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11 名前:1/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:10:35.84 ID:38VLWXzi0 [2/9]
  • ツンデレとコミケでコスプレして売り子をやったら

「ありがとうございましたー」
『完売まであと10冊か…… さすがにちょっと疲れたわね』
「そりゃ、俺のセリフだ。何だって、こんな訳分からん格好で早朝から何時間も働きづめ
でなくちゃならんのだよ」
『仕方ないでしょう? うちのサークルは男子がいないんだし、どうしても力仕事には男
手がいるものだから』
「別に、そんな力仕事って程の冊数を売り捌くわけでもないのに――イテテテ」
『悪かったわね。初参加のサークルなんて知名度ないんだし、この程度の部数でちょうど
いいのよ。それでも200冊となれば結構な量なのよ。男子がいるに越した事はないわ。力
仕事では余り当てに出来ない貴方でもね』
「へえ。普段、資料集めと称するマンガや本の買い漁りの時は、俺でも音を上げるくらい
の量の本を平気で持ち歩く藤好なら、200冊くらい一人で持ち運べるんじゃないかと――イテッ!!」
『貴方ね。かよわい女子を捕まえてバカ力の持ち主だなんて言うなんて、無神経にも程が
あるわ。少しは言葉を選びなさい』
「だからって、本の角で殴るか普通。打ち所が悪けりゃ死ぬぞ」
『大丈夫よ。憎まれっ子世にはばかるという言葉どおり、そんじょそこらじゃ貴方は死な
ないから。もっとも、死んでくれればそれはそれで平和になるからいいんだけど』
「藤好って表情変えずに冗談言うから怖いよな。お前の事良く知らない人間が聞くと、100
%本気にするぞ」
『あら? 私はいつだって、貴方相手なら本気だわ』
「いやいやいや。そこは頼むから冗談と言ってくれ。本気なのは甘い言葉以外いらないから」
『それこそあり得ないわよ。私が貴方に甘い言葉を囁く事があると、貴方思ってるの?』
「いや。将来的にそうなってくれればいいなと、そう思っているだけで」
『貴方がそう思うのは勝手だけれどね。それは一人で妄想の中だけでやってちょうだい。
私を巻き込まないでね。お願いだから』
「何て言うか、もう十分言葉だけで死にそうな気分だぜ」
『それならいっそ、そのまま成仏してくれれば――あら?』

12 名前:2/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:10:56.19 ID:38VLWXzi0 [3/9]
 メザメタコーコローハーハシリダシタ♪ミーライヲーエガクタメー♪
『ちょっと待ってて。あ、もしもし、紺? どうなの守備は。そう……ええ、ありがとう。
あそこのが手に入らなかったのはちょっと残念だけど、大体達成出来たじゃない。うん。
こっち? こっちも、もうすぐ完売だから大丈夫よ。そうね、うん。まあ、彼のはおまけ
でしかないけど。……そんな事無いって、そんな事あるわよ。勝手に言ってなさい。そう
ね。うん、そっちは任せるから、引き続き宜しく。それじゃあ』
 ピッ!!
「何だ? 同じサークルの子か?」
『ええ。買出しに回らせた紺からよ。一つ二つ、人気サークルの同人は逃しちゃったけど、
大体欲しい物は手に入ったみたい』
「全く、お前も含めてよく体力持つよな。売り子にコスプレに買出しにと大忙しじゃねーか」
『そうね。もっとも、貴方には最初から、こっちの役目も期待してたから。お陰で紺と弥
生には買い物に専念して貰えたし』
「ふーん。まあ、俺はそんなに興味ねーからあちこち歩き回らされるよりはここで店番し
てる方が楽だけどよ。藤吉はいいのか? こういうのって、自分で見て回って買う楽しみ
もあるんじゃねーの?」
『それは言えるけど、今回は我慢するわ。まさか貴方一人でここを任せる訳には行かない
し、かと言って他の子を残してうっかり間違いでも起こされたらたまらないもの』
「間違いって何だよ、間違いって。そんな、藤好の友達に手を出す訳ねーだろ」
『分からないわよ。貴方ってスケベで変態だもの。二人だってコスプレして派手な滑降し
てるから、理性が性欲に負けるなんて十分にありえる事だわ』
「だったら自分はどうなんだよ。藤好だって、派手な格好してるじゃん。ずっと俺といて、
変な目線で見られるとか考えなかったのかよ?」
『……それは、多少は我慢するわ。仕事頼んだのは私だもの。多少のイヤらしい視線くら
いなら我慢するわよ。それに、私に直接手を出そうとすれば、どうなるかは恐らく、貴方
自身が一番良く知っているはずだろうしね』
「気安く手を出したら火傷どころじゃ済まないものな。確かに」
『だから、私ならまだ安全って訳。良く分かった?』

