13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/06(日) 12:26:48.49 ID:QDEBq71x0 [7/11]
とりあえず、お題が思いつかんから作成機回してきた

つ・旅行、部下、恋心


思いついたら書くかも

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/11/06(日) 22:50:05.16 ID:qoLvOY4o0 [5/12]
13より
  • お題作成機より【旅行、部下、恋心】

『別府君。ちょっと来なさい』
「何ですか? 音無主任」
『あのね。貴方の勤務時間についての事なんだけど』
「へ? 何か問題でもありましたか? 最近は直行以外ではちゃんと始業時間に間に合っ
てますし、直行だって途中でサボったりとかしてませんよ」
『当たり前だわ。そんな事、社会人として常識でしょう。それを得々と語られても困るわ』
「いや、だから主任に呼び出されるような記憶はないかと思うんですが」
『何も、お説教をしようと思って貴方を呼んだ訳じゃないわ』
「じゃあ、一体何なんですか? 有休取り過ぎでもうないとか?」
『その逆よ。単刀直入に言うわ。貴方、休みを取りなさい』
「げっ……!? マジですか……」
『何よ。その嫌そうな顔は。休み取れって言ってるだけなのに、何が不満なのかしら?』
「だってそれって自宅待機って事じゃないんですか? つまりその後に来るのは僻地への
転勤か自主退職って事になるんじゃ……」
『そうなれば、厄介者が処分出来て私も嬉しいんだけどね。残念ながら違うわ』
「じゃあ、一体全体何で休めなんて命令するんですか。鬼のように人をこき使う主任が」
『何か言ったかしら。よく聞こえなかったけれど』
「いえ。何でもありません」
『よろしい。では、単刀直入に言うわ。要するに、貴方は働きすぎなの。だから、休みを
取らなくちゃいけない訳。少なくとも、連続で三日間は』
「あの、一つ聞いていいですか?」
『何? 質問は手短にお願いするわ』
「あの、それって主任が俺の身体を心配して言ってくれてるって事……ですか?」
『そんな訳ないでしょう。貴方なんて、ボロ雑巾のようにこき使っても、私としては一向
に問題ないわ』
「やっぱりそうですよね。主任がそんな優しさを見せてくれるはずないですよね」
『そういう評価をされるのも非常に頭来るわね。まるで私が血も涙も無い人間みたいじゃない』

133 名前:2/4[] 投稿日:2011/11/06(日) 22:50:34.48 ID:qoLvOY4o0 [6/12]
「いえいえ。決してそのような。でも、それじゃあ一体どういう風の吹き回しでそんな命令を?」
『法律で決まっているのよ。年間何時間以上働かせてはいけないってね。貴方はこのまま
だと大幅に越えてしまうから、休みが必要なの。分かる?』
「はあ。まあ、何と無くは」
『全く、要領が悪くて残業が多い上に、自分の労働時間管理も出来ない部下を持つと苦労するわね』
「すみません。仕事量が多過ぎると、どうしても休みとか取れないんですよね」『代わりが
務まる人はいるでしょう。要は計画性の無さが問題です』
「でも、平日休んでも、することないんですよね。どーせ気になるんだったら、仕事行っ
てた方がまだマシかなって」
『つまんない人生を送っているのね。休みを一緒に過ごせる恋人も友人もいないなんて』
「まあ、友人はいますけど、平日だと予定が合わないんですよね」
『まあ、貴方が休みを取らない理由は大体理解しました。そこで、休みを取りやすいよう
に、貴方に予定を入れてあげます』
「俺に? 主任が、ですか?」
『そうよ。まあ、黙って聞きなさい』
「はあ」
『実は、私も休みを取る予定になっているの。今月の下旬に、三日間。休みも合わせると、
六連休になるわ』
「いいじゃないですか。どっか行かれるんですか?」
『ええ。温泉旅行に行こうと思って。能登半島の方にね。二泊三日で』
「へえ……ご友人とですか? それとも……まさか、あの……」
『悪かったわね。生憎と、一人の予定だったわ』
「いえ。別にそんな卑下する事は…… 一人旅もいいものだと思いますよ。落ち着けるし、
自分のペースで動けますから。ところで、俺にも予定を入れるって、もしかして俺も一人
旅をしろって事ですか?」
『黙って聞きなさいと言ったでしょう。あと、今の答えは遠からずと言えど、不正解よ。
私の言葉をちゃんと聞いていれば、頭の回る人なら理解出来たでしょうに』
「すみません。回転が鈍くて」


