11/05(土) 19:50:09.77 ID:enf0YAxI0
「は……?」
『いいよ。服の中に手を突っ込もうが、ブラウスのボタン外して脱がそうが、好きにして』
「ちょ、ちょっと待て。お前、何言って――」
「(って、そうだった。コイツって、二人っきりでいる時の部屋が狭ければ狭いほど、甘
えっ子になるんだったっけ……)」
『ほら。早くしてよ。それとも、勇気が無いの? お兄ちゃん』
「い、いやそんな……けど、それはさすがに……」
『じゃあ、あたしが手伝ってあげるよ。ほら』
 グイッ!!
「ちょ、おまっ……待て待て待て!! そっちはちがっ――!!」
『こっちの方がいいでしょ? 柔らかくて気持ちいいよ……』
「アホか。止めろこのバカ!!」
 バッ!!
『あっ…… もう、無理しちゃって。素直じゃないんだから』
「普段、素直じゃないお前に言われたくない。つか、何だよこれ」
『エヘヘ。あーあ。バレちゃった』
「ボール、見つかってたんじゃねーか。何でこっそり隠し持ってたんだよ?」
『……だって……せっかく、お兄ちゃんと個室で二人っきりなんだよ? すぐ見つかっ
ちゃったら……面白くないじゃない……』
「いや、面白いとか面白くないとかじゃ……つか、擦り寄ってくんなって」
『嘘つき。妹に欲情してる変態のクセに。さっき、ロッカーにいた時、股間固くしてた
くせに。あれだけくっ付いてて、バレてないとか思ってた?』
「だ、だってそれは……お前が胸とか脚とか押し付けるから……こっちは我慢しようと
してだな……」
『いーよ。我慢しなくって。あたしも、もう我慢しないから』
 ドサッ!!
「どわっ!! こ、こら!! 風紀委員のクセに、いーのかよ」
『見られてなけりゃ、オッケーだもん。どうせ、授業も始まっちゃったしさ。もうちょっ
と、二人で楽しもうよ……ね? お兄ちゃん……』
最終更新:2011年11月10日 00:08