13 名前:3/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:11:15.09 ID:38VLWXzi0 [4/9]
「はいはい。良く理解しましたよ。全く、少しは優しい言葉の一つも掛けてくれれば、や
る気も出るってのによー。見栄えも高スペックだし、絵も話も上手と来てるのに、何でこ
う、性格がここまでキツイかねぇ」
『あら? それは褒めてるのかしら。それとも貶してるのかしら』
「さあな。それは藤吉の取り方次第だけど、少なくとも良い面に関しては言葉通りに受け
取ってくれていいぜ」
『そう。まあ、貴方に褒められても嬉しくないし、性格がキツイというのも貴方に対して
だけはその通りだから、貶されてるとも思えないし、微妙な所よね』
「ああ。一応キツく当たってるっていう自覚はあるんだ……」
『そりゃあそうよ。だって、貴方にそういう原因があるからだもの。むしろ、貴方こそ私
に厳しい事ばかり言われる根本を自覚して欲しいものだわ』
「まあ、散々言われてるから、自覚してないでもないけどな。ただ、直せと言われてはい
そうですかと直せるもんじゃないし」
『ホント、貴方って反省とかしない人なのね。本当に嫌になるわ』
「まあ、どうとでも思ってくれよ。でさ、思うんだけど、藤好はマンガとかで食ってこう
とか思わないわけ? これだけの実力があれば、やれそうなもんだけどな」
『もし、認めてくれる人がいれば気が無くもないけどね。ただ、そう甘いものじゃないわ
よ。少し回れば分かるけど、私以上に絵が上手い同人作家なんてたくさんいるし』
「そういうもんか。まあ、そんなに楽に行ったら苦労しないか」
『そうよ。確かに最近は昔に比べてずっと間口は広くなったけど、仮にデビュー出来たと
しても、食べていけるなんて期待はしない方がいいわよ。連載が長引けばいいけど、間口
が広いという事は、それだけ後進の作家に足元を掬われるという事だからね』
「なるほどねえ。いや、気軽に変な事言って申し訳なかった」
『別に。貴方が知識ないのは今に始まった事じゃないから、気にもしないわ。まあ、誰か
養ってくれる人がいれば、パート代わりの稼ぎとして同人本売ったり、18禁とか萌えジャ
ンルの商業誌に不定期に書いたりとか出来るかも知れないけど』
「なるほど。じゃあ、ある程度金出してくれる人間がいれば、何とかマンガで食ってく事
も出来るってわけか……」
『ちょっと。変な顔して何考えているわけ?』
「いや。もしかしたら、俺が就職した後の稼ぎを当てにして……とか、ありそうな気がしてさ」

14 名前:4/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:11:34.03 ID:38VLWXzi0 [5/9]
『まさか。貴方に生活を支えて貰うなんて、考えただけでも反吐が出そうよ。大体、貴方
なら、生活費の見返りに体を要求しそうだし』
「しねーよ。お前の体なんて要求したら、うっかり殺されるなんて十分有り得そうだし。
大体その……女の弱味握ってセックス要求するとかカッコ悪いしよ……」
『フン。童貞が何カッコ付けてんだか』
「そこでそれを言うか!! つか、お前だって年齢イコール彼氏無しじゃねーかよ。人の
事言えた義理じゃねーだろ」
『別に私はカッコ付けた事言ってないもの。分相応の態度って、絶対必要だと思うわ。特
に貴方にはね』
「ちくしょう。こうなったら絶対良い女見つけて、お前をギャフンと言わせてやるぜ」
『せいぜい頑張る事ね。まあ、貴方には無理な事でしょうけど』
【すみません。ちょっといいですか?】
「お? 客じゃね?」
『はい、いらっしゃいませ。どうぞ、見本はこちらです。気に入ったら、是非買って行って下さい』
【あ、いえ。えっと、そちらの子の写真撮らせて貰いたいなって。いいですか?】
「だってよ。どうする?」
『別にいいわ。ちょっと待ってて。一応、身だしなみチェックしてから――はい、いいわ』
【じゃあ、すみません。あの……もうちょっと笑顔でお願い出来ますか?】
『ごめんなさい。これが素の顔なの。笑顔は苦手だから』
【あ、そうですか…… じゃあ、撮ります。はい、チーズ。あと、もう一枚、僕と一緒に
いいですか?】
『どうぞ。あと一枚くらいなら、構わないわ』
【それじゃあすみません。そこの方、カメラお願い出来ますか? 押すだけなんで】
「ああ、いいよ。それじゃあ、行くぞ。はい、チーズっと。これでいいか?」
【あ、はい。十分です。えっと、あと、この本一冊いいですか?】
『どうぞ。300円よ』
「どうも、ありがとうございます」
【それじゃ、どうも。写真、ありがとうございました】
『……ふう。コスプレはいいけど、写真は疲れるわね』

