81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/31(土) 23:31:52.89 ID:X6QjtXXsO [8/13]
まつり「1本なのじゃ!」
友ちゃんと山田の試合が終わった。結果は山田の圧勝。男と女なのだから、山田が勝って当然だろう
僕はそれを端の方で纏(まとい)と一緒に眺めていた
友「はあ…はあ…はあ…」
友「…また、負けちゃったよ……」
山田「でもまた強くなったな」
友「本当?…やったね、これで山田くんに近づいたかな」
2人が会話しているところに、纏(まつり)が近づく
まつり「友ちゃんは一つひとつの動きが大きすぎる。もっとコンパクトに動くことじゃな」
友「そっかあ、うん、わかったよ」
まつり「山田はここぞという時に動きが大袈裟じゃ。どんな時でも冷静でいることじゃの」
山田「うーん…確かにそうかもしれないな」
まとい「…ねぇさまはすごいのう」
隣の纏(まとい)がふと漏らした
タカシ「そうだなあ」
タカシ「まといもねぇさまみたいになりたいか?」
まとい「うむ!当然なのじゃ!」
タカシ「なれるといいな」
まとい「うむ!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/31(土) 23:32:32.04 ID:X6QjtXXsO [9/13]
僕と纏(まとい)が話していると、そこへ山田と友ちゃんがやってきた。他の人の試合が始まってすることがないようだ
この道場はそう広くはない。だから誰かが試合をすると他の門下生はそれを見学する他ないのだ
普段の練習でもギリギリの広さだから、近々道場を増築する話もある。しかし、それはまだ目処が立っていない
山田「俺の試合どうだった?」
山田と友ちゃんは僕の隣に腰をおろした
タカシ「別に、普通だったよ」
友「ね、ね、私はどうだった?」
タカシ「この前見た時よりうまくなったな」
友「本当?実はさっきも言われたんだ!」
はしゃぐ友ちゃんは本当に嬉しそうだ。道場の中で友ちゃんは弱い方だ。しかし数少ない女性門下生の中では一番の強さを誇る。
まつり「そこうるさいのじゃ!」
纏(まつり)が僕たちを注意する。注意されて昨日の纏(まつり)の言葉を思いだす
そうだ。僕はまだ友ちゃんより弱いのだ。
友「怒られちゃったね」
タカシ「そうだね」
友ちゃんは怒られてしゅんとする様子もなく、僕に顔を近づけて小さな声でいった
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/31(土) 23:32:59.50 ID:X6QjtXXsO [10/13]
友「そういえば、タカシくんっていつも見学してるよね」
山田「そういえばそうだな」
山田「そんなに見るくらいならいっそおまえも道場に入っちまえばいいだろ」
まとい「なにを言ってるのじゃ。にぃさまは…むぐ!?」
僕が稽古を受けていることは纏(まつり)と纏(まとい)以外には秘密だ。それを纏(まとい)が口に出そうとしたから、僕は慌てて纏(まとい)の口を塞いだ
タカシ「ま、まあ気が向いたら俺も始めるよ」
まとい「むー!むー!」ジタバタ
よほど言いたいのか、纏(まとい)が暴れる
山田「なんだよ、ちょっとくらいいいだろ」
友「というか、まといちゃんどうしたの?」
タカシ「い、いや、何でもないよ、な?」
まとい「むー!むー!」ジタバタ
更に暴れたから、僕は更に強く抑えこんだ
タカシ「ほら、大丈夫だろ?」
友「大丈夫に見えないんだけど…」
少し不審に思われたが、どうやらなんとかごまかせたようだ
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/31(土) 23:34:19.66 ID:X6QjtXXsO [11/13]
友「あ、でも、私タカシくんと試合したい!」
山田「とかいっておまえ、男に勝ちたいだけだろ」
友「そんなことないもん!」
山田「だったら何でタカシと戦いたいんだよ」
友「それは…」
山田「やっぱりそうなんじゃないか」
友「違うもん!」プンプン
まつり「そこ、うるさいのじゃ!」
山田と友ちゃんが軽い喧嘩をしていると、僕たちはまた纏(まつり)に怒られた
まとい「むぐ…」コテ
そのおかげか、纏(まとい)もついに諦めたようで、おとなしくなった その日の僕の稽古のこと。
まつり「今日はやけに友ちゃんと仲良さげに話しておったの」
タカシ「普通に話してただけだけどな」
まつり「何を話しておったのじゃ?」
タカシ「言うほどのことは話してないよ」
まつり「だから何を話しておったと聞いてるのじゃ!」
タカシ「なに怒ってんだよ…」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/12/31(土) 23:35:50.32 ID:X6QjtXXsO [12/13]
タカシ「試合どうだったかとか、おまえも道場に入れとか、それくらいしか話してないよ」
まつり「え、他にないのかえ?」
タカシ「ああ、それだけだよ」
まつり「ほ、本当にそれだけかの?」
まとい「儂が証人じゃ!」
まつり「そうか、そうか…よかったのじゃ」ホッ
タカシ「ん、何がよかったんだ?」
まつり「べ、別に何でもないのじゃ!」ドゴ
タカシ「痛い…」
まつり「ほ、ほれ、さっさと稽古を始めるのじゃ!」
続きはまた今度
最終更新:2012年01月05日 20:55