134 名前:3/4[] 投稿日:2011/11/06(日) 22:51:15.72 ID:qoLvOY4o0 [7/12]
『別に謝らなくても、今に始まった事じゃないわ。要は、私は過去形で言ったの。一人で
行く予定だったって』
「え? それじゃあ、誰か一緒に行く人が出来たって事ですか? 友達で行きたいって人
が出たとか、もしくは親御さんとかですか?」
『それだったら、そんな持って回った言い方をせずに、最初っからそう言うわ。計画が変
更になったのは、たった今よ』
「今? 今って、何でまた……って、もしかして……俺に予定を入れるってのは……」
『そういう事よ。私の旅行に一緒に来なさい。そうすれば、休むべき理由も出来るでしょう?』
「主任とですか? 俺が?」
『そうよ。何か不満でもあるっていうの?』
「い、いやその……そんな事全然ないですけど、でもまさか、主任が俺を旅行に誘ってく
れるなんて思いも寄らなかったから、今はその、ちょっと驚きの方が勝っちゃって……」
『一応言っておくけど、私は別に好きで貴方を誘っている訳じゃないのよ。こうでもしな
いと、休みを取らないか、取っても結局暇だからって会社に来て仕事をしているようじゃ、
休みを与える意味がないし、それでは人事部から私にクレームが来るわ。そうならないよ
うに、貴方の休みをしっかり監視するという意味も込めて、連れて行くんだからね』
「い、いやその……でも、二人も休んじゃって大丈夫なんですか?」
『それは貴方の心配する事じゃないわ。私は自分の仕事はキチンと終わらせて休みを取る
し、その間の事は、他のメンバーでもこなせるように引継ぎは完璧にしておくもの。だか
ら、貴方は自分の仕事の都合だけをキチンと付けておきなさい』
「分かりました。ところで、あと一つ質問が」
『何? もう伝える事は伝えたんだから、余り長々と話す気はないから手短にね』
「いや、その…… これは、強制でありますか?」
『貴方、不満はないと言ったでしょう。私はそれを了と受け止めたんだけど、違ったかし
ら?』
「いえ、全くそんな事は。大丈夫です。はい」
『宜しい。それでは、話は以上よ。さっさと仕事に戻りなさい』
「あ、はい。それじゃあ、失礼します」


135 名前:4/4[] 投稿日:2011/11/06(日) 22:51:54.78 ID:qoLvOY4o0 [8/12]
『良かった……もし断られたら、どうしようって……でも、大丈夫だったかな? ほとん
ど無理矢理みたいに誘っちゃったけど…… でも、嬉しいな。別府君と二人っきりで旅行
だなんて…… 一緒に観光地回って……美味しい物食べて……温泉入って……って、一緒
にって事は、こ……混浴で……や、やだな、私ったらはしたない妄想を……で、でも……
二人っきりなんだし……そうしたら、そのまま勢いで……なんて……あああ、どうしよう。
楽しみ過ぎて、今から興奮しちゃう……』


女子社員A[そうそう。トイレの個室から何かブツブツ聞こえてくるからさ。良く聞いてみ
たら、音無主任の声でさ。――――で、――――だって]
女子社員B〔キャーッ。ホントに? あのクールで理知的な音無主任が? 信じらんなー
い!!〕
女子社員A[それでさ。こうこう……こうで、こんな事言っててさー。もう、聞いてるこ
っちが恥ずかしくなっちゃうくらいで]
女子社員B〔ウッソー。主任ってば、意外と乙女なんだー。でも、可愛いよね。あの主任
がそんな事考えてるなんてさー〕
女子社員A[ホントホント。乙女心って、わかんないよねー。これは、年明けにも別府さ
んとゴールイン……あるかもよ?]
女子社員B〔だよねーっ!! 祝福しなくっちゃー!!〕


終わり
最終更新:2011年11月10日 00:13