72 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/11/21(月) 23:45:34.99 ID:suyv+ugj0 [2/4回発言]
今日は水色か……。
「死ね」
いつも通り無防備な格好で人の部屋のベッドに居座っている幼馴染みの下着の色を確認していたら、ダーツが飛んで来た。
危ない危ない。
「なにすんねん」
「こっちのセリフだボケ。もう少しで鬼太郎になるところだっただろうが」
「大丈夫、峰打ちだ」
「ダーツの矢に峰があったとは驚きだ」
壁に深々と刺さっているダーツを引っこ抜く。
なんでこんなもん常備してんだよ。
ベッドの上に陣取って雑誌を眺めている幼馴染みは通称『』。
乗馬部所属とかそんなんではなく、入学初日にちょっとしたセクハラをした俺に馬乗りになってボコボコにしたという伝説から由来している。
ロリはナイチチでチビだから。
「失礼な視線を感じるぜっ」
「ふんっ!」
再来したダーツを中指と薬指の間で受け止める。
「ちっ」
「女の子が舌打ちなんかするんじゃありません」
「……ふん、女の子だなんて意識してないくせに」
「そうかもn」
枕が顔面に直撃した。高反発なので地味に痛い。
「くらえっ」
「そうはいくかっ!」
殺気を感じて枕を盾にする。
ドスドスドスッと嫌な感じの振動が枕越しに伝わる。
見てみると、ダーツが3本刺さっていた。
「いやマジであぶねーから」
「デリカシーのない最低クズ男には穴だらけの顔面がお似合いだ」
なにやら怒っている様子。
73 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします : 2011/11/21(月) 23:45:49.27 ID:suyv+ugj0 [3/4回発言]
さっきの発言のせいだろうと推測されるので、とりあえずフォローをいれておく。
隣に腰掛けて、耳元で囁く。
「好きな女の下着以外に興味なんかねーよ」
「…………」
「…………」
「…………帰る」
選択肢をミスったか?
まあ明日になったら機嫌も治るだろう。
「……明日は早めに起こすから」
「おっけー、いつもありがとな」
「別に」
部屋から出ていく小さな背中に向かっていつものセリフ。
「愛してるぜ」
「…………ばか」
あれもいつものセリフだけど、いつもより耳が赤く見えたのは気のせいじゃないだろうな。
「おやすみ」
「…………またね」
ウチの幼馴染みは難しいようで扱いやすい。
最終更新:2011年11月24日 00:04