15 名前:5/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:12:02.18 ID:38VLWXzi0 [6/9]
「お前さ、もう少し愛想良く出来ないのか? 何ていうか、何人か写真撮りに来たけどさ。
皆お前のクールさにおっかなびっくりになってたじゃん」
『無理ね。赤の他人に愛想良く笑顔振りまくなんて私には無理だもの。コスプレは紺と弥
生に言われてやってみたけど、そこまでは無理だわ』
「まあ、言うだけ無駄だってのは分かってたけど……惜しいなあ。その美貌で愛想の良さ
が加われば、人気者のレイヤーにもなれたかも知れないのに」
『あら? 貴方は私が人気者になって、男の人に写真撮られまくった方がいいって言うの?』
「いや。別にいいとは言わないけどさ。ただ……何て言うか、うーん……まあ、いいけどさ」
『ハッキリしないわね。男なら、ちゃんと言ったらどう?』
「言えるならそうするさ。ただ、自分でも何て言えばいいのかが難しくて、上手く言葉に
出来なかったから諦めただけだっての。だから、そう気にしないでくれ」
『まあ、いいわ。そういう事なら不問にしといてあげる』
[すみませーん。ちょっといいですかあ?]
「何だ? 今度は俺かよ」
[はい。その格好って、魔法少女ツンデレかなみんの敵役のタッカーシーですよね? 私、
あのキャラ好きなんですよ。何か、すっごく良く似合ってて……もし良かったら、私と一
緒に写真撮ってもらえませんか]
〔あの、私も宜しくお願いします〕
「ああ、別にいいよ。えっと、じゃあ、この辺で」
[キャー、ありがとうございます。えっと、あの……腕組んでもいいですか?]
「え? そりゃ構わないけど」
[じゃあ、失礼して……ももちゃん。しっかり撮ってね]
〔分かってるから。はい、チーズ。それじゃあ、今度あたしお願いします〕
「ああ。どうぞ」
〔それじゃあお願いしますっ♪ えへっ!!〕
[ちょっとお? ももちゃん、くっ付きすぎじゃない?]
〔いーじゃないの。なおもくっつけば良かったのに。ほら、撮って撮って〕
[しょーがないな、もう…… はい、撮ったよ]
〔すみません。ありがとうございますーっ!!〕
「いえいえ。どーも」

16 名前:6/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:12:20.64 ID:38VLWXzi0 [7/9]
『…………』
「どうしたんだよ。こっち睨んで」
『このドスケベ。女の子にくっ付かれてニヤニヤしてるなんて、最低だわ』
「向こうからくっ付いてきたんだからしょうがないだろ。あの子達もお祭り気分で浮かれ
て、ちょっと気分が開放的になってただけだろ」
『別に、彼女達はそれでもいいけど、問題は貴方よ。どうせ頭の中はピンク色の妄想で締
められてるんでしょう? 変態』
「何怒ってんだよ。自分だってカメラ向けられてたじゃないか」
『怒ってないし、別にそういう事言ってる訳じゃないわよ。たまたま、貴方がコスプレし
てるキャラが人気あるってだけで、まるで自分の人気みたいに勘違いしてる貴方が痛々し
いだけだわ』
「いや。そのくらい分かってるし。とはいえ、女の子に写真撮って下さいって声掛けられ
るのも悪い気分じゃないのも事実だけどな」
『ほら、やっぱりそうじゃない。まあ、言わなくても貴方の顔を見れば一目瞭然だけどね。
鼻の下伸ばして、本当にみっともないわ』
「やっぱり、藤好怒ってるだろ。表情は変わらないけど、口がやたら早口になってるし、
態度も落ち着きないし」
『貴方も聞き分けない人ね。私は別に全然怒ってなんていないって言ってるのに、勝手に
そういう風に決め付けないでよね。冗談じゃないわ』
「あのさ、もしかしてさ。藤吉が怒ってるのって……嫉妬、してんのか?」
『――――っ!?』
「ありゃ? 一気に顔が真っ赤に。これはもしかして図星だった……とか?」
『何言ってるの貴方バカじゃないの? 誰が誰に嫉妬するって言うのよ。馬鹿げた妄想は
止めてよね本当に』
「いや。今日、結構女の子から写真撮らせてくれって頼まれたからさ。多分、藤好より多
かったろ? それで怒ってるんじゃないのかって」
『あり得ないわよそんなの。貴方の写真を撮りたいなんて私には全く一切全然理解出来な
いけど、そんなのは彼女達の自由じゃない。ただ、私はその時の貴方の態度がだらしない
から、ただ一言苦言を呈しただけだって言うのに』

17 名前:7/7[] 投稿日:2012/01/07(土) 21:13:35.78 ID:38VLWXzi0 [8/9]
「だからさ。俺が声掛けて来た他の子にデレッとした顔したのが、頭来てんのかなってさ。
私をもっと見て欲しいとか」
『冗談じゃないわよ。貴方なんかに見られたら虫酸が走るわよ。止めてよね本当に』
「安心しろよ。俺は他の誰よりも、雫が一番可愛いし服装も良く似合ってると思ってるからさ」
『何が安心よっ!! 意味分からないし、貴方にその……かわっ……可愛いなんて、言わ
れたくもないわ。あと名前で呼ぶの止めてよね。恋人同士みたいで嫌なの』
「残り少しだし、売り切ったら写真撮り合おうぜ。せっかくの記念だしな。あと、当然2
ショットも」
『何で貴方なんかと一緒に写真撮らなくちゃいけないのよっ!! お断りだからね!!
本当にお断りなんだからっ!!』


終わり
単純にクールなツンデレ+オタクの掛け合わせがやりたかっただけという話も

あと、コミケ行った事ないので、そこら辺はご容赦を
最終更新:2012年01月13日 15:52